衛生管理者試験の勉強時間はどれくらい?短期間で一発合格するための勉強方法とは

衛生管理者試験の勉強時間はどれくらい? 短期間で一発合格するための勉強方法とは

衛生管理者試験の基本情報|難易度や勉強時間、学習期間を紹介

まずは、衛生管理者試験の難易度や必要な勉強時間、学習期間の目安などを確認しておきましょう。

衛生管理者試験の難易度

衛生管理者試験の難易度は、他の国家資格と比べてもそれほど高くありません。例年の合格率はおおむね、第一種衛生管理者が40〜50%前後、第二種衛生管理者が50〜60%前後となっています。

令和3年度の合格率は、第一種衛生管理者が42.7%、第二種衛生管理者が49.7%です。

合格基準は第一種衛生管理者、第二種衛生管理者ともに、「科目ごとの正答率が40%以上」かつ、「全体の正答率が60%以上」です。合格者数に定員はないため、基準さえ満たせば合格できます。

しかし言い換えれば、科目ごとの正答率が1つでも40%を切ってしまうと足切りになるため、各科目をバランスよく学習することが重要です。

衛生管理者試験は、コツを押さえて勉強すれば、独学での一発合格も狙えます。必要以上に身構えず、けれど油断はせずに準備を進めていきましょう。

衛生管理者試験合格に必要な勉強時間

第一衛生管理者試験については、100時間程度の勉強時間を確保する必要があります。一方で、第二種は第一種よりも出題範囲が狭まるため、より少ない時間で合格できる可能性があります。

第一種衛生管理者試験の出題範囲は以下のとおりです。

  • 労働衛生(有害業務に係るもの)
  • 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)
  • 関係法令(有害業務に係るもの)
  • 関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)
  • 労働生理

全44問で、試験時間は3時間です。

第二種衛生管理者試験の出題範囲は以下のとおりです。

  • 労働衛生(有害業務に係るものを除く)
  • 関係法令(有害業務に係るものを除く)
  • 労働生理

全30問で、試験時間は3時間です。

衛生管理者試験合格までの目安学習期間

衛生管理者試験の合格に必要な勉強期間の目安は、2〜3ヵ月程度です。ただし、この目安にはもちろん個人差があります。

例えば、勉強時間が一日1時間とれる方であれば3ヵ月かかり、2時間とれる方は2ヵ月ほどで済むなど、状況によって異なるでしょう。休日に集中的に勉強し、1ヵ月ほどで出題範囲を網羅する方もいます。

難易度や勉強時間はあくまで目安なので、モチベーションを維持しながら集中して勉強を続けることが重要です。長い時間をかければ合格できるものではないため、自分が取り組みやすい方法で勉強することをおすすめします。

衛生管理者試験のテキスト・問題集の選び方

試験勉強では自分に合ったテキスト・問題集を選ぶことが大切です。一般的におすすめされているものでも、人によって合う合わないがあるため、実際に手に取り、目で見て選ぶとよいでしょう。

出題傾向は少しずつ変化するため、テキストや問題集を購入する際には、できるだけ最新版を選択するのが望ましいです。そのほか問題集については、解説も併せて確認しておくことがポイントです。問題が解けても、解説を理解できなければ知識が身についているとはいえません。

「理解できたつもり」にならないよう、解説の質やボリューム、読みやすさなどを確認し、自身の勉強に活かせる本を選定しましょう。

試験勉強はテキストや問題集を選ぶところから始まっています。自分に合った本を使うことで勉強の効率が上がり、最短での合格につながるため、しっかり選ぶようにしましょう。

【衛生管理者試験】おすすめの勉強方法6選

衛生管理者試験に合格するためには、自分に合った方法で効率良く勉強することが重要です。ここからは、おすすめの勉強方法を紹介します。

衛生管理者試験の勉強方法(1)テキストを繰り返し読む

おすすめの勉強方法の一つは、テキストを繰り返し読むことです。

衛生管理者試験の範囲は広く、テキストを一度読んだだけですべてを理解するのは難しいでしょう。独学では、テキストを一周するだけでもかなりの時間がかかります。

学んだことを知識として定着させるには、反復して脳に覚えさせる必要があります。そのためには、1冊のテキストを何度も読んで理解を深めることが重要です。

テキストを何冊も使う必要はありません。自分に合った1冊を反復して、使い倒す気持ちで取り組みましょう。基礎的な知識が定着すれば、自然と応用問題も解けるようになります。

衛生管理者試験の勉強方法(2)同じ問題集を何度も解く

テキストと同様に、問題集も繰り返し解くのが基本です。テキストで学習したら問題集に取り組み、解けなかった問題にチェックを入れて解説を読み、もう一度解きます。

正解が偶然であったり、解説を読んでも理解が曖昧だったりする場合は、「△」の印を付けて、時間を空けて再度解き直してみましょう。

解答・解説を理解して、自分で説明できるようになって初めて正解といえます。新しい問題集の追加は、1冊の問題集を何回も解き終えても不明点があったり、解き足りなかったりする場合に検討しましょう。

衛生管理者試験の勉強方法(3)過去問に挑戦する

テキストや問題集を一通り終えたら、過去問で出題傾向をつかみます。ただし、1回解いて終わりにしてはいけません。間違えた問題の解説を読み、理解できなかったらテキストに戻って復習しましょう。

過去問には必要な知識の程度や量、問題の出方など、テキストや問題集にはない学びがあります。また、過去問に慣れることで、時間配分の感覚をつかむこともできます。

衛生管理者試験の勉強方法(4)講習に参加する

独学での勉強が苦手な方は、講習に参加するのもおすすめです。講師から直接指導を受けられるため、試験の傾向や最新情報を把握しやすくなります。

また、同じ試験を受ける仲間と一緒に勉強すれば、モチベーションが上がり、試験に向けての意識も高くなるでしょう。

さらに、衛生管理者試験の講習に参加した方は合格率が高い(2021年度は79.5%)、というデータも存在します。2〜3日程度の短期講習を行なっているところもあるため、日程が合う方は検討してみましょう。

引用:公益社団法人 労務管理教育センター 「衛生管理者試験対策講座 受講のご案内」

なお講習会は、公益社団法人労務管理教育センター公益社団法人東京労働基準協会連合会などで開催されています。

衛生管理者試験の勉強方法(5)通信講座を活用する

テキスト・問題集を自分で選ぶのが苦手な方や、効率的に勉強をしたい方は、通信講座を活用するのも一つの方法です。経験豊富な講師による講義やオリジナルのテキストなどが用意されており、初めて勉強する場合にも安心して学習を進められます。

講師の添削指導を受けられる、わからない問題をすぐに質問できる、といった点が通信講座の魅力です。さらに、パソコンやスマートフォンで隙間時間に学習できる副教材を提供している通信講座もあるため、個人のペースで学習できます。

衛生管理者試験の勉強方法(6)アプリで学習する

衛生管理者試験の学習アプリなら、スマートフォンで気軽に勉強できます。通勤中やちょっとした空き時間を有効活用したい方に特におすすめです。

衛生管理者の試験では、自分の立てたスケジュールのなかで、いかに集中して勉強できるかが重要です。そのため、スケジュール管理のアプリで学習の進捗や予定を確認できれば、より効率的に勉強できます。

アプリを活用して、集中力やモチベーションを維持しながら隙間時間を有効に使えれば、着実に合格に近づけるでしょう。

衛生管理者試験の勉強方法(7)Youtubeを活用する

Youtubeは、あくまでも試験内容や専門用語の理解など理解する補助学習ツールとして活用することをおすすめします。
参考書ではどうしても頭に入らない内容やイメージ付きづらいところが出て来た際には、動画を活用した勉強も行うとよいでしょう。

動画によっては、参考書の特典として無料動画を公開されている方もいますので、ぜひご活用ください。

短期間で合格を目指す!衛生管理者試験の勉強のコツ

衛生管理者試験は、コツを押さえれば短期間での合格が可能です。そこで最後に、衛生管理者試験の勉強のコツを3つ紹介します。

衛生管理者試験の勉強のコツ(1)スケジュールを立てる

1つ目のコツは「試験日から逆算したスケジュールを立てる」ことです。当然ですが、試験直前に勉強を始めても間に合わない可能性が高いため、ある程度の時間を確保して勉強に取り組む必要があります。

試験の種類(第一種・第二種)や範囲、難易度を確認したうえで、一日に確保できる勉強時間を逆算し、スケジュールを組むことが重要です。

前述のとおり、衛生管理者試験の学習の目安期間は2〜3ヵ月ですが、必要な時間には個人差があります。以下に各タイミングでやるべきことをまとめたので、自分のスケジュールと照らし合わせて計画を立ててみてください。

1ヵ月目

まずは第一種と第二種のどちらを受験するか検討し、受験日を決めます。受験日を決めたら、受験申請書を取り寄せたうえで、試験日から逆算して一日に必要な勉強時間を算出しましょう。

独学ならテキストや過去問題集の用意を済ませて、通信講座なら申し込み先を決めて、勉強をスタートしてください。

2~3ヵ月目

試験日の2ヵ月前頃に、試験の申し込みが開始されます。定員に達すると受け付けが締め切られるため、受験申請書はできるだけ早く提出しましょう。

この期間は、テキストをある程度読み込んだあと、過去問を繰り返し解いて本番に備えるのがおすすめです。専門用語は反復して覚え、わからないことが出たらその都度解消するようにしましょう。

また可能であれば、講習会に参加するのも選択肢の一つです。

4ヵ月目以降

2〜3ヵ月以上の時間を確保できるのであれば、合格ラインに届かない可能性のある苦手科目を重点的に対策しましょう。試験直前は、過去に間違えた問題を繰り返し確認することで、合格に近づけます。

衛生管理者試験の勉強のコツ(2)インプット・アウトプットを並行して行なう

2つ目のコツは、インプットとアウトプットを並行して行なうことです。学習はインプットから始まりますが、知識の定着にはアウトプットも重要です。

テキストでインプットして、問題集や過去問でアウトプットする流れを繰り返し行なうことで、学んだことが実際に使える知識になります。勉強仲間とクイズを出し合う、声に出しながら覚える、紙に書きだすなどの方法もアウトプットとして有効です。

勉強をマンネリ化させないよう、インプットとアウトプットの方法を工夫しながら、楽しく学習を続けることが大切です。

衛生管理者試験の勉強のコツ(3)完璧を目指さない

前述のとおり、衛生管理者の合格基準は「科目ごとの正答率が40%以上」かつ、「全体の正答率が60%以上」です。つまり、満点に近い正答率を目指す必要はまったくないのです。

最初から細かな知識も見逃さず完璧を目指すのは、なかなかできることではありません。試験勉強では1つの分野だけに集中するのではなく、まずは全体をおおまかに理解することから始めましょう。

衛生管理者試験のなかには、一般常識で解ける分野もあります。短期間での学習では、そういった分野に時間をかけすぎず、専門的な箇所の勉強に必要な時間を確保するのが重要です。

試験日に合格点を取れれば良いため、最初から100点を目指すのではなく、最初は30点、次は50点と段階的な目標を定めて勉強していきましょう。

まとめ

今回は、衛生管理者試験の勉強時間や合格のための勉強方法について解説しました。衛生管理者試験に合格するのは簡単ではありませんが、コツを押さえて準備すれば短期間での合格も可能です。

忙しい方こそ、最初は本記事で紹介した勉強方法を真似て学習を進めていきましょう。通信講座や講習会を活用すれば、より効率的に対策できます。

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