ストレスチェックの集団分析とは?評価方法や活用方法についても解説!

ストレスチェック 集団分析

この記事の監修者

産業医や産業保健師など産業保健分野で活躍する専門家チーム

サンチエ編集部

リモート産業保健サービス紹介資料

【ストレスチェック検討企業様】
集団分析ならリモート産業保健

ストレスチェックの集団分析とは?概要や対象人数をチェック

ストレスはいつの間にか蓄積されていて、体調を崩す原因になります。しかし、ストレスは蓄積されていても気づきにくいという特徴があります。企業においては、従業員に対してストレスへの気づきを促し、メンタルヘルスの予防に取り組むことが求められます。ここではストレスチェックの概要や集団分析などについてご紹介します。

ストレスチェックとは

ストレスチェックは2015年12月から毎年1回、事業主が従業員に対して実施することが「労働安全衛生法」で義務となりました。ただし、すべての事業主に実施義務があるわけではありません。条件は、常時、50人以上の従業員がいる事業所です。

そして、ストレスチェックの目的は「メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)」です。調査方法は質問票に答え、結果を分析します。ストレスチェックを行うことでストレスの度合いを可視化できます。事業所は職場ごとや従業員一人ひとりのストレス度合いを把握することができます。

ストレスチェックの集団分析とは

結果を職場ごとに集計し、集団という単位で職場の状況を判断することです。また、計画期間2018年度~2022年度の厚生労働省の第13次労働災害防止計画では「ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上にする」(引用元:これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引き~)と、集団分析した結果を活用することも目標に掲げています。

対象人数

対象となる人数は10人以上と決まっています。ただし、10人以下の場合は個人が特定される可能性があります。そのため、従業員全員の同意を得なければ、集団分析の結果を事業所に伝えてはいけません。

流れ

ストレスチェックの集団分析までの流れは以下を参考にしてください。

  1. ストレスチェックを実施
  2. 調査票を回収
  3. 部署ごとに分析
  4. 結果を基にして職場環境の改善を実施

部署ごとにデータを分析することで、その職場の傾向や問題点などが把握できます。そして、データ分析から把握した内容を基に、さらに職場環境の改善について検討することで、より具体的な問題点や改善点が描出され、メンタルヘルス不調を未然に予防することにつながります。そのため、分析結果はそのままにせず、職場の環境改善に活用していくことが大切です。

集団分析の結果を活用する方法

集団分析は管理者が行い、分析結果を実施者から事業主に提供することは問題ありません。集団分析の結果、高ストレス者の多い部署があったら、その部署の残業時間を含む労働時間・業務内容・業務量などとすり合わせて総合的に評価します。 

そして、産業医や産業保健スタッフの専門的な視点からみた改善点や、このままだと発生する可能性のあるリスクなどのアドバイスをもらい、職場環境の改善に反映させます。

ストレスチェックの集団分析は義務?メリットとは

ストレスチェックの集団分析は努力義務であるため、実施しなくても罰則などはありません。そういった背景があるにも関わらず、集団分析を行うメリットとは何でしょうか?ここからは、ストレスチェックの集団分析のメリットをご紹介します。

集団分析のメリット

ここでは、メリットをご紹介します。

  • 事業所が従業員全体のメンタルヘルス不調のリスクを把握できる
  • メンタルヘルス不調者を早期発見でき予防につなげられる
  • 組織の課題や強みが明確になる
  • 改善することで働きやすく生産性の高い職場になる

ストレスは自他ともに気が付かないケースが多くあります。気づいたときには、休職や退職しなければいけない状態になっていることも珍しくありません。また、不調になる前の状態になるには、不調になっていた期間よりも長い期間が必要と言われています。そのため、少しでも軽い症状の段階で早めに対処することが大切です。

また、ストレスチェックの集団分析を活用して職場環境が改善されると従業員間のコミュニケーションがより円滑になることが期待されるため、仕事の質や生産性が向上します。集団分析しなければ分からないこともあるため、行うメリットは十分にあると言えます。

ストレスチェックの集団分析の計算・評価方法を解説!

ここからは、計算や評価方法を解説します。

仕事のストレス判定図を利用する

厚生労働省は仕事のストレス判定図を使うことをおすすめしています。仕事のストレス判定図から以下の尺度の得点を計算します。そして、対象となる集団の平均値と標準集団と呼ばれる全国平均を比較し、ストレスの大きさや健康への影響を判断します。

尺度は、仕事の量がどの程度負担になっているか・上司支援などの領域の因子により算出されます。また、その算出された尺度によって使う判定図が異なります。詳しくは下記を参照してください。

【量-コントロール判定図】
この図は、仕事の負担と仕事の裁量権・自由度といった仕事のコントロールを尺度とし、仕事量と裁量権のバランスを判定するために使用します。読み方は下記を参照してください。

  • 仕事の量が多くコントロールが低いと図の右下に表示される
  • 白い範囲がストレスが生じにくい環境で、黄色、オレンジ、赤になるほどストレスが生じやすい環境と判断できる

また、軸の意味は下記をご覧ください。

  • 縦軸:仕事のコントロール
  • 横軸:仕事の量的負荷

縦軸と横軸の交わる斜めの線の点数で判定します。100のラインが全国平均で、右下エリアはストレスが強いことを示します。さらに、仕事量が多くなると平均値よりも高い点数で表示される仕組みです。

【職場の支援判定図】
上司と同僚の支援状態を見るための図です。

  • 縦軸:同僚の支援
  • 横軸:上司の支援

全国平均は「100」のラインで、左下がストレスが強い範囲です。また、平均値よりも点数が高いと、上司または同僚の支援の度合いが低いという意味です。

集団分析の重要ポイント

集団分析では特に「総合健康リスク」と「高ストレス者」を見ることが重要なポイントです。それぞれの違いを詳しく解説します。

【総合健康リスク】
仕事のストレス判定図から計算をして職場の負担感が従業員の健康にどの程度、影響があるかが分かる指標で点数化をします。

計算式は下記の通りです。

総合健康リスク=健康リスクA(量-コントロール判定図の点数)×健康リスクB(職場の支援判定図の点数)÷100

総合健康リスクが150以上は、すでに健康問題が表面化していることが多い状態です。そのため、早急に原因となっていることの改善や、従業員本人に適切なケアを行うことが求められます。

【高ストレス者】
調査票の評価点数から以下の状態と判定された方は「高ストレス者」です。

  • さまざまな体調不良の自覚症状が多い
  • あらゆる体調面の状態が著しく悪い、または、自覚症状がある
  • 職場から受けるストレスが強く、かつ、周囲のサポートが得られていない

ただし、高ストレス者だからといって、全員に自覚症状があるわけではありません。そのため、医師の面接指導の対象として抽出し、面接勧奨をする場合もあります。

ストレスチェックの集団分析が終わったら〜フィードバックはどう行う?〜

集団分析が終わったら、職場にフィードバックをしましょう。フィードバックの方法は、集団研修です。集団研修のメリットは、集団でできるため一度に同じ情報を共有できることです。また、個別で行うことも方法のひとつです。

どちらの方法でも、従業員が理解しやすい、分かりやすい言葉で説明をするようにしましょう。この際に、伝える内容は集団分析の目的・職場環境改善の取り組み方・改善のための具体的な立案方法などです。

ストレスチェックの集団分析結果は開示される?会社の取るべき対応とは

集団分析の結果は開示できます。ただし、結果を開示できる範囲は、あらかじめ関係者が集まる衛生委員会などで話し合いましょう。結果を開示する場合でも、どの範囲まで開示をするか決めることが大切です。

ただし、10人以下の場合は個人が特定される恐れがあるため、原則、対象となる従業員全員の同意が必要です。さらに、結果は表示できますが10人以下の単位で分析するときには、個人が特定されてしまう可能性があるため基本は10人以上の単位での分析が推奨されています。

一方、10人以下の単位で実施するときには「集計や分析の対象となるすべての従業員の同意を得ている状態であれば、実施可能です。ただし、集団の平均値を求めるといった個人が特定されない方法であれば、全員の同意を得なくとも分析の実施は可能です。

その際には、方法や分析を行う集団の規模については、衛生委員会といった場で話し合うことが重要です。

ストレスチェックの集団分析の活用法をご紹介!

ストレスチェックの集団分析を行うことで、職場のさまざまな状態を把握できます。そして、結果を基にして必要な職場環境を改善するためのための具体案を考えたり、課題の改善策を検討したりできます。効率的に職場環境を改善するためにも集団分析の活用方法を参考にしてください。

【Case study 01】
【課題】メンタル不調者に対しての把握とケアが課題
【対策】部署別分析、職種別分析を行うことにより、社内で負荷がかかりやすくメンタル不調のリスクが高いと思われる区分の把握を試み、メンタルに不調が見られる従業員の負荷が軽減するために何が必要かを議論し、社内のフォロー体制や教育(メンタルヘルス研修)などを強化し、具体的な施策を行うことで、職場改善につなげることができた。

【Case study 02】
【課題】職員の離職が増加傾向に、職場環境の改善のための正しい現場把握が必要
【対策】義務のためだけにストレスチェックを実施しており、ストレスチェック分析を現場把握に活かせていなかった。そのため、離職防止の職場改善に取り組めていなかった。
集団分析を行うことで部署・職種別の分析で課題が明確になり、課題に対しての具体的な定着支援の対策につなげることができた。

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