特定業務従事者健康診断の対象者や健診項目とは?特殊健康診断との違いも解説!

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  • 特定業務従事者の健康診断の対象が、わからない
  • 特定業務従事者の健康診断を実施したいが、具体的にどのような健康診断を実施すればよいのかわからない
  • 特定業務従事者の健康診断の検査項目は、定期健診と同じでよいか

上記のようなお悩みはありませんか?
特定業務従事者健康診断は、深夜業や有害物質を扱う業務など特定業務に従事する労働者が受ける健康診断です。しかし、特定業務従事者健康診断に関する知識のない事業場では、具体的にどのような健康診断を実施すればよいのか、わからないケースもあるでしょう。

そこで本記事では、一般的な健康診断との違いや対象となる特定業務、健康診断の具体的な内容について詳しく解説します。特定業務従事者健康診断をはじめとする健康経営を一括サポートするサービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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そもそも特定業務従事者とは?

特定業務従事者とは、有害物質を取り扱う業務のほか、著しく寒冷または暑熱な場所での業務、深夜業などを行なう労働者のことを指します。

なお深夜業とは、午後10時から午前5時までの勤務を常態的に行なう(週に1回以上または1ヵ月に4回以上)業務のことです。おもに工場などで深夜の交代勤務を担当するスタッフなどが、深夜業を行なう労働者に該当します。また、所定労働時間の一部が、午後10時から午前5時までの時間に重なる労働者も特定業務従事者にあたります。

特定業務従事者健康診断とは?

特定業務従事者健康診断は、「特定業務」として定められた業務に従事する労働者が受ける健康診断のことです。通常行なわれる健康診断と検査項目は同じですが、実施される頻度に違いがあります。

通常の健康診断は、雇入れ時と年に1回定期的に実施されますが、特定業務従事者健康診断は、当該業務への配置替え、および6ヵ月以内ごとに1回定期的に受診しなければなりません。

派遣社員の場合は、派遣先の企業ではなく、派遣元の派遣会社が特定業務従事者健康診断の実施義務者となります。

他の健康診断との違い

特定業務従事者健康診断は、一般健康診断の一つと位置付けられています。一般健康診断の種類は次の5つで、すべての企業が対象となり、職種に関係なく実施されます。

  • 雇入時の健康診断
  • 定期健康診断
  • 特定業務従事者健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 給食従事者の検便

雇入時の健康診断は通常使用する労働者の雇入れ時のみ、定期健康診断は通常使用する労働者に対し1年以内ごとに1回実施されます。特定業務従事者健康診断との違いは、実施時期と回数です。前述のとおり、特定業務従事者健康診断は当該業務への配置替えの際と、6ヵ月以内ごとに1回受診することが定められています。

健康診断の種類については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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特定業務従事者健康診断の対象となる特定業務

特定業務従事者健康診断実施の要否に関わる「特定業務」は、労働安全衛生規則第13条第1項第3号に定められています。ここでは、各項目で通達されている内容を解説します。

著しく暑熱な場所の業務

多量の高熱物体を取り扱う業務や、著しく暑熱な場所での業務が、これに該当します。高熱物体とは、溶融または灼熱している鉱物や100度以上に煮沸された液体で、著しく暑熱な場所とは、乾球温度40度、湿球温度32.5度、黒球寒暖計示度50度または感覚温度32.5度以上の環境をいいます。

著しく寒冷な場所の業務

多量の低温物体を取り扱う業務や、著しく寒冷な場所での業務が、これに該当します。低温物体とは液体空気やドライアイスのことをいい、これらの物体に皮膚が触れるまたは触れるおそれのある業務が対象です。また、著しく寒冷な場所とは乾球温度-10度以下の環境のことで、空気が流動する作業場では、気流1m/秒が加わるごとに乾球温度が3度下がるものとして計算されます。具体的には、製氷業や冷凍庫内での作業などが該当します。

有害放射線にさらされる業務

ラジウム放射線や、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務が、これに該当します。その他の有害放射線とは、可視光線や紫外線、赤外線等のうち強烈なもののほか、ウラニウムやトリウムなどの放射能物質からの放射線のことを指します。

具体的には、ラジウム放射線やエックス線を用いる検査・医療現場での業務、可視光線を用いる映写室での業務などを指します。

塵埃などが飛散する場所の業務

土石、獣毛などの塵埃または粉末を著しく飛散する場所における業務が、これに該当します。具体的には、植物性(綿、糸、木炭など)、動物性(毛、骨粉など)、鉱物性(土石、金属など)の粉塵が、1㎤の空気中に粒子数が1000個以上、または1㎥中に15㎎以上含む場所での業務を指します。

特に、遊離けい石を50%以上含有する粉塵については、作業場の空気1㎤中に粒子数が700個以上、または1㎥中に10㎎以上含まれる場所での作業と定められています。

異常気圧下における業務

高気圧下、低気圧下における業務がこれに該当します。

高気圧下における業務とは、潜函工法や気圧工法の作業室など、大気圧を超える圧力下での作業や、ヘルメットやマスク式の潜水器を着用し、給気を受けて行なう業務のことです。一方、低気圧下での業務には、海抜3,000m以上の高山での業務が該当します。

身体に著しい振動を与える業務

削岩機や鋲打機などの使用によって、身体に著しい振動を与える業務がこれに該当します。衝程70㎜以下および重量2㎏以下の鋲打機は含みませんが、それ以外の削岩機や鋲打機を使用するすべての業務が含まれます。

重量物の取り扱い等重激な業務

重量物を取り扱う業務には、30㎏以上の重量物を労働時間の30%以上、20㎏以上の重量物を労働時間の50%以上取り扱う業務が該当します。これらの作業により労働者に負荷がかかる業務を、重激な業務とします。

強烈な騒音を発する場所における業務

ボイラー製造など、強烈な騒音を発する場所における業務がこれに該当します。
具体的には、85dB以上の騒音を発する場所が対象になります。

坑内における業務

坑内における業務に関しては、通達に記載はありません。

深夜業を含む業務

午後10時から午前5時の時間帯の業務を深夜業といい、深夜業を週に1回以上または1ヵ月に4回以上従事する場合が特定業務の対象です。また、所定労働時間の一部が午後10時から午前5時に重なる場合も、特定業務に含まれます。

有害物を取り扱う業務

水銀、ヒ素、黄リン、フッ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、苛性アルカリ、石炭酸、その他これらに準ずる有害物を取り扱うすべての業務がこれに該当します。

有害物のガス、蒸気、粉塵を発散する場所の業務

鉛、水銀、クロム、ヒ素、黄リン、フッ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン等これらに準ずる有害物のガス、蒸気あるいは粉塵を発散する場所における業務が該当します。それぞれ空気中の含有量の基準値が定められており、基準値を超える環境下での業務が特定業務の対象です。

病原体によって汚染のおそれが著しい業務

医療機関や検査機関など、感染源となる病原体に接する機会のある業務が該当します。

その他労働大臣が定める業務

その他労働大臣が定める業務に関しては、通達に記載はありません。

特定業務従事者健康診断の検査項目

特定業務従事者健康診断は一般健康診断に分類されており、検査項目は次のとおりです。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長(※)、体重、腹囲(※)、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査(※)及び喀痰検査(※)
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)(※)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※)
  9. 血糖検査(※)
  10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  11. 心電図検査(※)

(※)については下記の基準に基づき、医師が必要ないと認めた場合に省略が可能です。

項目 医師が必要でないと認めるときに左記の健康診断項目を省略できる者
身長 20歳以上の者
腹囲 1.40歳未満(35歳を除く)の者
2.妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された者
3.BMIが20未満である者(BMI(Body Mass Index)=体重(kg)/身長(m)2)
4.BMIが22未満であって、自ら腹囲を測定し、その値を申告した者
胸部エックス線検査 40歳未満のうち、次のいずれにも該当しない者
1.5歳ごとの節目年齢(20歳、25歳、30歳および35歳) の者
2.感染症法で結核にかかわる定期の健康診断の対象とされている施設などで働いている者
3.じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者
喀痰検査 1.胸部エックス線検査を省略された者
2.胸部エックス線検査によって病変の発見されない者または胸部エックス線検査によって結核発病のおそれがないと診断された者
貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、 血糖検査、心電図検査 35歳未満の者および36~39歳の者

出典:健康診断を実施しましょう|厚生労働省

なお、「医師が必要でないと認める」とは、自覚症状や他覚症状、既往歴などから医師が総合的に判断するもので、上記に従って機械的に判断するものではありません。

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特定業務従事者健康診断は、受診の対象となる業務が細かく定められており、実施の回数や時期も通常の健康診断とは異なります。そのため、実施するうえで必要な知識やリソースを、自社だけで補うことが困難な場合もあるでしょう。

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まとめ

特定業務従事者健康診断は、リスクある環境下で業務を行なう労働者の健康を守るために行なわれるものです。労働者の心身の健康を守り、適切なケアを行なうことで、企業の生産性は向上し、永続的な繁栄にもつながります。重要な健康経営の施策の一つとして、漏れなく実施するようにしましょう。

特定業務従事者健康診断のほかにも、健康経営を意識して進めるべき施策は多岐にわたります。自社のみで対応することが難しい場合には、ぜひリモート産業保健のサービス利用をご検討ください。

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