ストレスチェックとは?対象者や実施者は?費用はいくらかかる?

ストレスチェック_イメージ

ストレスチェック制度とは?

ストレスチェック制度とは、2014年に行なわれた労働安全衛生法の改正を受けて、2015年に一定規模以上の事業場で実施が義務付けられた制度です。

近年、多様化・複雑化する仕事を継続するなかで、強いストレスを感じ、メンタルヘルス不調に悩まされる労働者が増えています。その結果、労災認定されたり、休職・離職を選択したりする労働者が増え、企業だけではなく社会全体の大きな損失となっていることから、ストレスチェック制度が開始されました。

ストレスチェックの目的

ストレスチェックは、労働者の心身の健康管理を通して、メンタルヘルス不調を未然に防止することや、労働者が自身のストレスについて気付きを得ることを目的としています。

また、企業がストレスチェックの結果をもとに集団分析を行なうことで、職場におけるストレスの原因を把握・改善し、働きやすい職場づくりを目指すことも重要です。

ストレスチェックの実施方法

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、毎年1回の実施が義務付けられています。(労働安全衛生法第66条の10、労働安全衛生規則第52条の9)

常時使用する労働者数が50人未満の事業場では努力義務ですが、制度の目的を考えれば、積極的に実施するのが望ましいでしょう。

事前準備としては、事業者が労働者に対してストレスチェック制度の方針を表明し、衛生委員会での調査審議、労働者に対する情報提供などを行ないます。

ストレスチェック実施後は、結果を労働者に直接通知するとともに、セルフケアの方法や相談窓口などに関する情報を提供し、労働者が自身のストレス軽減に努めるよう適切に促すことが重要です。

また、ストレスチェックで高ストレス者と判定された方に対しては、同意を得たうえで医師による面接指導を行ないます。面接指導後は事業者が医師から意見聴取を行ない、必要に応じて就業上の措置を実施するのが一連の流れです。

ストレスチェックの対象者の範囲|派遣社員やアルバイトは入る?

厚生労働省が定めるストレスチェックの対象者の条件は、以下のとおりです。

  • 使用期間に定めがなく、1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3以上であること
  • 契約期間が決まっている場合でも、1年以上使用される予定であること

それでは、派遣労働者やパート・アルバイトは、ストレスチェックの対象者に含まれるのでしょうか。

派遣労働者

前述した条件に当てはまっていれば、派遣労働者でもストレスチェックの対象者に含まれます。ただし、ストレスチェックを実施するのは、派遣先ではなく派遣元の事業者です。つまり、ストレスチェックの対象者としてカウントするのは派遣元の事業場となります。

集団分析を行なう必要性から派遣先での実施も推奨されていますが、実施義務があるのは派遣元の事業者です。派遣先の事業者には、派遣労働者がスムーズにストレスチェックを受検できるように、必要な配慮をすることが求められます。

パート・アルバイト

パート・アルバイトも、前述した条件を満たせば、ストレスチェックの対象者に含まれます。ただし、条件を満たさなくても、契約期間が1年以上の見込みで、1週間の労働時間が通常の労働者の2分の1以上である場合は、ストレスチェックの対象者に含めることが推奨されます。

上記の内容から、勤務が週に1回程度の労働者は、ストレスチェックの対象者には含まれません。

ここで注意が必要なのが、ストレスチェックの実施が義務となる事業場の条件である「常時使用する労働者数が50人以上」であるかは、「常態として使用しているか」で判断するという点です。

参考:ストレスチェック制度関係 Q&A(目次)|厚生労働省

つまり、勤務が週に1回程度の労働者の場合、「常時使用する労働者」としてはカウントしますが、「ストレスチェックの対象者」としてはカウントしないことになります。

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ストレスチェックに携わる担当者は、おもに3種類

ストレスチェックの実施にあたっては、ストレスチェック制度担当者以外に、実施者、実施事務従事者、社外の委託業者などがかかわります。

ストレスチェック制度担当者は、自社の衛生管理者や事業場内メンタルヘルス推進担当者などが担うことがほとんどです。ストレスチェック結果等の個人情報を取り扱わないため、人事権があっても就くことができます。

ストレスチェック制度担当者の役割は、実施計画の策定や実施の管理などです。制度導入の際は、労働安全衛生法に基づき、実施者・実施事務従事者を選任しなければなりません。

資格の有無に加えて、権限や立場によっては、実施者や実施事務従事者に就けない可能性があるため、注意しましょう。

ストレスチェックの実施者

医師や保健師の資格を取得している者が、ストレスチェックの実施者となります。その他、厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師も実施者になることができます。

ただし、人事権がある者はストレスチェックの実施者にはなれません。(労働安全衛生規則第52条の10)

なお、実施者を医師にする場合は、できる限り事業場の状況を知る産業医が望ましいとされています。

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ストレスチェックの実施事務従事者

ストレスチェックの実施事務従事者になれる者として、人事権のない衛生管理者や事務職員などが挙げられます。事務職員については、ストレスチェックの結果などの個人情報を扱うため、データを適切に扱えるシステム系の人材が望ましいでしょう。

ストレスチェックの結果は機微な個人情報といえるため、調査票の回収やデータ入力を行なう実施事務従事者の責任は重大です。そのため、人選は慎重にする必要があります。

社外の委託業者

ストレスチェックを担当できる産業医などが社内にいない場合、外部委託することも可能です。費用はかかりますが、産業医を探すことも含めて一任できれば、社内の担当者の負担を軽減できます。

また、ストレスチェックの実施者が担う業務は膨大なので、たとえ社内に産業医がいる場合でも、かなりの時間と手間がかかります。そこで、適宜社外の委託業者の協力を得て、社内の産業医が共同実施者となることで、人的リソースを抑えるのがおすすめです。

リモート産業保健のストレスチェック代行サービス

ストレスチェックの費用目安

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、ストレスチェックの実施が義務付けられていますが、実施にかかる費用はすべて事業者が負担しなければなりません。労働者に負担させることはできないため、導入時には費用の目安を知っておくことが大切です。

本章では、ストレスチェック実施にかかる費用の目安と、費用を抑えるおすすめの方法を紹介します。

ストレスチェックの実施自体は無料でできる

厚生労働省のストレスチェック実施プログラムを使用すれば、結果の出力、高ストレス者の判定、集団分析などが無料でできます。なおこのプログラムでは、「オンライン」と「紙ベース」の2種類の実施方式から、事業場に合った方を選択可能です。

ストレスチェックの企画・実施、結果通知や面接指導、集団分析などを自社で行なう体制が整っていれば、無料でストレスチェックができます。ただし、調査票の回収や分析作業に手間がかかる点には注意が必要です。

参考:「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト|厚生労働省

費用を抑えつつ効果を最大化するなら、代行サービスの利用がおすすめ

ストレスチェックの効果を最大限引き出しつつ、費用をできるだけ抑えたいのなら、代行サービスへの依頼がおすすめです。代行サービスに依頼する場合の費用の目安は、従業員一人当たり500~1,000円ほどです。

ストレスチェックの関連業務を自社だけで行なうのは大変な労力がかかります。しかし、ストレスチェックを行なううえで重要なのは、実施することではなく、実施後に行なう従業員のメンタルケアやカウンセリング、職場環境の改善を進めることです。かたちだけではない、効果的なストレスチェックを行なうためにも、代行サービスの活用を検討しましょう。

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ストレスチェック代行は、リモート産業保健にお任せください

「初めてストレスチェックを実施するため、何から始めたらよいかわからない」「ストレスチェックを実施しているが、自社だけではメンタルヘルス不調者への対応が追いついていない」といった事情で代行サービスを検討中の企業様には、リモート産業保健のサービス利用がおすすめです。

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また、ストレスチェックの回答後に、産業看護職との面談を実施することも可能です。高ストレス者はもちろん、メンタルヘルス不調者に対しても早期の対応ができるため、休職や離職によって生じる損失を未然に防ぐことができます。

ストレスチェック実施後の集団分析にも対応していて、より良い労働環境づくりの助けになる情報をまとめて報告書を作成します。

産業医との面談はオンライン・訪問のどちらにも対応しているため、業種や労働者の勤務スタイルに合わせた形式で実施可能です。さらに、匿名相談が可能な電話・Web相談窓口も設置できるため、従業員のメンタルヘルスケアに大いに役立つでしょう。

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まとめ

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場での実施が2015年から義務付けられていますが、導入に至らなかったり、実施しても活用できていなかったりする事業場もあるのが実情です。

しかし、ストレスチェックは適切に実施することで、従業員のメンタルヘルス不調や休職・離職の発生予防に大きく貢献します。

本記事で紹介した厚生労働省のプログラムを使用すれば、無料でストレスチェックを実施可能です。ただし、調査票の回収や分析作業といった手間をかけず、より効率的にストレスチェックを実施するなら、リモート産業保健の活用をおすすめします。

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