上記のようなお悩みはありませんか?
産業医の選任や切り替えを検討する際には、産業医の支払い額について気になることも多いかと思います。
本記事では、そんな疑問や悩みに合わせて、産業医の相場がいくらになるのか、産業医の金額が変わるワケ、安い産業医の探し方などについて解説します。
また、月額3万円から企業担当者の業務負担軽減や義務対応を低コストで実施できるサービスもご紹介します。
企業で働く労働者数が50人以上になると、産業医の選任だけでなく、ストレスチェックの実施、衛生委員会の立ち上げ/運営、職場巡視の実施など労働安全衛生法に関連する義務対応が必要になります。そのため、気づいたら義務対応における金額面の費用増加、そして担当者の業務負担も増えていることも少なくありません。低コストで法定義務を満たしたいとお考えの方はぜひご参考にしてください。
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産業医の報酬相場っていくら?
産業医の報酬は、基本的には労働者数と企業規模によって決まります。労働者数が多ければ多いほど、産業医の業務負担も増えるため、それに応じた報酬を支払うことになります。以下は、労働者数・依頼形式で区別した産業医の報酬相場です。
| 従業員数 | 依頼形式 | 報酬相場 |
|---|---|---|
| 50人未満 | 嘱託産業医 | 月約75,000円 |
| 50人~199人 | 月約100,000円 | |
| 200人~399人 | 月約150,000円 | |
| 400人~599人 | 月約200,000円 | |
| 600人~999人 | 月約250,000円 | |
| 1000人以上 | 専属産業医(週1) | 年300万~400万円 |
| 1000人以上 | 専属産業医(週4) | 年1200万~1500万円 |
上記内容はあくまでも目安です。実際は、産業医の経験や専門性、地域性、企業の規模や業種によっても変わってきます。
専属産業医と嘱託産業医の違い:5つのポイント
まず、専属産業医と嘱託産業医の違いについて、5つのポイントで解説します。
-
POINT
-
【1】雇用形態の違い 専属産業医は一つの会社に専念する医師であるのに対し、嘱託産業医は複数企業の掛け持ちも可能な非常勤医師です。 -
【2】選任要件の違い 専属産業医は、労働者1,000人以上の大規模事業場で選任が必須で、嘱託産業医は50人以上の事業場で必要です。ただし、999人以下でも有害業務に500人以上が携わる事業場の場合、専属産業医の選任義務が発生するので注意しましょう。 -
【3】勤務時間の違い 専属産業医が週3〜5日程度勤務するのに対し、嘱託産業医は週1~月数回の訪問です。 -
【4】報酬の目安の違い 専属産業医は、週1回の勤務であれば年収300〜400万円程度、週4日勤務であれば1,200〜1,500万円程度が目安です。一方、嘱託産業医は訪問回数に応じた報酬を受け取ります。 -
【5】業務範囲の違い 専属産業医は、労働者の健康管理を長期的かつ包括的に行なうことができる一方で、嘱託産業医は、時間制限のなかで基本的な健康管理業務が中心です。
専属産業医の報酬相場:年収300万円〜1,500万円の実態
専属産業医の年収は、企業規模や勤務形態、医師の専門性や経験によって異なります。一般的には、週1日勤務する場合は年間300万円〜400万円程度、週4日勤務する場合は年間1,200万円〜1,500万円程度が目安です。そのほかに報酬を左右する要因として、産業医としての経験年数、事業場の業種や有害業務の有無、立地条件、契約内容や付帯業務などがあげられます。専属産業医は、労働者の健康管理、安全衛生教育、職場環境の改善、労働災害の予防など多岐にわたる業務を担います。長期的なフォローを含め包括的な健康管理が求められるため、業務の内容や複雑さによって報酬に差異がでます。
| 勤務日数 | 年俸 |
|---|---|
| 週1日 | 300〜400万円 |
| 週2日 | 600〜800万円 |
| 週3日 | 900〜1,200万円 |
| 週4日 | 1,200〜1,600万円 |
| 週5日 | 1,500〜2,000万円 |
※一般的な専属産業医の年俸は、以下のように基本給に勤務日数をかけて計算します。
年俸=(300~400万円)×(週当たりの勤務日数)
※実際の年俸は、地域や業務内容、経験、専門性などにより変動します。
嘱託産業医の報酬相場:月額3万円〜14万円の目安
嘱託産業医の報酬相場も、企業規模や勤務形態によって異なります。一般的には、労働者数が少ない50人未満の企業や勤務頻度が低い場合は月額7.5万円程度ですが、労働者が200人を超える企業では、月額15万円〜程度の報酬相場となります。これらの理由は、専門産業医と同様に、労働者数が多いほど、産業医の業務量が増加するためです。嘱託産業医は、専属産業医と比べて、時間に制限があり業務範囲が限定されることがありますが、企業のニーズに合わせて、週1回〜月数回の訪問で労働衛生管理にかかわる業務を行ないます。企業が嘱託産業医に求める業務内容に応じた適切な報酬を設定することが重要です。
労働者数別の嘱託産業医の報酬目安:100人単位で解説
企業が産業医に求める業務内容は、労働者数に大きな影響を受けるため、嘱託産業医の報酬は、労働者数が一つの指標になります。労働者数別にみた嘱託産業医の基本報酬の目安を以下の表でまとめます。
| 労働者数 | 50人未満 | 50~199人 | 200~399人 | 400~599人 | 600~999人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 金額 | 7万5,000円~ | 10万円~ | 15万円~ | 20万円~ | 25万円~ |
| 備考 | 法的義務なし・任意契約 | 基本的な産業医活動 | 業務量に応じて変動 |
参考:産業医報酬基準額について | 公益社団法人日本橋医師会 産業保健部委員会
嘱託産業医は、基本的な産業医活動に加え、面談や巡視の回数が増えると業務量の増加にともなって報酬も高額になるのが一般的です。また、ストレスチェックや健康診断の実施、産業医の専門性も報酬に影響しています。
追加業務による報酬の変動要因:3つの主要因
嘱託産業医の報酬は、基本業務以外に追加業務が発生した場合にも増額します。ここでは、嘱託産業医の報酬の変動に影響する3つのおもな要因についてまとめます。
- 要因① 専門性の高さ
嘱託産業医の追加業務には、高ストレス者へのメンタルヘルスケアなど、基本業務よりも深い専門知識や技術が求められることが多く、追加報酬が発生します。 - 要因② 個別対応
一人ひとりの健康状態や労働環境に応じた個別のアプローチが求められる面談や保健指導などの業務には、時間と労力がかかるため追加料金が設定されます。 - 要因③ 教育・研修業務
事業場内の衛生教育の実施やメンタルヘルス研修、健康増進セミナーの開催など準備時間や実施時間が通常業務外となる場合も追加報酬の対象です。
産業医の報酬を決定する要素とは?
産業医の報酬はさまざまな要素によって変動します。例えば、前項で述べているように地域によっても報酬に差が生じます。産業医の数は大都市圏に偏っており、地方になればなるほど適任者を探すのが難しくなるためです。
その他にも報酬を変動させる要素は多くあります。まとめると以下のとおりです。
- 地域
- 契約方法、勤務形態、勤務日数・時間
- 産業医のキャリア、経験
- 産業医に求めるスキル、専門性
- 業務内容(ストレスチェックや面談の実施、健康診断・保健指導、社内研修など)
- 事業場で有害物質を取り扱っているかどうか
- 産業医の探し方
産業医を選ぶ際には、必要な業務を事前にしっかり検討し、自社のニーズに合う産業医を選任することが重要です。報酬をある程度把握したうえで、適正な価格で契約ができるよう、最低限の予備知識を押さえておきましょう。
関連記事:
産業医を紹介してもらうおもな4つの方法を解説
企業規模と従業員数による影響:4段階の報酬変動
産業医の報酬は、企業規模と従業員数に影響を受けます。従業員数が多いほど、産業医の業務量も増えるため、企業は産業医に適切な報酬を支払うことが求められます。
| 段階 | 従業員数 | 報酬の特徴 | 報酬相場 |
|---|---|---|---|
| 1 | 50人未満 | 小規模企業のため業務量も少なく、報酬は比較的低め。 | 7.5万円/月~ |
| 2 | 50~499人 | 従業員数増加にともない業務量も増加。報酬は段階的に高くなる。 | 10~20万円/月 |
| 3 | 500~999人 | 従業員数が多く業務内容も複雑化。報酬はさらに高くなる。 | 20~30万円/月 |
| 4 | 1000人以上 | 専門性や責任が求められるため、報酬は大幅に高くなる。 | 300万円/年~ |
上記内容は目安であり、実際の報酬は産業医の経験や専門性、企業の規模や業種、地域などによって異なります。
勤務頻度と業務内容の違い:週1回vs週4回の比較
産業医は、勤務頻度によって業務内容に違いがでます。週1回勤務では、健康相談や健康診断などが中心となるため、緊急時の対応や継続的なコミュニケーションが不足する可能性がありますが、コストを安く抑えたい企業には報酬の低さがメリットとなります。一方で、週4回勤務では、労働環境改善指導やメンタルヘルス対策など、企業担当者と密な連携が図れますが、コストがかかります。そのため、産業医に求める業務は、企業の規模やニーズに応じて適切に選択することが重要です。
産業医の経験と専門性:報酬アップの3つのキーポイント
産業医の報酬増額に影響を与える3つのキーポイントを以下にまとめます。
- 経験年数、キャリア
産業医は、医師としてのキャリアが長いほど報酬は高い傾向。大手企業で活躍した経験や複数の事業場で対応した経歴を持っているとその実績が高く評価されます。 - 専門性
メンタルヘルスや化学物質の管理などの専門資格を持つ産業医は、需要が高く報酬が増額されることが一般的です。また、産業医学分野での研究実績や論文発表がある産業医も最新の知見を実務への適用が期待され報酬に反映されます。 - 企業規模
大企業では、産業医の業務の複雑性や労働者数の多さから、経験豊富な産業医が求められやすく、専属産業医の年収の目安は1,000〜1,500万円と高い報酬が設定されています。
地域による報酬格差:都市部と地方の相場差
都市部と地方では、産業医の報酬に格差が見られます。この格差の理由には、都市部と地方の生活費、競争環境、専門性の需要、企業規模などの違いが複雑に絡み合っています。都市部では、産業医の数が多い反面、競合性も高くなるため、企業は、高い報酬で優秀な産業医を獲得しようとします。また、都市部には、労働者数が多い大企業が多い傾向にあるため、産業医の業務量が増え、報酬も高くなる傾向があります。
契約形態の違いによる報酬変動:個人vs法人の比較
産業医と企業の契約形態には、個人契約と法人契約の2種類があります。個人契約は、報酬交渉の自由度が高く、業務内容を調整できる反面、すべて個人にの責任に帰属するため産業医の負担は大きくなります。片や、法人契約では、法人側に責任があります。産業医は、事務処理や経理などのサポートを受けられることがメリットですが、報酬交渉の自由度が低く、法人側の都合で業務内容が変更される可能性があるというデメリットもあります。
| 契約形態 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 個人契約 | ・報酬交渉の自由度が高い ・業務内容を細かく調整できる |
・責任がすべて個人に帰属する ・事務処理や経理など、負担が大きい |
| 法人契約 | ・法人側に責任があり個人負担は軽減される ・事務処理や経理などのサポートが受けられる |
・報酬交渉の自由度が低い ・法人側の都合で業務内容が変更される可能性がある |
その他:産業看護職の活用
産業看護職の報酬相場は年間400~500万円です。病院勤務の看護師を含む看護師全体の給与平均が約470万円なので、産業看護職に支払う金額は、一般の看護師とそれほど違いはありません。
しかし、産業看護職を活用することで、産業医面談の必要性が高い労働者を、より確実に産業医につなげることができます。さらに、業務が効率化され、産業医の業務負担を減少させることも可能です。
また、心身の健康に不安がある労働者が気軽に面談を受けられるようになり、産業医との連携やアフターフォローも含めた手厚いサポートができます。
産業医の探し方や契約方法と報酬
産業医の報酬は探し方や契約方法によって異なります。ここでは、産業医の探し方を5つ紹介します。
人材紹介会社を利用する4つのメリットと2つのデメリット
人材紹介会社を利用するメリットは以下のようなものがあります。
- 多くの登録産業医のなかから自社の特徴やニーズに合った人材を紹介してもらえる
- 選任後にトラブルが起こっても対応を任せられる
- 仲介によって産業医の業務負担を減らすことができる
- 産業医への報酬や業務内容の交渉も人材紹介会社に任せることができる
| 従業員数 | 依頼形式 | 報酬相場 |
|---|---|---|
| 50人未満 | 嘱託産業医 | 月約40,000円~ |
| 50人~199人 | 月約60,000円~ | |
| 200人~399人 | 月約80,000円~ | |
| 400人~599人 | 月約100,000円~ | |
| 600人~999人 | 月約120,000円~ |
人材紹介会社を通した場合の産業医への報酬の相場は、上記の表のとおりです。とはいえ、あくまで目安なので、地域性や産業医の専門性によって変わってきます。
逆にデメリットは以下のようなものが考えられます。
- 仲介料や紹介料、サービス料などの手数料がかかる
- 人材紹介会社は数多く存在するので、どこを選んだらよいかわからない
人材紹介会社の持っている産業医の情報は数が多いため、特に産業医の報酬や業種に対する専門性など企業に合った産業医を紹介してほしい場合は、人材紹介会社を通して産業医を探す方法は効率的といえるでしょう。
医師会・医療機関からの紹介
医師会を利用して嘱託産業医に依頼した場合の報酬の相場は、以下の表のようになります。
| 従業員数 | 依頼形式 | 報酬相場 |
|---|---|---|
| 50人未満 | 嘱託産業医 | 月約75,000円 |
| 50人~199人 | 月約100,000円 | |
| 200人~399人 | 月約150,000円 | |
| 400人~599人 | 月約200,000円 | |
| 600人~999人 | 月約250,000円 |
上記に加えて、有害物質を取り扱う事業場で働く場合や、専門性の高さが必要になる業務が発生する場合には、追加の報酬が発生する場合もあります。
地域産業保健センターの活用方法と3つの注意点
地域産業保健センターでは、労働者50人未満の小規模事業場を対象に、無料で産業保健サービスを提供しており、健康相談や面接指導などの基本的な産業保健サービスの利用ができます。以下に利用する際の3つの注意点をまとめます。
- 利用は予約制のため事前に申し込みが必要
相談枠に限りがあるため早めの予約を推奨します。 - サービス内容は制限があるため企業のニーズとの照合が必要
定期健康診断の実施は対象外です。
継続したフォローアップには適していません。 - 利用可能回数に制限
年間の相談回数には上限があります。
複数の事業場での利用時は調整が必要です。
地域産業保健センターを利用する場合は、自社のニーズに合致しているか確認することが重要です。各地域のセンターに直接問い合わせて検討しましょう。
オンライン産業医サービスの選択肢:メリットと導入手順
オンライン産業医サービスは、従来の対面式に比べ、場所や時間の制限が少なく手軽に産業医のサポートを受けられる大きなメリットがあるため、近年注目されています。以下にメリットと導入手順について紹介します。
- 時間・場所の自由
職場に出向く必要がなく、自宅や出張先などでも利用できます。 - コスト削減
交通費や会議室代などのコスト削減が期待できます。 - 迅速な対応
オンライン相談のため緊急の相談も迅速に対応できます。
従来の対面式との比較はこちらです。
| 項目 | 従来の対面式 | オンラインサービス |
|---|---|---|
| 場所 | 産業医のオフィスや事業場 | 労働者の自宅や職場など状況に合わせて選択可能 |
| 時間 | 産業医や事業場のスケジュール合わせる | 労働者の都合や状況を考慮して選択可能 |
| 費用 | 交通費、会議室代など | サービス内の料金形態や利用頻度により異なる |
| 対応時間 | 産業医や事業場の定められた時間内 | 迅速な対応や状況に応じた対応が可能 |
オンライン産業医サービスは、労働者の健康管理を効率的に行なうための有効な手段です。
自社のニーズや状況に合わせて適切なサービスの導入を検討しましょう。
健康診断を依頼している医療機関
現在、労働者の健康診断を外部の医療機関に依頼している場合は、該当する医療機関から産業医を紹介してもらえるケースもあります。
健康診断を実施している医療機関から産業医を紹介してもらうことのメリットは、健康診断と産業医契約をセットにしてもらい、料金が割安になる可能性があることです。
また、健診結果に関する面談・フォローを同一の医療機関内で一貫して対応できるため、連携がスムーズというメリットもあります。
逆にデメリットとして考えられる点は、健康診断の繁忙期である春や秋には、医療機関側のリソースが逼迫し、産業医面談などの対応が遅れる可能性があることです。さらに健診専門機関の場合、産業医活動に必要な訪問や助言が形式的になることもあり得ます。
産業医紹介サービスのメリット
産業医を探す際に、産業医紹介サービスを利用することも可能です。紹介会社が間に入って産業医を紹介してもらう形が多く、さまざまなサポートやフォローを受けることができます。特に初めて産業医を選任する場合や、企業の担当者様が産業医の対応に慣れていない場合、何かあれば紹介会社に相談できるので心強いでしょう。
ここからは、産業医紹介サービスのメリットについて、直接契約の場合と比較しながら紹介します。
産業医と産業看護職の2名体制による支援で、産業医面談はもちろん、「ストレスチェック」や「衛生委員会の支援」など、人事労務担当者様の産業保健業務の負荷を大幅軽減し、労働者の健康をサポートします。産業医の選任・交代をご検討の方にもおすすめ
複数の産業医から自社にマッチした産業医を選べる
事業場によってカラーやニーズが異なるうえ、メンタルヘルス問題に強い産業医や英語が堪能な産業医など、産業医が得意としている分野もさまざまです。また、女性の労働者が多い事業場であれば、女性の産業医のほうが対処しやすいでしょう。
せっかく産業医を選任したのにミスマッチだったという事態は避けたいですよね。産業医紹介サービスでは複数の産業医が在籍しているので、より自社にマッチした産業医を見つけやすいといえます。
万が一ミスマッチになってしまった場合、産業医に直接解任することは伝えにくいうえに、次の産業医を一から探すのは大変です。こういった場合も、産業医紹介サービスであれば紹介会社を通して変更の依頼もしやすく、次の産業医の紹介や選任手続きもサポートして貰えます。
適切な費用請求にできる
企業の担当者様としては、契約後に法外な料金を請求されるリスクは避けたいはずです。料金でもめたときの精神的ストレスや本来の業務への圧迫を考えると、最初からリスクは最小限にしたいところです。
産業医紹介サービスであれば、事前に相場を確認しておくことで適切な費用請求にすることができます。また、契約後に何かあったとしても紹介会社が間に入っているので安心です。
人によっては産業医紹介サービスのほうが高そうなイメージがあるかもしれません。しかし、直接雇用と比較しても相場にさほど違いはなく、むしろミスマッチのリスクを低減でき、問題が起きたときにはサポートを受けられます。そのため、総合的に考えるとコストパフォーマンスは高いといえます。
産業医と企業間の調整をしてくれる
産業医紹介サービスを利用する大きなメリットは、紹介会社が企業と産業医の間に入ってくれることです。産業医と業務をするなかで問題が発生すれば、紹介会社のスタッフが間に入ってくれるので安心して業務に専念できます。問題が起こっていなくとも、産業医とのかかわり方がわからないといった疑問に対してもアドバイスを貰えるでしょう。
万が一産業医を交代するとなった場合も、次の産業医の紹介などの対応をスムーズにしてもらえます。紹介会社やケースによっては、交代時は無償で対応してくれることもあります。このような手厚いサポートやフォロー体制があると、企業の担当者様としては安心ですよね。
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産業医選任ガイドブックは産業医の選び方や産業医との契約時にチェックするリストなど、自社に最適なサービスの選定から産業医選定後の必要書類などの基礎知識をまとめています。
産業医紹介周辺のサービスを受けられる
常時使用する労働者が50人以上になると産業医の選任義務だけでなく、衛生委員会を設置して毎月1回以上開催する、ストレスチェックを1年以内ごとに1回実施するなどの義務も発生します。
紹介会社によっては、産業医の紹介だけでなく、衛生委員会の運用支援やストレスチェックの代行といったサービスも提供していることがあります。異なるサービスを利用するより、1つにまとめたほうが管理しやすくメリットといえるでしょう。企業の担当者様としても業務が効率化されるため、産業保健業務の負担軽減が期待できます。
紹介会社の料金設定によりますが、費用面に関してはセット料金で安くなるケースもあります。
参考:安全衛生委員会を設置しましょう|厚生労働省
参考:改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について|厚生労働省
リモート産業保健は産業医と産業看護職の2名体制による支援で、産業医面談はもちろん、「ストレスチェック」や「衛生委員会の支援」など、人事労務担当者様の産業保健業務の負荷を大幅軽減し、労働者の健康をサポートします。低コスト法定義務を満たしたい、初めて産業医を選任するので負担は少なくしたい企業担当者さまにおすすめです。
産業医紹介サービスを選ぶコツ
産業医紹介サービスはたくさんありますので、どこにするか悩んでしまいますよね。より自社にマッチしたものを選ぶためには、どのような視点で選ぶのがよいのでしょうか?ここからは産業医紹介サービスを選ぶコツについてお伝えします。
紹介実績が豊富なサービスを選ぶ
紹介実績がしっかりあるかは必ず確認しましょう。紹介実績があるということは、それだけ産業医を紹介し、さまざまな企業に対応してきたということです。紹介実績を参考に、自社のニーズにあっているかを慎重に検討しましょう。例えば、オフィスでデスクワークをするような企業が多いのか、工場で働くような企業が多いのかなどです。
紹介実績はホームページに掲載されていないこともありますので、直接紹介会社に問い合わせるとよいでしょう。もちろん、疑問や気になることがあれば積極的に確認しましょう。
提案の幅が広いサービスを選ぶ
事業場によってそれぞれ抱えている課題は異なります。有機溶剤などの有害物質を取り扱う工場や長時間労働が多い職場、メンタル不調者が多い職場などさまざまです。
産業医を選任するなら、事業場の課題を解決して欲しいですよね。そのため、産業医紹介サービスを選ぶときは、課題解決のために幅広い提案ができるところがよいでしょう。そのために適任の産業医を紹介できること、フォロー体制が整っているかが大切なポイントとなります。
全国対応可能なサービスを選ぶ
事業場の立地にもよりますが、全国対応可能なサービスを選ぶのがおすすめです。都市部は産業医が多いので探すのに困りませんが、地方になると産業医が少ないのが現状です。そのため、産業医紹介サービスに問い合わせても、地方は断られてしまうケースがあります。
また、最初は都市部で産業医を選任したけれど、数年後に地方の事業場で労働者が50人以上となり、新たに選任の義務が発生する可能性があります。先々のことを考えると、はじめから全国対応可能なサービスを選ぶほうが安心でしょう。紹介会社と長く付き合っていれば、事業場の特徴にあった産業医を紹介してくれるかもしれません。
【産業医報酬】契約に関する注意点
選任する産業医を決めたら、契約書を交わします。ここでは、契約書に記載する項目や契約に関する注意点を紹介します。
契約書に記載する内容
産業医と契約する際には、以下のような項目を契約書に記載します。
- 産業医の選任
- 職務内容
- 個人情報の取り扱い
- 報酬、経費
- 責務
- 補償
- 契約期間
- 反社会的勢力との関与について
- 協議
職務内容を記載する際には、労働安全衛生規則第14条第1項、第15条第1項で規定する職務に加えて、産業医に求める業務内容を細かく記載します。
報酬については、支払日、交通費の扱いまで具体的に記載しましょう。なお、日本医師会のフォーマットに記載されている内容は以下のとおりです。
| 医療法人の勤務医 | 開業医 (個人) | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 福利厚生費 | 給与 |
| 消費税 | 課税 | 不課税 |
| 源泉徴収 | 不要 | 必要 |
このとき、面談などで契約時間よりも長く勤務する可能性を考慮し、契約時間を超過したときの対応についても記載しておくとよいでしょう。
その他、契約期間の記載も必要です。産業医の契約期間は1年間で自動更新されるのが一般的ですが、直接契約などで1〜5年の有期契約をする企業もあります。契約期間の長さや形式も記載しておけば、更新の際のトラブルを防げます。
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【産業医報酬】会計処理に関する注意点
本章では、産業医の報酬を支払う際の会計処理について解説します。注意点もあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
産業医報酬はどの勘定科目に該当する?
結論から述べると、「医療法人の勤務医」の場合には「福利厚生費」として、「個人事業者である医師(開業医)」の場合には、「給与」として分類されることが一般的です。
勘定科目とは、会社の取引内容をわかりやすく分類するための項目のことです。「なぜお金が入ってきたのか、出ていったのか」を明確にする役割を担います。
医療法人に所属する勤務医に支払う報酬は、医療法人の収入となるため、「給与」には該当しません。事業場側から見ると、労働者の健康保持増進や職場環境の改善などにかかわるサービスに支払う費用であるため、「福利厚生費」として処理するほうが妥当でしょう。
反対に、個人事業者である医師(産業医)に対しては、個人に支払う報酬になるため、「給与」として処理しても問題ありません。
判断が難しいかもしれませんが、会計処理をする際には、選任した産業医が法人の勤務医なのか、個人事業者なのかを確認して勘定科目を分けるとよいでしょう。
産業医報酬は課税対象?源泉徴収は必要?
産業医報酬は、法人に支払う場合は消費税の課税対象で、個人に支払う場合は不課税です。また、源泉徴収は産業医報酬を法人に支払う場合は不要で、個人に支払う場合は必要です。
医療法人が産業医を事業場に派遣した場合の報酬は、医療法人の「その他の医業収入」となるため、消費税の課税対象です。一方の源泉徴収は、給与や利子、配当などの「所得」を支払う際に生じるため、法人への支払いに対しては不要です。
個人事業者である医師(開業医)に支払う場合には、報酬は原則「給与収入」となるため、消費税は不課税で、源泉徴収については必要です。(ただし、個人事業者が法人化している場合は、「給与収入」扱いにはならない。)
上記をまとめると、以下のようになります。
| 医療法人の勤務医 | 開業医 (個人) | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 福利厚生費 | 給与 |
| 消費税 | 課税 | 不課税 |
| 源泉徴収 | 不要 | 必要 |
産業医紹介サービスならリモート産業保健
「労働安全衛生法に関連する法定義務を低コストで抑えたい」や「休職やメンタル不調の再発を防ぎたい」など、産業医選任や訪問・オンライン面談から、職場巡視、衛生委員会の立ち上げ・運営、ストレスチェックなどの法定義務が月額3万円から導入できます。
さらに、リモート産業保健は、産業医と産業看護職が2名体制でサポートするため、産業看護職が労働者の面談対応や相談窓口も役割を持ち、休職・復職者のメンタルケアからメンタル不調者にも早期に介入するため休職リスクを未然に防止できます。
現在、導入企業数は1000社を超え、人事労務担当者一人での産業保健体制の立ち上げやグループ各法人・各工場で統一した法令対応、新卒労働者の離職率を最大20%改善するなど実績が多数積み上がっています。
まず、費用面で割安と感じました。また、本社とは別の工場や県外にある別グループ法人も、リモート産業保健であれば同じ支援内容で契約でき、本社で運用管理できるメリットがあったことが決め手でした。
人事課として従業員のメンタルヘルス対策について調べていく中で、産業看護職の面談も効果があることを知り、他の類似するサポートと比較検討することになりました。リモート産業保健の方と商談を重ねた結果、より低いコストで自社の望んでいるサポートをしてもらえると感じたため、導入を決定いたしました。
特に、法令順守対応である産業医の選任がすばやくできる点、多くの従業員の面談を実施できる点、必要時に面談の結果を会社へフィードバックしてくれることで、情報連携がスムーズにおこなえる点が弊社にとって魅力的だと感じました。
顧客満足度95%と契約企業の支持率も高いサービスですので、産業医選任や産業保健の体制構築からメンタルヘルス対策など、お困りの企業担当者はぜひご検討ください。
よくある質問
産業医の報酬額はいくらですか?企業規模別の目安
小規模企業では、産業医の訪問頻度が低く、報酬額も比較的低くなる傾向があります。一方、大規模企業では、労働者数が多いことや専門性の高い産業医が必要となることから、報酬額が高くなる傾向があります。
| 企業規模(労働者数) | 報酬額(目安) | 特徴・変動要因 |
|---|---|---|
| 小規模(100人未満) | 月額5~10万円 | 産業医の経験や専門性、訪問頻度によって変動 |
| 中規模(100~499人) | 月額10~20万円 | 労働者数、業務内容、労働時間などに応じて変動 |
| 大規模(500人以上) | 月額20万円~ | 専門性の高い産業医や複数の産業医が必要となる場合も |
産業医の謝礼はいくらが適切?3つの考慮点
産業医への謝礼額は、以下の3点を踏まえて考慮しましょう。
- 産業医の経験・専門性
豊富な経験や専門知識を持つ産業医には、より高い謝礼を検討しましょう。
例:専門性の高い産業医で、年間10回程度の訪問の場合、1回当たり5〜10万円。 - 企業規模・労働者数
労働者数が多い企業や複雑な業務内容を持つ企業では、より多くの時間と労力を要するため、適切な謝礼額を検討しましょう。
例:労働者数500人以上の企業で、年間20回程度の訪問の場合、1回当たり10〜15万円。 - サービス内容
訪問回数、相談時間、報告書作成など、サービス内容によって謝礼額の相場は変動します。
例:訪問に加え、健康教育プログラムの企画・実施なども依頼する場合、1回当たり5~10万円。
産業医の平均年収は?専属と嘱託の比較
産業医の平均年収は、専属産業医が1,000〜1,500万円、嘱託産業医は500〜1,000万円と差異が見られます。その理由は、業務量や業務内容、契約形態が異なるからです。専属産業医は、多くの労働者とより深くかかわり、企業の健康管理を構築する存在である一方で、嘱託産業医は、必要に応じて業務や健康相談に柔軟に対応できることがメリットです。
産業医の時給の相場は?地域差と経験による変動
| 地域 | 経験年数 | 時給相場 |
|---|---|---|
| 都市部 | 5年未満 | 8,000円程度~ |
| 5年以上 | 20,000円程度~ | |
| 地方 | 5年未満 | 7,000円程度~ |
| 5年以上 | 10,000円程度~ |
産業医の時給は地域差、経験年数、専門性、担当業務の難易度などによって変動します。都市部では、競争が激しいため、地方よりも高額な傾向があります。また、経験豊富な産業医は、高い専門知識や豊富な経験を活かしてより高い報酬となり時給2〜3万円を超えるケースも少なくありません。
まとめ
いかがでしたか?産業医は報酬だけ見ると高いと感じてしまうかもしれませんが、産業医が行なう業務は労働者の命にかかわる業務もあり、企業に課せられている安全配慮義務を果たすための重要な役割を担っているため、そこを考えると報酬は高くないでしょう。
しかし、企業や事業者にとっては、さまざまな義務を果たしつつ、企業や事業場の経営を行なっていかなければいけないため、産業医選任も慎重かつ迅速に行なっていく必要があります。
産業医選任に悩んだときは地域の医師会や産業医の紹介会社に相談してみるなど、ぜひ積極的に行動して企業の課題やかかる費用を相談しながら、労働者の健康と安全を効率的・効果的に守っていきましょう。
産業医と産業看護職の2名体制による支援で、産業医面談はもちろん、「ストレスチェック」や「衛生委員会の支援」など、人事労務担当者様の産業保健業務の負荷を大幅軽減し、従業員の健康をサポートします。産業医の選任・交代をご検討の方にもおすすめの1冊です。
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