北海道・札幌市の産業医を探すには？探し方や報酬相場も解説！

札幌で産業医を探す際に、北海道医師会への相談を考える方は多いでしょう。しかし、相談先や選び方によって産業医に支払う報酬が異なるため、産業医紹介会社などほかの方法も併せて検討することをおすすめします。

そこで本記事では、札幌の産業医事情や産業医紹介会社の選び方について紹介します。また、産業医報酬の相場など事前にチェックすべき項目についても解説しますので、最後までご覧ください。

札幌市には産業医はどれくらいいる？

令和4年時点で、札幌市の医師数は6,977人であり、全国の医師数の約2.0％を占めています。札幌市には7,000人近くの医師が登録されているのにも関わらず、産業医として届け出ているのはわずか13人です。

ただし、産業医のなかには医療機関で診療業務を行ないながら産業医活動をしている方もいます。そういった状況を踏まえると、届け出上は反映されていないものの、実際に活動している産業医数は13人以上いると考えられます。

また、労働安全衛生法第13条に基づき、常時50人以上の労働者を抱えている事業場は、産業医の選任が必要です。札幌市で50人以上の労働者を抱えている事業場は、2021年時点で2,770事業場でした。

札幌市で実際に産業医として活動しているのは13人だとすると、産業医一人当たりが担当する事業場数は、約213.1事業場になります。届け出を出している13人以外も実際には活動しているとしても、産業医が不足していると考えられます。

参考：医師・歯科医師・薬剤師統計 / 令和４年医師・歯科医師・薬剤師統計 医師
参考：令和3年「経済センサス-活動調査」産業横断的集計結果の統計表│札幌市

札幌市での産業医の探し方

実際には、どのように産業医を探せばよいのでしょうか？ここでは、「札幌市の医師会からの紹介」「札幌市の健診機関経由で探す」「産業医紹介会社の利用」の3つの方法について紹介します。

それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自社にとってどの方法が適しているか検討してみましょう。

札幌市の医師会からの紹介

医師会は、日本医師会のほかに47の都道府県医師会と約920の郡市区医師会があり、その地域で働く医師が登録されています。札幌市の医師会で産業医を探す場合、札幌市医師会に相談しましょう。

医師会に紹介してもらうメリットは、事業場の近隣の産業医を紹介してもらえる可能性が高いことです。ただし、医師会が行なうのはあくまで「紹介のみ」であり、産業医へ実際に依頼をし、交渉するのは事業場で行なわなければなりません。交渉などで時間や労力がかかる点は、事業場にとってデメリットといえるでしょう。

特に、初めて産業医の選任をする事業場で、依頼や交渉に慣れていない場合は負担になるかもしれません。

北海道の地域別医師会はこちら！

北海道内には、札幌市以外も地域ごとに医師会があります。このなかから事業場がある地域を担当する医師会に連絡し、産業医選任について相談してみましょう。

出典：北海道医師会のご案内│北海道医師会

札幌市の健診機関経由で探す

日頃から自社の従業員の健康診断を依頼している健診機関に、産業医を紹介してもらう方法もあります。

健診機関に紹介してもらうメリットとしては、多くの従業員が健康診断を受診している健診機関からの紹介であれば、企業の状態を理解してもらいやすいこと、事業場・医療機関・産業医が連携しやすいといったことが挙げられます。日頃からつながりがあるため、安心感もあるでしょう。

一方で、健康機関によっては産業医がいない場合がある点はデメリットです。また、万が一依頼した産業医が事業場のニーズに合っていなくても、日頃健康診断で使っているため断りにくいこともデメリットです。

産業医紹介会社の利用

産業医紹介会社に依頼するのも一つの方法です。産業医紹介会社を利用するメリットとして、産業医を探す時間や労力が削減できることが挙げられます。

複数の産業医が登録しているため、メンタルヘルス対応が得意な産業医や、工場での活動経験のある産業医など、事業場のニーズに合った産業医を探しやすいのも強みです。さらに、複数の産業医を紹介してもらい比較検討できるため、ミスマッチが減ることも期待できます。

また、万が一紹介された産業医が事業場のニーズに合わず交代する際も、紹介会社が仲介してくれるのでスムーズです。

デメリットは、ほかの方法よりも費用が高くなる可能性があることです。ただし、紹介会社はストレスチェック実施代行などのサービスも行なっていることがあるため、産業保健業務に関連するサービスも含めて総合的に判断しましょう。

経営者、事業主などの人脈で探す

もし経営者や事業主などの人脈があれば、良い産業医がいないか聞いてみるのも手です。医師会や健診機関などで探すよりも、すでに事業場の事情をよく知っている産業医を見つけることができる可能性があります。

一方で、経営者や事業主などの人脈で探した場合、万が一企業のニーズに合わずに産業医を交代したくても交代しにくいというデメリットがあります。

産業医紹介会社を選ぶポイント

産業医を紹介会社に依頼する場合、紹介会社の選び方も大切です。紹介会社はさまざまで、産業医の登録数やサービス対応範囲、対応可能な地域などが異なります。

チェックしたいポイントは4つです。以下の解説内容を踏まえて、自社に適した紹介会社を見つけましょう。

①登録している産業医の数

どのような産業医を選任したいかは、事業場の業種や規模、抱えている健康課題によるでしょう。時代の変化にともない、産業医に求めることが変化する可能性もあります。

そのため、産業医の登録数が多く、多くの選択肢のなかから選べるほうが、事業場のニーズに合った産業医と出会える可能性が高いといえます。

特に北海道は広いため、札幌市周辺では産業医の選任に困らなくても、それ以外の地域では対応できる産業医が少なく、困るかもしれません。そのため、事業場のある地域でどのくらいの産業医が登録しているのかを紹介会社に確認しておくと安心です。

②産業医を複数人紹介してくれるか

事業場のニーズに合った産業医と出会うためには、紹介会社が産業医をどのくらい紹介してくれるかが重要です。複数人の産業医を紹介してくれた方が、企業側は比較検討しやすくなります。

なお、事前に企業がどのような産業医を求めているのかを掘り下げておくとスムーズです。例えば、工場の経験が豊富な産業医を求めているのであれば、紹介会社に「工場の経験が豊富な産業医がどのくらいいるか」を確認しておくとよいでしょう。

③企業側の負担がどの程度減るか

紹介会社のサービス範囲は会社ごとに異なります。そのため、「企業側の負担がどの程度減るか」という視点でも考えてみましょう。例えば、産業医との日程調整や報酬の計算といった事務作業も対応してくれる紹介会社であれば、企業担当者の負担軽減が期待できます。

また、ストレスチェック代行など産業保健に関係するサービスを提供している紹介会社もあります。産業保健に関連する業務を外部委託できれば、さらに企業担当者の負担が軽減でき、一貫性を持って産業保健業務に取り組むことができるでしょう。

④広いエリアに対応しているか

紹介会社を選ぶ際は、広いエリアに対応している会社のほうがよいでしょう。会社によっては、今後周辺の事業場でも、産業医を選任する可能性があるためです。

産業医は、職場巡視や面談などで実際に事業場を訪問する機会があります。そのため、現時点で産業医を探している事業場だけでなく、将来のことも視野に入れ、周辺の事業場でも対応できる紹介会社を選んだ方がスムーズです。

特に北海道は広いため、北海道のどのエリアに対応しているかをしっかりと確認しましょう。

北海道ではどのような産業医が必要？

北海道で多い業種は、卸売業・小売業が5万1,407事業場（23.8％）、宿泊業・飲食サービス業が2万7,724事業場（12.8％）、建設業が2万1,256事業場（9.8％）です。また、北海道には工業団地のある地域や、畜産業が盛んな地域もあります。

そのため、企業に対する理解はもちろん、地域の特徴を知り、適切なアドバイスができる産業医だと安心です。

さらに、全国的に精神障害等の労災補償請求件数・認定件数が右肩上がりの状況にあります。メンタルヘルスに理解のある産業医のほうが、メンタルヘルス不調者が発生したときに心強い存在になります。

参考：令和3年経済センサス‐活動調査結果(確報・北海道分) – 総合政策部計画局統計課
参考：畜産業における労働災害防止対策のポイント|厚生労働省北海道労働局 帯広労働基準監督署 アルバイトをする前に知っておきたいポイント

産業医の報酬相場は？

産業医の報酬は勤務形態（常勤か非常勤か）や勤務日数、経験年数、地域などで異なります。産業医によってかかる費用に差がありますので、自社が求めるレベルと照らし合わせながら検討しましょう。

目安として、常勤産業医の報酬相場は年間1,200〜1,300万円程度、非常勤の場合は2時間勤務で4万円～5万円ほどが相場です。

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産業医への報酬相場は安い？社員別の費用や選び方による違いも解説

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まとめ

本記事では、札幌市の産業医事情や産業医紹介会社の選び方について紹介しました。医師会や健診機関など探す方法はさまざまありますが、できるだけ少ない負担で自社に合う産業医を見つけたい場合は、産業医紹介会社を利用するのがよいでしょう。

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