- 「健康経営に興味があるけど、健康経営アドバイザーってどのような資格?意味ないって本当……?」
- 「健康経営アドバイザーは誰でも取得可能?合格率はどのくらい?」
- 「健康経営アドバイザーの資格を取るためにはどうすれば良い?」
上記のような疑問はありませんか?
健康経営アドバイザーはこれからの時代でますます注目され、有資格者がいることで自社に多くのメリットをもたらすことが期待されます。
本記事では、健康経営の定義や健康経営優良法人のメリットを紹介したうえで、健康経営アドバイザーの概要や試験の内容・難易度などについて説明します。健康経営エキスパートアドバイザーや産業医との違いについても紹介しているので、ぜひ最後までご確認ください。
そもそも「健康経営」とは
健康経営の定義については、健康経営研究会のホームページにおいて以下のように記載されています。
健康経営とは「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。
今後は、「人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与すること」が、これからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。
NPO法人健康経営研究会(2021年)
人生100年時代といわれる現代において、健康経営は人や企業の成長への対価という「未来への投資」の意味を持っています。
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健康経営とは?注目されている背景や導入のメリットを解説!健康経営優良法人に認定されるメリット
健康経営優良法人とは、日本健康会議で認定された特に優良な健康経営を実践している法人のことです。働き方改革が進められている現代社会では、健康経営優良法人の価値は非常に高いといえます。
健康経営優良法人に認定されると社会的評価を受けることができるため、自治体や金融機関からのインセンティブを受けられたり、求職者や投資家から注目されることで優秀な人材確保や知名度・信用の獲得が期待できたりするなど、多くのメリットが得られます。
健康経営優良法人の認定要件やより詳しいメリットを知りたい方は下記の記事をぜひご参照ください。
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健康経営アドバイザーとは、経済産業省の委託を受けた東京商工会議所が育成・認定した資格取得者のことです。ここからは、健康経営アドバイザーの役割や資格制度、試験の概要について紹介します。
健康経営アドバイザーの役割
健康経営アドバイザーの役割は、自社内の健康経営の取り組みに必要な情報を提供し、実践へのきっかけづくりを行なうことです。健康経営はあくまで経営手法であるため、理念や手法を正しく理解していなければ健康経営は実践できないでしょう。
健康経営を進めていくうえで、健康経営について最新の情報をキャッチしつつ、健康経営の理念や目的を正確に理解し、自社で具体的な取り組みを推進できる担当者が必要です。その役割を担うのが健康経営アドバイザーです。
健康経営を進めるには、まず自社の従業員の課題を把握しましょう。具体的には以下のような例が挙げられます。
- 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病など)の疑いがある従業員が多い
- 喫煙者が多い
- 腰痛を訴える従業員が多い
- ストレスチェックで高ストレスに該当する従業員が多い など
健康診断やストレスチェック、社内アンケート、業務の特徴(デスクワークが多い、立ち作業が多い、重い荷物を運ぶ作業が多いなど)、男女や年齢の割合などから健康課題を把握します。
健康課題は企業・事業場ごとにそれぞれ異なります。そのため、健康経営への取り組みも企業・事業場ごとに異なるのです。
健康経営アドバイザーは自社の経営・健康の両面の視点を持つアドバイザーとして、適切な情報をもとに、自社に合う取り組みを提案したり、実践したりするのをサポートします。そのような点から健康経営アドバイザーの資格取得は意味のあるものといえるでしょう。
なお、文部科学省後援の「健康管理検定」という時間健康科学を学べる検定がありますが、健康経営アドバイザーと学べる内容が異なるため混同しないように注意する必要があります。
健康経営アドバイザーはどのような資格?
健康経営アドバイザーは、健康経営の必要性を伝え、自社の健康経営への取り組みに必要な情報を提供し、実践へのきっかけをつくる普及・推進者のことです。2016年から東京商工会議所が経済産業省の委託を受けて、公的資格制度の運営をスタートしています。
健康経営に関心のある経営者や総務・人事担当者など、これまでに4万人以上が受講しており、いつでもどこでも受講できるeラーニング研修であることや健康経営の注目と合わせて、現在も受講者は年々増加しています。
一概にはいえませんが、健康経営アドバイザーの有資格者を歓迎する企業求人も実際にあるため、特にこれからの時代はキャリアアップや年収アップが期待されます。
健康経営アドバイザー試験の概要
健康経営アドバイザー試験は東京商工会議所のホームページから申し込み可能です。受験(受講)にともなう条件はなく、年齢や学歴、職業、東京商工会議所の会員の有無は問わず、誰でも申し込み可能です。申し込みは個人と5名以上の団体申し込みがあります。
固定の受講日・試験日はなく、基本的に随時申し込み可能ですが、2年に1度のテキスト改定の際は一時的に申し込みを中断しています。
受講料金は税込み8,800円で、テキスト・動画受講、IBT受験料を含みます。ただし、eラーニングの受講となるため、動画視聴に必要なパソコン・タブレット・スマートフォン等や通信環境は個人で整える必要があります。
支払い方法はクレジットカード・コンビニエンスストア・Pay-easyの3つから選べますが、支払い後のキャンセルはできません。受講期間は支払い完了後から120日間で、期限を過ぎると視聴や受験ができなくなるため注意しましょう。
申し込み・支払い後、マイページへログインして健康経営アドバイザー研修をすべて受講します。その後、効果判定が70%以上の受験者が健康経営アドバイザーとして認定されます。なお、効果判定は何度でも受験可能です。
IBT方式の受験は、受験者自身のパソコンとインターネット環境で受験可能な方式のため、わざわざ会場へ行く手間はかからず、いつでもどこでも受験可能です。
認定期間は2年間で、2年ごとの更新が必要です。更新の場合も受講料金は税込み8,800円です。健康経営アドバイザーは常に最新情報をキャッチし、自社の健康経営をブラッシュアップさせることも重要な役割のため、更新を忘れないように注意しましょう。
健康経営アドバイザーの試験の難易度は?
健康経営アドバイザーの試験の難易度は高くないといわれています。試験は10問の4択問題で正答率70%以上であれば合格できることや、期限内であれば何度でも受験可能なため、テキストやeラーニングをしっかり受けて勉強すれば問題なく合格可能です。
健康経営エキスパートアドバイザー試験の概要
健康経営エキスパートアドバイザーは、健康経営アドバイザーの上位資格です。より専門的かつ実践的な健康経営の支援を行なう専門家です。ここからは健康経営エキスパートアドバイザーの役割や試験の概要について紹介します。
健康経営エキスパートアドバイザーとは
健康経営エキスパートアドバイザーとは、健康経営に取り組む中小企業に対して、課題抽出・改善提案・計画策定などの実践支援を担う専門人材のことです。
東京商工会議所で養成研修を実施しており、「知識確認テスト」と「ワークショップ」の両方の合格者を健康経営エキスパートアドバイザーとして認定しています。
健康経営アドバイザーは誰でも受講・受験が可能です。しかし、健康経営エキスパートアドバイザーは健康経営アドバイザーの資格に加え、後述する経営や労務、医療に関する資格または経験が必要となるため、より専門性の高い資格といえます。
健康経営エキスパートアドバイザー試験の難易度
健康経営アドバイザーと比べると、受講自体のハードルが高いことや出題範囲・問題数が増え、合格基準が高くなるため、自然と試験の難易度は高くなります。
なお、健康経営エキスパートアドバイザー研修を受講するためには、以下の2つの要件を両方満たさなければなりません。
- 健康経営アドバイザー認定者(認定期間が有効な者)
- 所定の有資格者または所定の実務経験者(以下に記載)
所定の有資格者 | 所定の実務経験者 |
---|---|
(経営・労務に関する資格) ・中小企業診断士 ・社会保険労務士(医療・保健に関する資格) ・医師 ・保健師、看護師 ・精神保健福祉士 ・公認心理師・臨床心理士 ・理学療法士 ・労働衛生コンサルタント ・管理栄養士 ・健康運動指導士 |
以下の実務におおむね1年以上かかわっていたこと。 ・「健康」「医療」「保健」に関する実務 医療保険者・医療機関・健診機関等での勤務経験など ・「経営」に関する実務 経営者本人または、経営企画など企業経営に従事していた経験など ・「人事労務」に関する実務 人事担当者、労務管理担当者として従事していた経験など ・「健康経営」に関する実務 健康経営の普及や支援に携わっていた、企業などで実践にかかわっていたなど |
健康経営エキスパートアドバイザーを取得するためには、多肢選択式の知識確認テストにおいて80%以上の正答率で合格し、その後、ワークショップへ参加および効果測定で合格しなければなりません。
健康経営アドバイザーと産業医の違いは?
健康経営アドバイザーと産業医は、労働者の健康維持・増進を促進するために活動するという点においては目的が近いといえます。しかし、選任の義務や役割などさまざまな面で異なるため、違いを理解する必要があります。
ここでは、産業医の概要と健康経営アドバイザーとのおもな違いについて紹介します。
産業医とは
産業医とは、事業場において労働者の健康管理などを専門的立場から指導・助言する医師のことです。産業医は医師免許に加えて、厚生労働省令で定める一定の要件を満たす者でなければなりません。(労働安全衛生法第13条第2項)
また、産業医は常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務付けられているため、該当する事業場で未選任の場合は法律違反にあたります。
一方、健康経営アドバイザーの選任は任意のため、未選任であっても罰則等はありません。学歴や資格の有無にかかわらず取得が可能なため、産業医と比較して取得の難易度は下がります。
企業における役割も異なり、産業医は健康診断やストレスチェックの事後措置、職場巡視などの健康経営を行なう際に、医師の専門的見地から事業者や労働者へ指導・助言を行ないます。
一方、健康経営アドバイザーは健康経営の必要性を伝え、実践のためのきっかけづくりや施策実施、実施におけるフォローなどを行ないます。産業医の選任や仕事内容など、より詳細な解説については以下の記事をご確認ください。
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産業医とは?仕事内容とその役割・医師との違いを徹底解説産業医・ストレスチェックでお困りならリモート産業保健
健康経営の実践にともない、産業医は医学的専門家として労働者の健康管理や快適な職場環境の整備に不可欠な存在です。
「従業員が50人を超えたので産業医の選任が必要になった」、「健康経営を促進するために産業医を選任したいが探し方がわからない」など、自社とマッチする産業医をお探しの事業者・企業担当者の方にはリモート産業保健の活用がおすすめです。
リモート産業保健では、産業医と産業看護職の2名体制で企業の産業保健活動の関連業務をサポートするため、法令義務対応や健康経営を初めて行なう場合も安心してご相談いただけます。
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まとめ
健康経営アドバイザーは少子高齢化や人生100年時代、感染症による健康リスクの増大など、これからの社会情勢において企業が永続的に発展するために必要なきっかけづくりやアドバイスをする存在です。
今後、健康経営はますます注目されます。オンラインで受講や受験しやすい資格のため、「健康経営に取り組み始めた」「これから推進に取り組む」など、健康経営に興味がある方は積極的にチャレンジすると良いでしょう。
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