産業医の小規模事業場産業医活動助成金とは?50人未満の事業場必見!【令和3年度版】

小規模事業場 助成金とは

※2023年1月6日現在の情報では2022年11月9日を持って企業や事業所ごとで申請する形での新規申請は廃止となることが独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)から発表されました。今後は、これらの助成金の代わりに、協同組合などの団体から申請できる「団体経由産業保健活動推進助成金」の申請が開始されました。

※こちらは2023年1月6日現在の情報です。最新情報については、独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)の「団体経由産業保健活動推進助成金の手引き」をご確認ください。

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産業医の助成金制度とは?「小規模事業場産業医活動助成金」を解説

産業医や産業保健師を選任したり契約内容の業務を実施したりすると、報酬が発生などさまざまな費用が発生します。そのような費用を賄うための制度です。

さらに、いくつかコースがあり、コースによって対象となる業種や必要な書類などが異なります。まずは、下記の表でコースの種類と違いを確認しましょう。

コースの種類 内容
産業医コース 2017年度(平成29年度)以降にした契約で、産業医や産業医活動を実施する契約を結んでいる。さらに、実際に産業医活動を行っていなければならない。
保健師コース 2018年度(平成30年度)以降に下記の内容を一部またはすべてを実施する契約を保健師と結び、実際に産業保健活動(保健指導と健康相談)を行っていなければいけない。保健指導を行う対象者は下記を参照。
・健診に異常が認められた
・長時間労働をしている
・ストレスチェックで高ストレス者と判定され、本人から申し出があった場合
直接健康相談環境整備コース 契約を結んだ場合、産業医や保健師が実施することと、直接、相談できる環境であることを含んでいること
・産業医:職場巡視や健康相談など
・保健師:健康イベントやメンタルヘルスなど

また、「小規模事業者持続化補助金」もあります。名前は似ていますが、対象者が個人事業主や小規模事業者で販路開拓などが目的です。そのため、全く異なる制度です。

産業医の助成金(小規模事業場産業医活動助成金)を受け取る条件

それぞれのコースで、受け取る条件が異なるため注意してください。また、小規模事業場の定義は産業医を選任する目安となる中小企業は「50人」ですが、小規模事業者支援法では業種によってさまざまです。

たとえば、宿泊業や娯楽業を除く商業・サービス業は常時使用する従業員の数が5人以下、製造業その他では常時使用する従業員の数が20人以下となっています。

ここからは、3つのコースのそれぞれ申請要件をご紹介します。

産業医コースを申請するための要件

申請を受けるためには下記の要件をクリアしていることが前提です。1つでもクリアをしていないと申請できません。

  1. 常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場である
  2. 労働保険が適用されている事業場である
  3. 平成29年度以降、産業医と事業場が「産業医活動に係る契約書」を結んでいる
  4. ■必須の項目■
    ・活動する契約期間と活動内容が記載されていること
    ・活動に必要な費用
    ・法人契約をするときは、産業医になっている勤務医の氏名
    ・申請する事業場の名称

  5. 産業医自身が産業医活動を行っている
  6. 事業場の労働者以外が産業医活動を行っている

保健師コースを申請するための要件

保健師コースも申請するための要件があります。産業医とは異なるため内容を確認し、要件を満たしてから申請をしましょう。

  1. 常時50人未満の小規模事業場である
  2. 労働保険の適用事業場である
  3. 2018年度以降にメンタルヘルス支援や健康教育などの業務内容を「産業保健に係る契約」で結んでいること
  4. ■契約に必ず含めなければいけない内容■
    ・実際に活動する内容と契約期間
    ・必要な費用
    ・法人と契約するには勤務している保健師の氏名
    ・事業場の名称

  5. すべてまたは一部を実施している
  6. 担当者は使用者や労働者以外の者である

直接健康相談環境整備コースを申請するための要件

ここからは、直接健康相談環境整備コースで助成金を申請するための要件を確認しましょう。注意点は、これまでの2コースとは少し異なることです。

  1. 小規模事業場である
  2. 労働保険の適用事業場である

また、下記内容に取り組んでいることも必須です。契約内容も指定されているため、漏れが無い契約内容になっているかチェックをしましょう。

  1. 契約には、健康相談ができる場を整備する内容を含めている(2018年度以降)
  2. 労働者に直接相談できることを伝えている
  3. 各種活動の担当者は、自社以外の者である

産業医の助成金(小規模事業場産業医活動助成金)の金額

それぞれのコースで受け取るためのルールが違うことがポイントです。たとえば、直接健康相談環境整備コースは2回にわけて6カ月ごとに10万円を一律支給ですが、産業医と保健師コースは6カ月ごとに10万円を2回までです。また、申請できる期間は令和3年5月からです。

産業医の助成金(小規模事業場産業医活動助成金)申請の主な手続きや必要書類は?

申請手続きや必要書類は3つのコースで異なります。ここからは各コースの手順をご紹介するため確認をしましょう。

産業医コースの助成金申請手順

まずは、産業医の場合で助成金を受け取るまでの手続きは下記を参考にしてください。添付書類は産業医専用を使用しましょう。

その1

産業医活動を実施するための契約

その2

産業医活動を実施する。実施する内容の例は以下を参照。

  • 職場巡視
  • 健康診断異常所見者に関する意見聴取
  • 保健指導
  • 安全衛生委員会への出席
  • 健康講和
  • 健康診断の結果確認 など

その3

産業医への支払い

その4

助成金支給の申請(1回目)
申請書類は労働者健康安全機構へ提出
■提出書類■
・申請書の種類は産業医コース

■添付書類■
・産業医活動に関する内容が書かれている契約書のコピー
・産業医活動実績報告書
・産業医資格のある医師への支払った証拠書類の写し
・産業医であることを証明する書類の写し
・産業医活動実施期間に発生した費用の領収書の写し
・労働保険概算や確定保険料申告書などの写し
・労働保険一括納付に係る証明書
※該当している事業場のみ
・振込先金融機関の通帳のコピー
・支給要件確認申立書
・産業医コース)支給申請チェックリストを兼ねた同意書
※切手を貼った返信用の封筒も用意すること。長形3号の封筒に84円切手を貼っておくこと

その5

支給決定通知の受取と助成金受領

その6

助成金支給の申請(2回目)
1回目と同様

その7

支給決定通知の受取と助成金受領

保健師コースの申請手順

保健師で助成金を申請する場合も要件をクリアしていたら、下記の手順で申請をすると助成金を受けることができます。

その1

活動するための契約

その2

実施
業務内容の例は下記を参照(契約に含まれている内容を実施)

  • 健診で異常があった労働者への保健指導
  • 長時間労働者への保健指導
  • 高ストレス者から相談の申し出があった場合の健康相談
  • 健康教育             など

その3

保健師に対する支払い

その4

(1回目)申請
■提出書類■
・保健師コースの申請書

■添付書類■
・契約書のコピー(産業医活動用)
・産業保健活動実績報告書
・保健師免許証のコピー
・保健師コース支給申請チェックリストを兼ねている同意書  
※その他には返信用封筒(長形3号封筒に84円切手貼付すること)や振込先金融機関がわかる書類のコピーが必要 

その5

支給決定通知の受取、助成金受領

その6

(2回目)申請
1回目と同じ

その7

支給決定通知の受取、助成金受領

直接健康相談環境整備コースを申請手順

手順は下記を参考にしてください。

その1

産業医や保健師との契約
内容:健康相談が直接できることを含む

その2

健康相談ができる環境であることを伝える

その3

申請(1回目)
契約施行開始日から6カ月経過後、必要な書類を添えて助成金の支給申請を行う
■提出書類■
・必要な申請書

■添付書類■
・産業医活動または産業保健活動に関する契約書のコピー
・産業医または保健師の免許証のコピーなど
他の2コースと同様に、振込先講座がわかる書類のコピーなどを提出する

その4

支給決定通知の受取と助成金受領

その5

申請(2回目)
1回目の受領から6カ月経過後

その6

支給決定通知の受取と助成金受領

助成金を活用して産業医を取り入れよう

労働者の健康を守るため、産業医や保健師に相談できる環境を整える、という方法があります。しかし、配置するためには費用がかかります。そのため、小規模事業場産業医活動助成金を申請して活用しましょう。

産業医選任ガイドブック
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