産業医面談とは?実施する意味やパターン別の目的、実施する際のポイントを紹介

産業医 面談 実施する意味

産業医面談とは

産業医面談とは、労働者の健康管理を目的とした面談です。労働者の心身の状態や生活習慣、就労状況などを確認し、産業医が助言や指導を行ないます。そのため、健康診断後や長時間労働者の発生時などに実施されます。

また、ストレスチェックで高ストレス者が出た場合のほか、休職や復職の際に専門的な判断として行なわれることもあります。

徐々に起こる身体の変化は本人や周囲が気付けないこともあるため、専門的な立場から労働者と企業の双方に助言を行なうために大切な取り組みです。

  • 複数拠点の遠隔、訪問面談を実施したいが遠隔地になるほどコストが上がるため現産業医では対応できない
  • はじめてストレスチェックを実施するが、実施後の面談対応の体制をつくりたい
  • 毎月の職場巡視や衛生委員会の出席など法定義務と合わせて訪問面談の対応を実施してほしいが、産業医との調整がうまくいかない
  • 従業員の勤務体系が不規則なため、面談対応が実施できない
  • 休職者のサポートですが、どのくらいの頻度で連絡や面談の機会などをとるのがよいかわからない

など、お困りごとや課題感を感じたことはありませんか?
産業医面談は、おもに高ストレス者・長時間労働者などに対して実施するものです。また、休職・復職の際に、疾患の再発防止や再休職を回避するために実施される場合もあり、その目的は面談の種類ごとに異なります。

本記事では、産業医面談の目的や実施する際のポイント、オンライン面談を実施する方法について詳しく解説します。

※株式会社エス・エム・エスが運営するリモート産業保健は、産業医面談に関する相談対応や労働安全衛生法の法定義務対応と合わせ、複数拠点の訪問やオンライン面談対応、休職者のケアまでトータルサポートを実現しています。

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産業医面談は意味がない?パターン別の目的について解説

「産業医面談を実施してもあまり意味がない」などと言われることもありますが、面談の目的は「労働者の健康を守ること」であり、それはどの事業場にとっても大変重要な事柄です。そこでまずは、産業医面談のおもな目的をパターン別に解説します。

健康診断後の面談の目的

健康診断後の産業医面談では、労働者の健康の保持・増進を図ることを目的に、労働者への生活習慣などに関するアドバイスや企業側への提言がなされます。

労働安全衛生法に則り、健康診断結果で労働者に異常所見が認められた場合には、事業者は必要な措置に関する意見を、3ヵ月以内に医師または歯科医師から聴く義務があります。

何の措置もとらずに就業を続けさせて、労働者の健康を害することのないよう、事業者は専門家の意見をもとに、健康障害を予防するための対策を施します。

また、健康診断結果から、特に健康保持に努める必要があると認められた労働者に対しては、速やかに産業医面談を実施するよう努めなければなりません。

長時間労働者への面談の目的

長時間労働者は、脳血管疾患や虚血性心疾患など、脳・心臓疾患の発症リスクが高い傾向にあります。そのため、発症の予防や早期対応を目的に産業医面談を実施する必要があります。

長時間労働による面談の対象者は以下のとおりです。

  1. 時間外労働・休日労働時間が月80時間を超え、疲労蓄積があり面接を申し出た労働者
  2. (1)に加え、月100時間を超える時間外労働・休日労働を行なった研究開発業務従事者
  3. 1週間あたりの健康管理時間(※1)が40時間を超えた場合、その超過時間が1ヵ月100時間を超える高度プロフェッショナル制度適用者

(※1)対象業務に従事する対象労働者の健康管理のために、その対象労働者が事業場にいた時間(ただし、労使委員会が厚生労働省指定の労働時間以外を除くよう決めた場合は、その決議にかかわる時間を除く)と、事業場外で労働した時間との合計

なお、時間外・休日労働が月100時間超の研究開発業務従事者や高度プロフェッショナル制度適用者は、当人から面接指導の実施申出がない場合でも面談対象です。

36協定の基準や労災認定の基準(過労死ライン)など、長時間労働の基準については以下の記事を参考にしてください。

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高ストレス者への面談の目的

高ストレス者への面談は、過労やストレスによるメンタルヘルスの不調や精神疾患の発症を未然に防ぐことを目的に実施されます。

ストレスチェックは労働安全衛生法により、労働者数が常時50人以上の事業場で年1回の実施が義務付けられています。ストレスチェックの結果、「高ストレス者」と判定された者に対しては、産業医面談を行ないます。

産業医は、高ストレス者にストレスへの対処方法やセルフケアについてアドバイスするだけでなく、企業側に対処すべき問題(働きやすい環境づくりなど)を意見することもあります。

ただし、労働者本人が面談を希望しない場合には実施できない、という点に注意が必要です。

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労働者の申出による面談の目的

労働者側から産業医面談を希望するパターンもあります。このように、産業医面談は労働者がメンタルヘルスの不調や健康面での不安を抱えているときの相談窓口としても機能します。

企業側は、「中立的な立場として相談に乗ってくれる産業医がいること」を、日頃から労働者へ周知することが大切だといえるでしょう。

休職・復職面談の目的

休職・復職時に行なう面談の目的は、速やかに発症予防や再発防止の措置をとり、企業側の受け入れ体制を整えることです。

休職前の面談では、産業医が労働者の心身の状態を確認しながら、「休息の必要性」を企業側に意見します。すでに休職指示が記載された主治医の診断書がある場合には、産業医面談を行なわず、そのまま休職となるケースもあるでしょう。

一方、復職前の面談では、産業医が本人の希望や主治医の診断書、復職後の業務内容や環境などを確認しながら、「就業可能かどうか」「就業する場合、どのような配慮が必要か」などを企業側へ意見します。

休職時の産業医面談の必要性については、以下の記事で詳しく解説しています。

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産業医面談で重要となる、メンタルヘルスケアの考え方

事業者は、ストレスチェック、産業医面談、職場環境の改善などを通して、労働者のメンタルヘルスケアに努める必要があります。メンタルヘルスケアには、以下3つの段階があります。

  • 一次予防:メンタルヘルス不調の未然防止
  • 二次予防:メンタルヘルス不調の早期発見、適切な措置
  • 三次予防:メンタルヘルス不調となった従業員の職場復帰のための支援

段階ごとの目的を正しく把握し、それぞれの労働者に合わせた適切な措置をとることが、メンタルヘルスケアを行なううえで重要です。ただし、対策が形式的なものにならないよう、「なぜ行なう必要があるのか」を常に念頭に置いて進めるようにしましょう。

さらに詳しい説明や実際の流れについては、下記の記事を参考にしてください。

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産業医面談のおもな内容

産業医面談では、労働者の心身の状態や仕事内容など、確認すべきことが多々あります。ここでは、産業医面談のおもな内容を具体的に説明します。

産業医面談で話す内容

産業医面談で話す内容は、面談を実施する目的によっても異なりますが、現在の体調、生活リズム、労働環境、人間関係、ストレスの原因などでしょう。

例えば、高ストレス者の場合はストレスの原因やメンタルヘルス不調の有無を確認し、長時間労働者の場合は心身の不調と併せて疲労の蓄積度や勤務状況を確認する、といった内容がメインになります。そして、現在の労働者の状況に合わせて、生活や仕事についてアドバイスをしたり、必要であれば専門の医療機関を紹介したりします。

産業医には刑法第134条により守秘義務が課せられているため、企業側の関係者を含めて他人に面談の内容が漏れることはありません。面談を受ける労働者には、あまり気負わず、リラックスして現在の状況や率直な思いを話して良い旨、事前に伝えるようにしましょう。

産業医面談の所要時間は15~30分程度で、診察や診断、処方などは行なわれません。

面談後には労働者の同意を得たうえで、企業側へ業務内容や勤務時間の調整などを産業医が意見する場合もあります。なお、産業医はあくまで中立の立場であるため、企業側・労働者のどちらかに偏ったアドバイスはしないということを理解しておきましょう。

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身体的な内容について

産業医面談では、まずは睡眠や食事、運動習慣、飲酒や喫煙などの生活習慣について聞かれることがあります。眠れない、食べられない、お酒の量が増えたなど、生活習慣の小さな変化が症状出現の前兆となる場合があるためです。また、検査の数値に基準値外がある従業員に対しては、疾病予防を目的として現状を把握するために質問することもあります。

寝つきの悪さや熟眠感が得られないなどの睡眠不足の状態が続くと、メンタルヘルスの不調や身体的な病気のリスクが高まるといわれています。改善策を考える必要があるため、睡眠時間や睡眠の質、生活リズムについてのお話を伺い、なぜ眠りの質が悪くなっているのかを探っていきます。

もしもストレスで喫煙や飲酒が増えている場合、注意されると面倒だな・・・と実際より少なく答える人もいるかもしれません。産業医は従業員の健康状態の改善や、本人も気付いていない身体からのSOSを発見することを目的にし質問しています。正直に答えることが自身の健康を守ることにつながるのだと考えて質問に答えるようにしましょう。

精神的な内容について

職場での悩みは多岐にわたりますが、昨今ではとくにハラスメントが問題になっています。パワーハラスメントやセクシャルハラスメントは上司や先輩などから受けることが多いため、逆らえなかったり、周囲に相談できなかったりすることが多く、一人で抱え込んでしまうことでメンタルヘルスの不調に陥りやすい傾向があります。

そのため、体調不良で面談を行う場合でも、産業医から職場の人間関係や勤務時間、業務上の悩みについて伺う可能性があります。また、長時間労働が続いている場合には、体調などに変化がなくても現状を確認するために質問する場合もあるでしょう。

ハラスメントについては、ハラスメントする側に自覚がないことや、従業員が強いストレスを感じたとしてもハラスメントに当たらないかもしれないと考えてしまう場合があります。思い当たることがある場合は一人で抱え込まずに第三者である産業医に相談することが大切です。

人間関係について悩んでいる場合には、産業医に相談することで客観的に状況を受け止めることができ、自身の状況を整理することにつながります。その上で、同僚からの嫌がらせがある場合や先輩からの指導がきついなど、個人での対応が難しい場合には上司に伝えてもらうことも可能です。配置替えの際に考慮してもらうなど何らかの対応がされることもあるので、我慢せずに面談で伝えてみましょう。

就業について

体調不良などが継続している場合は産業医面談を行い、従業員の症状や状態に応じて就業可能な状態か、業務の調整が必要か、休養が必要かを医学的に判断します。企業は主治医や産業医による意見をふまえて、就業措置や休職について決定します。

休職となった場合は、休職開始後に経済面や今後の見通しが立たないことにストレスを感じたり、復職を焦ったりしてはゆっくり休養できません。休職中の給与や補償、休職期間、休職中のルールなど、企業の担当者に説明を受けたうえで気になることがあればしっかり確認しておきましょう。

なお、自立支援医療の対象となる疾患の場合には、所得などの条件に応じて通院医療にかかわる費用の一部が支給されます。休職中も経済的な負担が少なく通院を継続しやすくなるため、主治医に確認してみましょう。

復職について

復職の際には主治医による診断書が必要です。産業医は主治医と連携しながら面談を行い、医学的に判断し復職について意見書にまとめて企業に提出します。

復職に向けた面談では、復職可能な状態か、どのような環境であれば継続的に働けるかを確認するための質問がされます。たとえば、通院状況、復職を意識してからの日常生活習慣、働くことへの意欲や不安など、細かく確認していきます。

復職面談で取り繕って無理に復帰をしても再び体調を崩すリスクが高いため、面談では無理をせずに今の状況を正直に話しましょう。復職を希望している場合には、まずは生活リズムを整えるなどできることからはじめると良いでしょう。

復帰後は再発防止のため、産業医が企業や主治医と勤務状況や治療状況などを共有します。定期的に産業医との面談を実施しながら、状況に応じて業務調整などのフォローも行われます。

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退職について

産業医面談で従業員が退職を希望した場合、産業医から無理に引き止めることはありませんが、休職時と同じように従業員の現状を把握するための質問を行うことがあります。退職理由に業務上の理由がある場合、異動や部署変更、業務内容の見直しなどの対応を行うことで仕事を続けられる可能性があるからです。

なお、産業医から退職勧告をすることは従業員への不利益になるため法律で認められていません。本人が退職を希望しなければ、どのような状況でも休職、時短勤務などを活用した就労を継続するための話し合いが行われることになります。

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産業医面談はオンラインでも実施可能

労働安全衛生法の一部改正により、2020年11月からオンラインによる産業医面談が可能になりました。

新型コロナウイルスの感染拡大やリモートワークで働く労働者の増加という背景もあり、オンラインでの産業医面談の実施は、企業・労働者双方にメリットがあります。

オンライン面談を行なうのは、以下のいずれかの要件に該当する医師が望ましいとされています。

  1. 面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合
  2. 面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場合。
  3. 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがある場合。
  4. 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、当該労働者に指導等を実施したことがある場合。

出典:情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について|厚生労働省

オンライン面談は、事業場の環境や労働者の状況を日頃から把握している産業医が行なうのが望ましいでしょう。事業場に所属する産業医であれば、職場の巡視や面接指導の経験は問われません。

なお、オンライン面談を実施する際には、事業者は、事業場の事業概要や業務内容、面談対象者の情報(勤務状況など)を事前に産業医に提供しなければなりません。

また、オンライン面談に利用する情報通信機器は、厚生労働省の通達で定められた以下の要件を満たす必要があります。

  1. 面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるものであって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること。
  2. 情報セキュリティ(外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止)が確保されること。
  3. 労働者が面接指導を受ける際の情報通信機器の操作が、複雑、難解なものでなく、容易に利用できること。

出典:情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について|厚生労働省

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産業医面接で退職勧奨することはある?

産業医による「退職勧奨」は原則NGとされていますが、産業医が労働者の心身の健康を守るために、退職という選択肢を提案する例もあります。

それが退職勧奨とみなされてしまい、トラブルになるケースもまれにあります。しかし、この場合の提案は退職勧奨にはあたりません。労働者本人が「自身の健康を守るための方法を考えるきっかけ」としてとらえるとよいでしょう。

実際に、退職を提案された労働者が「退職を強要された」として、会社と産業医を訴えた事例もあります。産業医に退職勧奨をする権限はありません。企業側も、産業医を通して退職勧奨を行なってはいけないことを理解しておきましょう。

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産業医面談のポイント

産業医面談で話すことには、職場の環境や人間関係、メンタルヘルスなどのデリケートな内容が含まれるため、「周囲に知られるのでは」と不安に思う労働者は少なくありません。

そこで本章では、労働者の不安を軽減し、職場環境の改善を成功させるための産業医面談のポイントを解説します。

労働者に産業医面談のメリットを伝える

産業医面談に対して、「時間のムダ」「個人情報が漏れる」「人事評価に悪影響が出る」などとマイナスのイメージを持っている労働者も少なくありません。したがって、産業医面談の意義やメリットを、あらかじめ明確に伝えておくことが大切です。

また、産業医には守秘義務があり、面談内容は本人の同意がない限り、原則外部に漏れる心配はないこと、人事評価に影響することはないことなどを繰り返し周知し、労働者が安心して面談を受けられるようにしましょう。

面談の通知はメールや封書にする

産業医との面談を労働者に通知する際には、上司や同僚など周囲の人に悟られないよう、十分な配慮が必要です。

産業医面談は、メンタルヘルス不調者や高ストレス者などが対象になるため、面談の詳細を知られたくないと考える労働者は少なくありません。したがって、メール、または封書を活用し、本人だけに通知が届くようにしましょう。

産業医と連携して職場環境の改善を行なう

産業医面談は、実施したら終わりではありません。労働者が健康的に働けるよう、事業者は産業医のアドバイスをもとに、職場環境を改善する必要があります。

具体的には、労働時間の短縮や業務内容の見直し、作業環境の調整など、労働者が仕事や職場で感じるストレスを低減するための措置を検討します。

ただし、産業医と事業場で適切な情報共有ができていなければ、有効な対策を打ち出すことはできません。事業場は産業医と日頃からコミュニケーションをとり、密に連携して職場環境の改善を図りましょう。

社外に相談窓口を設置する

産業医が中立的な立場であるとはいえ、自身の問題を社内の関係者に伝えたくないと考える労働者もいます。

産業医の面談を促しても拒否する場合は、社外の相談窓口に頼ることもできます。匿名で相談できるホットラインなど、相談しやすい窓口を社外に委託して設置するとよいでしょう。

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定期的なストレスチェックを行なう

定期的にストレスチェックを実施すれば、メンタルヘルス不調者や高ストレス者を早期に発見し、適切なケアを実施できます。

ストレスチェックは、労働者に自身のストレス状況への気付きを促すことや、働きやすい職場づくりを進めてメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的に行ないます。

労働安全衛生法では、年に1回のストレスチェック実施を定めており、繁忙期や閑散期を避けた、平均的な作業量の時期に実施するとより良いとされています。

なお、ストレスチェックを実施する際には、あらかじめ面接指導の体制を整えておくことも大切です。ストレスチェックの実施方法や費用などについては、以下の記事で解説しています。

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産業医面談は企業の義務?労働者は拒否できる?

労働者の健康を守るうえで非常に重要な役割を果たす産業医面談ですが、実施は企業側の義務なのでしょうか。また、労働者から拒否の意向を示された際には、どのように対処すれば良いのでしょうか。

産業医面談は企業の義務だが、強制力はない

企業は労働安全衛生法に基づき、長時間労働者や高ストレス者などには、必要時に産業医面談を実施する義務があります。しかし、労働者には面談を受ける義務はありません。

そのため、企業は労働者に対して、産業医面談を受けるように推奨はできますが、強制的に受けさせることはできないため注意が必要です。

労働者に産業医面談を拒否された場合の対処法

労働者は産業医面談を受ける義務がないため、拒否するケースもあります。しかし、拒否されたからといって、そのまま放っておくのは得策ではありません。

例えば、「面談内容を秘密にしてもらえるか不安」「なじみのない産業医との面談に抵抗がある」といった理由で面談を拒む労働者に対しては、産業医には守秘義務があり安心である旨を明確に伝えることが必要です。

また、「仕事が忙しくて面談を受ける暇がない」「時間がかかりそうで面倒くさい」という労働者には、幅広い日程を提示してみましょう。

企業側としては、日頃から労働者に産業医面談のメリットを伝え、ハードルを下げることが重要です。万が一、産業医面談を拒否する労働者がいた場合にも、拒否する理由や気持ちを受け止め、できる限りの対策を講じるように努めてください。

面談後の措置が重要!産業医の意見書について解説

「産業医の意見書」とは、事業者が労働者に対する措置を適切に行なえるよう、産業医の助言や意見を記載した報告書のことです。産業医面談の実施後、産業医は意見書を作成し、事業者へ提出します。

産業医の意見書は、以下のような場面で作成されます。

  • 健康診断結果に異常所見がある労働者が出たとき
  • 長時間労働があったとき
  • ストレスチェックで高ストレス者と判定された労働者が出たとき
  • 労働者が休職・復職を希望したとき

なお、「産業医の意見書」と「主治医の診断書」は同じと考える事業者も少なくありませんが、それは間違いです。主治医の診断書は、診断結果や疾患・治療の状況、日常生活の安定性について記載されたものであり、産業医の意見書とはまったく異なる性質のものです。

産業医の意見書に関する詳しい説明や意見書のフォーマットは、以下の記事で紹介しています。

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まとめ

産業医面談は、労働者の心身の健康管理をおもな目的として実施されます。対象となるのは、健康診断で異常所見がみられた者や、ストレスチェックで高ストレス者と判定された者、長時間労働者などです。休職・復職の判断のために実施される場合もあり、その目的は面談のパターンごとに異なります。

産業医面談は実施することが目的ではなく、実施後にどのように対応するかが大切です。しかし、通常業務を行ないながら産業医と連携をとり、労働者全員に適切な対応をするのは容易なことではありません。また、現在産業医がおらず、そもそも何から始めたら良いのかわからない企業担当者の方もいるでしょう。

そのような場合には、エス・エム・エスのリモート産業保健のサービスをご活用ください。リモート産業保健では、産業医がいない企業や、さまざまな理由から産業医の交代を検討している企業の産業医選任のほか、今回紹介した産業医面談についてもご相談いただけます。

さらに、ストレスチェックの実施や職場巡視、衛生委員会の立ち上げ・運営支援なども含めた産業保健活動を一括サポートします。企業担当者様の業務負担を軽減し、貴社労働者の健康を守る各種サービスを、業界最安値水準の月額3万円~でご利用可能です。

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