意外と知らない産業医の契約方法や相場・報酬について徹底解説!

この記事の監修者

産業医や産業保健師など産業保健分野で活躍する専門家チーム

サンチエ編集部

産業医には何を依頼する?仕事内容について徹底解説!

産業医が必要なのはわかっていても、企業として何をどこまで任せられるのか、具体的な仕事内容がよくわからないという方もいるのではないでしょうか。そもそも産業医とは、企業で働く人たちが適切な環境で働けるように、健康状態や労働環境を把握して専門的な立場から助言や指導を行う医師のことです。

企業で行われている健康診断は、労働者の健康状態の把握と異常の早期発見を目的として実施されます。その結果に基づいて生活指導や助言を行うのが産業医の役割です。労働者の状態に応じて治療や休養を促すなどの助言を行うことで、労働者の健康維持に貢献しています。

また、職場の労働環境が適切かを確認して助言を行うことも役割のひとつです。作業環境の把握は危険な労働環境以外でも重要視されており、たとえば職場の温度や照明などの基本的な環境から分煙対策まで、幅広い視点で点検を行い快適な環境を整えるために働きかけます。

昨今では長時間労働やハラスメントによりメンタルヘルスへの関心が高まっており、労働安全衛生法の改正により、労働者が 50 人以上いる事業所ではストレスチェックの実施が義務づけられています。ストレスチェックで高ストレス者となった労働者から申し出があった場合、産業医等の面接指導を行う必要があるとされており、労働者のメンタルヘルスケアも産業医の仕事のひとつです。

時間外・休日労働時間が月80時間を超えるなどの長時間労働者では、脳血管疾患や心疾患の発症リスクが高まると考えられています。そのため産業医と面談を行い、健康状態を把握した上で適切な指導を行うことは健康障害の発症予防として重要です。

もしも心身の不調から休職している労働者がいる場合には、主治医と連携を取りながら継続してケアを行うことが大切です。復職希望者がいる場合には、主治医の診断書などをもとに職場復帰の可否を判断しますが、この際にも産業医による医学的見地からみた意見が求められます。

なお、産業医は医師であることに加えて以下のいずれかの要件を満たす必要があり、より専門的な知識が必要とされています。

(1)厚生労働大臣の指定する者(日本医師会、産業医科大学)が行う研修を修了した者
(2)産業医の養成課程を設置している産業医科大学その他の大学で、厚生労働大臣が指定するものにおいて当該過程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者
(3)労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生である者
(4)大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授、常勤講師又はこれらの経験者

【引用:厚生労働省 産業医の要件】

気になる!産業医との契約方法とは?

現在、産業医との契約には専属産業医と嘱託産業医の2種類があります。それぞれの特徴と契約内容について解説していきましょう。

専属産業医は、常時1000人以上の労働者がいる事業場と、有害業務に従事している労働者が常時500人以上いる場合に選任しなければなりません。さらに常時3000人を超える事業場では、専属産業医を2人以上選任する必要があります。

専属産業医は、ひとつの事業場で産業医の業務に従事する医師のことで、いわゆる常勤にあたります。1週間のうち3~5日勤務することが基本とされていることから、一般社員と同様に企業と直接雇用契約を結ぶ直接契約が多いとされています。

一方、嘱託産業医は常時50人以上、999人以下の労働者を使用する事業場において選任しなければなりません。嘱託産業医は月に1~2回企業に訪問する非常勤のような働き方で、訪問時に従業員の面談や健康診断などを行います。開業医や勤務医と兼務していることが多く、主に業務委託契約が結ばれます。

業務委託契約は仕事の成果に対して報酬が支払われる契約です。嘱託産業医は勤務日数が限られるため、契約時に具体的な業務の範囲なども細かく取り決めておくことが大切です。

なお、産業医を選任した場合は、手続きとして所轄の労働基準監督署に産業医選任報告書、医師免許証の写し、産業医の証明になるものを提出しなければなりません。提出は産業医を選任しなければならなくなった日から14日以内に完了させる必要があるため、契約時には忘れないように気をつけましょう。

知らなきゃ損!?産業医の相場報酬はいくら?

産業医と契約する場合、どれくらいの報酬が一般的なのか気になると思います。産業医の報酬は専属産業医か嘱託産業医かで大きく変わりますので、しっかり確認しておきましょう。

一般的に大企業勤務の専属産業医の平均年収は、週1回の勤務で年収300万円から400万円程度といわれています。専属産業医の勤務日数は週3~5日とされています。勤務日数が多いほど報酬は高額になり、週5日勤務では年収1500万円をこえることが考えられます。

嘱託産業医の場合は、業務内容や勤務時間により変動します。また、嘱託産業医の選任が必要とされる労働者の人数は50人~999人と幅が広いため、従業員数が多いほど報酬も高くなります。

日本橋医師会では、産業医の基本月額報酬についての調査結果が公開されています。嘱託産業医の一例として、労働者50人未満の場合は基本報酬月額75,000円以上、最大人数である600~999人では250,000円以上とされています。

これらの報酬の中にはストレスチェックや健康診断、予防接種などは含まれていないため、実施される時には別途料金がかかるのが一般的です。業務委託契約では、産業医に依頼する内容を明確にして報酬を設定することが重要です。

なお、産業医の報酬における源泉徴収の取り扱いは契約内容により異なります。開業医などの医師個人と契約した場合、報酬は給与収入となるため源泉徴収が必要となり、消費税は課税されません。一方、法人と契約して医師を派遣してもらう形式の場合には、源泉徴収は不要ですが消費税は課税対象になります。産業医の報酬について国税庁のホームページにも記載がありますので、参考にしてみてください。

産業医との契約に注意すべきポイントとは

産業医との契約時、一般的な契約と異なる点や注意が必要なポイントをご紹介します。医師は兼業や副業をすることが一般的であり、希望する条件や働き方はその医師により異なります。主に病棟勤務している医師であれば勤務日の調整を求められるかもしれません。業務内容についても、曖昧に決めてしまうと業務外として断られてしまう可能性もあります。

業務内容や働き方については、企業における現状の課題や希望する対応を共有した上で決定することが重要です。長時間労働が続いている職場やメンタル不調者が複数名いる企業などでは、一般的な契約時間数では対応しきれない可能性があります。課題解決に向けて必要な時間や頻度を産業医とともに考え、双方の認識をすり合わせて契約する必要があるでしょう。

このとき、企業側の希望を伝えるだけでなく、産業医の希望する働き方のヒアリングも忘れずに行いましょう。対応に必要な時間をすり合わせた上で、勤務日については希望に合わせて調整するなど、産業医にとっても長く働きやすい環境を整えることが大切です。

また、産業医との契約においては、直接雇用でも業務委託契約でも1年単位で契約更新される場合が多いとされています。更新せずに契約解除や産業医の変更を行うこともできますが、産業医を解任してから14日以内に新たな産業医を選任しなければならないため注意が必要です。

産業医をお探しなら「リモート産業保健」がおすすめ!

ここまで産業医の契約や報酬などについて解説してきましたが、産業医をどう見つけたらいいかわからない、報酬や業務内容を含めた契約全般に手間がかかり過ぎる・・・と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。

「リモート産業保健」はそうした産業保健業務の全般を、訪問とリモートを組み合わせて提供するサービスです。産業医とともに産業看護職も加わり、産業保健業務の支援を行います。主なサポート内容としては、産業医面談、産業看護職面談、職場巡視、ストレスチェックの実施サポート、衛生委員会支援、各種記録の作成などがあります。

産業保健業務をはじめて立ち上げる場合にも、労働安全衛生法などの法令順守にまつわる産業保健業務全般については産業看護職が中心となりサポートがあるので安心です。地方に事業所がある場合も、訪問とリモートを組み合わせたサービスを提供しておりサポートが可能です。

また、コスト面では契約時の初期費用は5万円から、基本プランは月額3万円と導入しやすい価格帯が設定されています。訪問時は訪問時間や内容に応じて交通費を含めた別途料金がかかりますが、事前の見積もりがあるので安心です。まずは基本プランを導入し、状況に応じてプランの変更や追加対応など柔軟な対応も可能です。産業医との契約に不安がある場合は、エス・エム・エスの「リモート産業保健」から始めてみてはいかがでしょうか。