- 「健康経営銘柄とは?健康経営優良法人との違いを知りたい」
- 「健康経営銘柄に選ばれるメリットはなに?」
- 「今年度の健康経営銘柄(健康経営銘柄2024)に選ばれた企業を知りたい」
本記事を読んでいただくと、上記の疑問が解決するでしょう。
本記事では、健康経営銘柄の概要や健康経営優良法人・ホワイト500との違い、健康経営銘柄2024に選定された企業など、健康経営銘柄に関する内容をわかりやすく、そして詳しく紹介します。
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健康経営銘柄とは
健康経営銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する顕彰制度のことで、2014年度からスタートしました。
「健康経営」に特に優れた企業を、投資家にとって魅力ある企業として紹介することで、企業による「健康経営」の取り組みを促進することを目指しています。
「健康経営」とは、労働者に対する健康管理を経営的視点で考え、戦略的に実践することです。つまり、健康経営銘柄に選定された企業は、労働者の健康管理に積極的に取り組んでいる企業として経済産業省および東京証券取引所から選ばれた、ということを意味します。
健康経営銘柄に選ばれるメリットとは
健康経営銘柄に選ばれるメリットとして、「労働者の健康改善による長期的な企業成長」と「社会的な企業のイメージアップ」が挙げられます。
具体的には、健康経営を通して労働者が心身ともに健康で働き続けやすい職場づくりを行なうことで、労働者の休職率や離職率の低下、定着率の向上が期待できます。
それと同時に、労働者間のコミュニケーションの促進や業務の効率化により、一人ひとりの生産性が向上するため、企業業績も上がっていくでしょう。
また、健康経営銘柄は限られた企業のみが選定されるため、労働者の健康保持や増進に積極的な企業として企業ブランドが向上します。その結果、投資家や取引先からの信用度が高くなったり、株価が上昇したりするため、自然と優秀な人材が集まりやすくなり、さらなる企業成長につながります。
このように健康経営銘柄に選ばれることで、自社の魅力をより多くの方に伝えることができるようになるのです。
健康経営優良法人との違い
健康経営に関する顕彰制度には、「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」があります。これらの制度の目的は、健康経営に取り組む優秀な企業を見える化し、社会的な評価を受けられる環境を整えることです。
ここでは、健康経営銘柄と健康経営優良法人の違いについて解説します。なお、健康経営が注目されている背景や健康経営に取り組むメリット、健康経営優良法人に関する内容は下記の関連記事をご確認ください。
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健康経営とは?注目されている背景や導入のメリットを解説!健康経営優良法人とは?メリットや認定フローをわかりやすく解説申請できる企業
健康経営銘柄は、東京証券取引所の上場企業のみが申請できます。一方の健康経営優良法人は、申請できる企業に制限はありません。
認定・選定機関
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定を行ないます。健康経営優良法人の認定や選定を行なうのは日本健康会議です。日本健康会議とは、健康寿命の延伸と医療費の適正化について、自治体などの行政と経済団体などの民間組織が連携して実効的な活動を行なう団体のことです。
認定・選定プロセス
健康経営銘柄2024のプロセスは以下のとおりです。
- 健康経営度調査の実施
- 回答結果をもとに、健康経営度が上位500位以内で、健康経営優良法人(大規模法人部門)に申請、かつ、選定要件を満たしている企業を候補として選出
- 財務指標スクリーニングや調査回答に基づく加点等の実施
- 健康経営銘柄として認定し公表
一方、健康経営優良法人のプロセスは以下のとおりです。なお、大規模法人部門と中小規模法人部門では、選定までのプロセスが少し異なります。
- 健康経営度調査の実施
- 回答結果をもとに、認定委員会にて審議
- 健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定
- 加入している保険者(協会けんぽの各都道府県支部、健康保険組合連合会の各都道府県連合会、国保組合など)が実施している健康宣言事業に参加
- 健康経営優良法人認定申請書へ自社の取り組み状況を記載して申請
- 回答結果をもとに、認定委員会にて審議
- 健康経営優良法人(中小規模法人部門)に認定
健康経営銘柄の選定基準
健康経営銘柄2024の選定は、「令和5年度健康経営度調査」の回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)の申請法人の上位500位以内の上場企業から行なわれます。原則として、1業種1社を選定しますが、一定の基準を満たしていれば1業種から2社以上選定することもあります。
おもな選定基準は次のとおりです。
重大な法令違反等がない
労働安全衛生法や労働基準法にかかわる法令違反をはじめ、健康経営銘柄認定のために健康経営度調査で虚偽の記載を行なうことなどが挙げられます。認定後に明らかになった場合は、認定が取り消しとなります。
健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である
健康経営度調査票の回答をもとに、健康経営度が上位500位以内でなければなりません。なお、東京証券取引所の上場企業のうちTOKYO PRO Market上場会社は対象外とされています。
ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業で、ROEが高い企業には一定の加点を行なう
ROEとは、投資家が出資したお金をもとに、企業がどれだけの利益を上げたかを測る数値のことで、ROEの数値が高いほど利益を効率的に上げている企業といわれています。
出典:「健康経営銘柄2024」に53社を選定しました!|経済産業省
健康経営銘柄に選ばれた企業の取り組み事例
令和5年度における健康経営度調査の回答企業数は3,523社(法人)で、前年度より354社(法人)増加しています。そのうち、健康経営銘柄の選定対象となる上場企業数は1203社です。ここでは、健康経営2024に選ばれた5つの企業と取り組みを紹介します。
健康経営銘柄2024に選ばれた企業
令和6年3月11日、経済産業省は東京証券取引所と共同で選定した健康経営銘柄を発表しました。第10回目となる健康経営銘柄2024では、27業種から53社が選定され、そのうち初選定が16社、10回連続選定された企業が1社です。
株式会社ヤクルト本社
「ヤクルトは『人々の健康に貢献する』という理念の実現には従業員の健康が不可欠であるとの認識に立ち、従業員の心身の健康保持・増進および安全・安心な職場環境づくりに努めます」という健康宣言を基軸に、さまざまな取り組みを推進しています。
2018年から7年連続で、健康経営優良法人(ホワイト500)に認定されており、今回、健康経営銘柄に初選定されました。
心身のリフレッシュによる業務生産性の向上を目的とした「ヤクルトストレッチ」の実施や、女性のがん検診受診促進による受診率の着実な向上、男性の育休取得促進や年次有給休暇取得促進による従業員のモチベーションの向上など、健康でいきいきと働き続ける職場環境を整えています。
大王製紙株式会社
大王製紙株式会社は、「やめることから開始する」をテーマに働き方改革を実施しています。そして、会社・健康保険組合・労働組合の三者が協力して、「社員がいきいきと活躍できる健康経営」に取り組み、健全かつ持続的に成長し続ける企業グループを目指しています。
特に、「疾病の早期発見と治療」、「生活習慣改善」、「ライフ・ワークバランスの推進」に注力し、健全な心身の基盤となる「ワーク」と「ライフ」の両立を実践するため、働き方改革の推進や心理的安全性のある職場づくりなどに取り組んでいます。
2018年から7年連続で健康経営優良法人(ホワイト500)に選定されており、健康経営銘柄への選定は3度目です。
日本航空株式会社
健康経営銘柄へ6度目の選定となった日本航空株式会社は、「全社員の物心両面の幸福を追求し、お客様に最高のサービスを提供する」ことを企業理念とし、従業員・会社・健保が一体となって健康づくりに取り組む「JAL Wellness」を実践しています。
日本航空株式会社では、安全・安心な職場環境のもと、従業員と家族が健康で、多様な人財が一人ひとりの個性を存分に発揮して活躍できることを目指し、さまざまな産業保健スタッフが各所で連携して継続した健康推進活動を行なっています。
また、職場単位でWellnessリーダーを配置し、健康増進活動を自主的かつ継続的に企画・実施していることも特徴です。
大日本印刷株式会社
大日本印刷株式会社では、価値創出の健康経営を実践することで、グループが掲げる人的資本ポリシーや健康宣言の具現化を図り、従業員の幸福度向上による企業価値の向上を目指しています。
取り組みの一つとして、活力のある職場風土づくりや組織・チーム力の強化に向けてエンゲージメントサーベイを導入することで数値化・可視化を図っています。
加えて、挑戦する文化を作り上げるための活動や施策を評価し、称賛するための「ヘルスウェルビーイング表彰(ホワイト部門)」や「こころの資本」「心理的安全性」を高めるためのミーティングや各種研修などの取り組みを推進しています。
今回、健康経営銘柄に初めて選定され、健康経営優良法人(ホワイト500)に4年連続で選定されました。
野村不動産ホールディングス株式会社
野村不動産ホールディングス株式会社は、「企業が事業を継続し持続的に成長していくためには、社員の心身の健康と安全が不可欠である」と認識し、「活き活きと働く、ウェルネスの実現」の行動指針のもと、人財を基盤とするウェルネス経営を推進しています。
野村不動産グループでは、毎年、全従業員対象のアンケートを実施し分析を行なうとともに、生産性と相関のみられるヘルスリテラシーの向上施策として独自のe-learningや全女性従業員・管理職を対象に産婦人科医師によるセミナーなどを実施しています。
5年連続で健康経営優良法人(ホワイト500)に選定されていましたが、上記のような幅広い取り組みが評価され、今回、健康経営銘柄に初選定されました。
リモート産業保健による相談窓口サービスがおすすめ
健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定取得は、健康経営の取り組みについて社内外から評価を得られる貴重な機会であるため、重要な企業戦略の一つであり、永続的な企業成長を目指すうえでメリットが大きいといえるでしょう。
しかし、健康経営の取り組みは企業の特徴や課題に応じて行なう必要があるため、一筋縄でいかないことが多く、自社だけでは対応困難なケースが数多くあります。そこで、リモート産業保健の「健康経営優良法人認定取得支援サービス」の活用がおすすめです。
- 健康経営に取り組みたいけれど、コストをかけられない
- 具体的に何から始めたら良いかがわからない
- 健康経営優良法人に選ばれた企業がどのような取り組みを行なっているのかを知りたい
リモート産業保健を運営する株式会社エス・エム・エスは、今年度も健康経営優良法人に認定されており、そのノウハウを活かした健康経営サービスを企業様へ提供しております。下記リンクをご確認いただき、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
健康経営銘柄に認定される企業は、労働者の健康と安全を確保しながら中長期的な成長が期待できる企業として、投資家や取引先、求職者やその家族、労働者など社会全体から評価を受けられます。
労働力不足や高齢化社会、感染症の流行など、さまざまな問題に直面している現代社会において、健康経営銘柄を取得するメリットは大きいといえるでしょう。
東京証券取引所の上場企業であり、健康経営に取り組んでいる企業は、健康経営銘柄の取得を積極的に進めることをおすすめします。
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