産業医やストレスチェックの費用を少しでも抑えたいと調べても、検索結果に廃止前の古い情報が混じっていて、今使える助成金がどれなのか判断しにくいと感じていませんか。
結論から言うと、小規模事業場産業医活動助成金など産業保健関係の助成金は廃止されており、現行の助成金は団体経由産業保健活動推進助成金です。
ただ、制度の名前が分かっても迷いやすい点があります。1つは、受付の期限です。現行の団体経由産業保健活動推進助成金には申請期間が設定されていて、令和8年度の受付はすでに終了しています。もう1つは、対象の規模です。ストレスチェックの助成には、対象となる事業場の規模に条件があり、労働者数50人未満の事業場に限られます。
この記事では、廃止された制度と現行制度の違いを、受付の状況や助成の内容とあわせてご紹介します。制度名から探したい方は、廃止された制度と現行制度を並べた早見表から読むと、自社に使える制度かどうかをつかみやすくなります。
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この記事でわかること
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【1】廃止された産業保健関係の助成金と、現行の助成金の違い -
【2】団体経由産業保健活動推進助成金の対象となる団体・事業場と助成の内容 -
【3】令和8年度の受付状況と、ストレスチェックの助成の対象となる事業場の規模 -
【4】助成金が使えないときの、地域産業保健センターなどの選択肢
産業医の助成金は、小規模事業場産業医活動助成金などが廃止され、現行は団体経由の制度になっている
小規模事業場産業医活動助成金など産業保健関係の助成金は廃止されており、現行の助成金は、団体を通じて申請する団体経由産業保健活動推進助成金です。廃止は令和5年1月28日に公表されました。
廃止された助成金には、小規模事業場産業医活動助成金、ストレスチェック助成金、職場環境改善計画助成金、心の健康づくり計画助成金があります。古い記事や案内に載っている条件や金額は、すでに使えない制度のものかもしれません。制度が今も実施されているかどうかを、先に押さえておくと、古い情報に振り回されずに済みます。
現行の制度は、中小企業や労働保険の特別加入者を支援する団体等が、傘下の中小企業等に産業保健サービスを提供した費用の一部について、助成を受ける仕組みです。助成を申請するのは団体で、傘下の事業場は、その団体を通じて対象になります。
廃止された助成金と現行の助成金の違いを、次の図にまとめました。

(図:廃止された助成金と現行の助成金)
(編集部作成)
左の列が廃止された助成金、右の列が現行の助成金で、現行の制度では、団体等が産業保健サービスの費用の一部について助成を受ける形になっていることが読み取れます。
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廃止された産業保健関係助成金と現行制度の早見表
制度の名前から自社で使えるかどうかを調べたい方に向けて、廃止された助成金と現行の助成金の状況を、一覧にまとめました。名前の似た制度が並んでいても、現在の状況が違うため、表で1行ずつ見比べると違いがつかめます。
| 制度名 | 現在の状況 |
|---|---|
| 小規模事業場産業医活動助成金 | 廃止(令和5年1月28日公表) |
| ストレスチェック助成金 | 廃止(令和5年1月28日公表) |
| 職場環境改善計画助成金 | 廃止(令和5年1月28日公表) |
| 心の健康づくり計画助成金 | 廃止(令和5年1月28日公表) |
| 団体経由産業保健活動推進助成金 | 現行の助成金。令和8年度の受付は令和8年7月10日(金)に終了 |
参考:産業保健関係助成金のご案内(愛知産業保健総合支援センター)、団体経由産業保健活動推進助成金 受付状況のお知らせ(労働者健康安全機構)
団体経由産業保健活動推進助成金とは
現在実施されている助成制度は、団体経由産業保健活動推進助成金です。中小企業や労働保険の特別加入者を支援する団体等が、傘下の中小企業等のために産業保健サービスを提供する事業者などと契約し、その費用の一部について助成を受けます。
産業医の助成の考え方は、産業医の助成を50人未満の事業場向けに解説した記事で詳しく解説しています。
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産業医の小規模事業場産業医活動助成金とは?50人未満の事業場必見!【令和3年度版】
助成を申請できる団体と、助成の対象となる事業場の条件
助成を申請できるのは、事業主団体等と労災保険の特別加入団体です。こうした団体を通じて助成の対象になる点が、自社に当てはめて考えるときの出発点になります。自社がどの団体に加わっているかを思い浮かべながら読むと、条件を当てはめやすくなります。
団体と事業場の条件は、次のとおりです。
令和8年度の手引には、これらの条件が示されています。自社が加入している団体があるときは、その団体が助成の申請をしているかどうかを、団体の窓口に問い合わせると、確認できます。
対象となるサービスと助成の内容
令和8年度の対象サービスは8種類で、助成の額は、助成率、1人あたりや1者あたりの上限額、団体等ごとやサービスごとの上限額で決まります。産業医の費用を助成の対象にしたい方は、まずどのサービスが対象かを見ておくと、自社の使い道を考えやすくなります。
令和8年度の手引が定める対象サービスは、次の8種類です。
産業医の活動に関わるのは、治療と仕事の両立支援です。主治医や両立支援コーディネーターなどとともに、産業医や保健師等の産業保健スタッフによる、個別の労働者を対象とした両立支援が示されています。一方で、産業医の選任や顧問契約そのものを挙げた項目は、8種類の中にありません。産業医の報酬がそのまま助成の対象になるかどうかは、この8種類からは判断できません。
助成率は、助成対象経費の10分の9です。傘下の構成事業主に参加費等の費用負担を求める場合は、その負担額によって助成金額が変わります。
1人あたりや1者あたりの上限額は次のとおりです。
このほかに、団体等ごとの全体の上限額と、サービスごとの上限額があります。
| 区分 | 上限額 | 都道府県事業主団体の場合 |
|---|---|---|
| 1団体等あたり(全体) | 500万円 | 1000万円 |
| ストレスチェック・医師意見聴取・保健指導・医師面接指導(それぞれ) | 60万円 | 120万円 |
| 健康相談・研修教育、周知啓発(それぞれ) | 20万円 | 40万円 |
| 治療と仕事の両立支援・職場環境改善(それぞれ) | 130万円 | 260万円 |
実際に自社の費用がどのサービスに当てはまるかは、団体の窓口や労働者健康安全機構に問い合わせて確認する方法があります。
ストレスチェックの助成の対象となる事業場の規模
現行の制度でストレスチェックが助成の対象になるのは、労働者数50人未満の事業場に限られます。ストレスチェックの実施についても、集団分析についても、同じ規模の条件が付いています。
かつてのストレスチェック助成金を知っている方は、名前が似ていても、現行の制度の条件で確かめる必要があります。労働者数が50人以上の事業場は、この助成の対象にあたりません。
令和8年度の受付状況
令和8年度の団体経由産業保健活動推進助成金は、申請の受付がすでに終了しています。いま申請できるかどうかに直結する点です。令和8年6月10日に始まった受付は、予算の上限に達したため同年7月10日(金)に終わっています。
受付の流れは、次のとおりです。
手引には、締切の前に予算の上限に達した場合は、その時点で受付を終了すると書かれており、期間の途中でも受付が終わることがあります。次年度以降の受付の最新の状況は、労働者健康安全機構の助成金案内ページを見ると分かります。
ストレスチェック助成金などの産業保健関係助成金は廃止されている
廃止された制度の名前で探している方も多いかもしれません。ストレスチェック助成金などの産業保健関係の助成金は、すでに廃止されています。名前だけを手がかりに探していると、今は使えない制度の情報にたどり着くことがあります。
小規模事業場産業医活動助成金は廃止された制度である
小規模事業場産業医活動助成金は、廃止された制度です。廃止は、令和5年1月28日に公表されました。産業医の活動に関わる助成として名前を目にすることがあっても、現在は申請できる制度ではありません。
産業医の費用に使える助成を探している場合は、現行の団体経由産業保健活動推進助成金が手がかりになります。令和8年度の対象サービスは8種類あり、産業医の活動に関わるのは治療と仕事の両立支援です。産業医の選任や顧問契約そのものを挙げた項目はないため、自社の費用が対象になるかどうかは、団体の窓口に相談する方法があります。
ストレスチェック助成金は廃止された制度である
ストレスチェック助成金は、廃止された制度です。ストレスチェックの助成を詳しく知りたい方は、ストレスチェックの助成金の受け方の記事で詳しく解説しています。
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ストレスチェックの助成金は今も使える?対象・金額・申請の流れを解説
職場環境改善計画助成金と心の健康づくり計画助成金は廃止された制度である
職場環境改善計画助成金と心の健康づくり計画助成金は、どちらも廃止された制度です。名前が似ていたり、古い記事で見かけたりしても、現在は申請できる制度ではありません。
職場環境改善計画助成金は、令和5年1月28日に廃止が公表されました。
心の健康づくり計画助成金も、同じく令和5年1月28日に廃止が公表されています。
労働者数50人未満の事業場が使える地域産業保健センターの支援
助成金が使えない場合でも、相談できる公的な窓口があります。労働者数50人未満の事業場は、地域産業保健センターで、長時間労働者や高ストレス者に対する医師の面接指導等の産業保健サービスを無料で受けられます。
地域産業保健センターは、全国350か所に設置されています。対象は、労働者数50人未満の小規模事業場です。長時間労働者や高ストレス者に対する、医師の面接指導等の産業保健サービスが、無料で提供されています。厚生労働省が案内している窓口です。
産業医の費用や、従業員の面接指導の対応に悩んでいても、費用の負担が気になって動き出せないことがあるかもしれません。無料で使える窓口を知っておくと、体制を考えるときの選択肢が増えます。
相談できる内容や使い方は、地域産業保健センターへの相談方法の記事で詳しく解説しています。
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産業医の費用を抑えたい企業に向けたリモート産業保健
助成金が使えるかどうかにかかわらず、産業医の費用の見通しを立てたい企業もあります。地域の産業医との契約や自社での採用で足りている企業もありますが、負担が重いときの選択肢の1つとして、リモート産業保健があります。
リモート産業保健は、産業医と産業看護職の2名体制で、産業医面談、ストレスチェック、衛生委員会の支援に対応するサービスです。産業医の費用の見通しを立てたいときの比較対象にできます。
産業医の費用の考え方は、産業医への報酬の目安を解説した記事で詳しく解説しています。
産業医と産業看護職の2名体制による支援で、産業医面談はもちろん、「ストレスチェック」や「衛生委員会の支援」など、人事労務担当者様の産業保健業務の負荷を軽減し、従業員の健康をサポートします。産業医の選任・交代をご検討の方にもおすすめの1冊です。
産業医の助成金についてよくある質問
産業医の助成金を調べていると、廃止された制度と現行の制度の区別、申請できる団体、ストレスチェックの助成の対象で迷う場合があります。それぞれの疑問に、結論から答えます。
- Q,産業医の助成金は現在も申請できますか?
- A
小規模事業場産業医活動助成金など産業保健関係の助成金は廃止されています。現行の団体経由産業保健活動推進助成金も、令和8年度の受付は令和8年7月10日(金)に終了しています。
最新の受付状況は、労働者健康安全機構の助成金案内ページを見ると分かります。
- Q,団体経由産業保健活動推進助成金は、どのような団体が申請しますか?
- A
助成を申請するのは、事業主団体等と労災保険の特別加入団体です。団体を通じて助成の対象になります。
助成の対象となる構成事業主(団体に加わっている事業主)は、労働者を雇用する事業主です。
- Q,従業員50人以上の企業もストレスチェックの助成を受けられますか?
- A
現行の制度でストレスチェックが助成の対象になるのは、労働者数50人未満の事業場に限られます。
労働者数が50人以上の事業場は対象にあたりません。
まとめ
ここまでの要点は、次の3つです。
- 小規模事業場産業医活動助成金など産業保健関係の助成金は、令和5年1月28日に廃止が公表されました。
- 現行の助成金は、団体を通じて申請する団体経由産業保健活動推進助成金です。令和8年度の受付は、予算上限に達したため令和8年7月10日(金)に終了しました。ストレスチェックの助成の対象は、労働者数50人未満の事業場に限られます。
- 助成金が使えないときは、労働者数50人未満の事業場なら、地域産業保健センターで、長時間労働者や高ストレス者に対する医師の面接指導等を無料で受けられます。産業医の体制を整える方法の1つとして、リモート産業保健もあります。
最新の受付状況は、労働者健康安全機構の助成金案内ページを見ると分かります。産業医の費用や体制づくりを具体的に検討したいときは、リモート産業保健のサービス資料で、支援の内容を見てみるのも一案です。



