モチベーションマネジメントの方法とは?やる気をコントロールして生産性を高めよう

モチベーションマネジメントの方法とは?_イメージ

モチベーションマネジメントとは?

モチベーションとは「動機づけ」や「やる気」の意味を持ちます。仕事においてモチベーションが高い状態とは、労働者が「やる気」を持って、自発的に業務を遂行している状態にあることです。

つまり、「モチベーションマネジメント」とは、労働者の仕事に対する意識を高め、自発的に行動するようにマネジメントすることを意味します。

なお、モチベーションは「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類に分けられます。

内発的動機づけとは

「内発的動機づけ」とは、労働者の興味・関心から生まれる意欲のことです。

企業から受ける評価や報酬といった外からの働きかけによるものではなく、自発的に生じたモチベーションが内発的動機づけにあたります。自身の内側に動機があるため、その気持ちや行動が継続しやすいのが特徴です。

外発的動機づけとは

「外発的動機づけ」とは、評価・報酬のような外的要因から生まれる意欲を意味します。

報酬や昇格、評価など、外的要因の内容は人によってさまざまです。外発的動機づけには、短期間で相手の行動を変えられるだけの威力がありますが、評価や報酬を得た途端にモチベーションが落ちてしまうこともあり、効果が長続きしにくいという特徴があります。

モチベーションマネジメントが重要である理由

近年、少子高齢化の影響で、あらゆる業界において人材不足が深刻化しています。このまま何も手を打たなければ、企業の採用難は今後ますます悪化していくでしょう。

したがって企業には、労働者一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えるとともに、内発的動機づけと外発的動機づけの両面を意識することが求められます。

労働者のモチベーションを高める取り組みを積極的に行なうことは、生産性の向上や離職率の低下だけでなく、優秀な人材の確保にもつながるでしょう。

労働者のモチベーションが低下するおもな理由

労働者のモチベーションを高める取り組みを進めるには、まずモチベーションが低下する理由を知っておく必要があります。ここでは、5つの理由について解説します。

業務量が多くて余裕がないから

与えられた業務量が多すぎることで、満足に休憩を取れなかったり、何日も残業が続いたりすると、労働者のモチベーションはどんどん低下していきます。業務量が多すぎて労働者がキャパオーバーになると、心身ともに疲弊してミスが多発するといった事態にもなりかねません。

なかには本人の力量不足で業務をこなせない方もいますが、その場合にも、管理職が適切な業務量・業務内容に調整する必要があります。

職場環境に不満があるから

近年は、求職者が仕事を選択する際に、福利厚生や職場環境を重視する傾向にあります。実際に働き始めてからも、社内設備が使いにくい、福利厚生の内容が物足りないなどの不満があると、労働者のモチベーションは低下します。

また、社内設備の不備は、モチベーションの低下をもたらすだけでなく、仕事の効率にも悪影響をおよぼす可能性があるので、企業として配慮すべきポイントといえるでしょう。

目標設定が適切でないから

企業が労働者に対して設定した目標が適切でないことも、モチベーション低下の要因です。目標設定が高すぎると、取り組む前に目標達成を諦めてしまったり、弱気になったりして、労働者はモチベーションを保てなくなります。

企業が求めるものや評価の軸、労働者が求めるものを擦り合わせて、モチベーションを高めながら効率的に仕事を遂行できる適切な目標設定をすることが大切です。

頑張りが評価されないから

最初のうちは仕事に対して意欲的で、結果を残すために努力できていても、それが人事評価に反映されなければ、労働者のモチベーションは下がる一方になるでしょう。

なかでも、業務による貢献が数値で表せない部署では、正当な評価を受けにくくなります。そのため、昇進・昇格や給与の向上などで、企業が適切な評価を示すことが重要です。

適切な評価が行なわれていないとなると、労働者のなかから「頑張っても頑張らなくても同じだから」と手を抜く者や、評価されない不満から離職してしまう者が出てくる恐れもあります。

仕事のやりがいがないから

仕事にやりがいを求める労働者は多いため、無理なくできる仕事内容であっても、自分にとってやりがいを感じられなければ、モチベーションは低下していきます。単調でマンネリ化しやすく、スキルアップにつながらない仕事を続けていると、モチベーションを維持することは難しいでしょう。

また、仕事内容だけでなく、やりがいのある仕事をするために必要なポジションを与えられず、やる気を削がれてしまう場合もあります。

企業として、労働者にその業務の重要性を伝えたり、必要に応じて仕事内容や環境を調整したりすることが重要です。

意欲が高まる!モチベーションマネジメントの方法

ここでは、労働者の意欲が高まるモチベーションマネジメントの方法について、具体例を用いて解説します。

現状を適切に把握する

まずは、職場の環境や現状を正しく把握するために、モチベーションサーベイや従業員満足度調査(ES調査)を活用してみましょう。

結果を集計・分析して、従業員のモチベーションを可視化することで、企業全体や部門ごとの課題部分を洗い出します。そして、把握できた課題に優先順位を付け、それぞれについての具体的な対応策を検討します。

コミュニケーションの場を作る

モチベーションサーベイや従業員満足度調査(ES調査)で全体的な課題を把握したあとは、従業員一人ひとりのモチベーションの程度を知る必要があります。そのためには、1on1ミーティングやチームミーティングを行なうのが有効です。

「1on1ミーティング」とは、上司と部下とで行なう1対1のミーティングのことを指します。お互いに向き合ってじっくり話ができる場を用意することで、モチベーションが低下している従業員を早期発見することも可能です。

明確な目標を立てる

従業員ごと、チームごとに目標を設定することで、進むべき方向性が明確になり、仕事に対するモチベーションを高めることができます。このとき、難しすぎる目標を立てるとかえってモチベーションを下げてしまうため、注意しましょう。

目標を明確にするために、目標管理制度(MBO)を活用するのも一つの方法です。企業の経営目標や部門目標を、従業員の個別の目標と連動させることにより、自身の取り組みや仕事内容の企業への貢献度が見えやすくなります。

人材配置を見直す

従業員の能力や企業としてのニーズを考慮し、適切な位置に人材を配置することで、従業員はやりがいを持って業務に取り組めるようになります。自身のスキルを活かせる場で働くことは、従業員のさらなるスキルアップや生産性の向上につながるでしょう。

ただし、配置については、人事部の意見のみで決めるのではなく、従業員本人や現場関係者の意見も聞き取って決めることが大切です。

評価制度を整備する

社内に評価制度を整備することは、外発的動機づけを促すうえで重要な役割を果たします。例えば、成果を出した者を表彰したり、従業員同士で感謝や評価のメッセージを送りあったりするのが効果的です。

評価制度という外発的動機づけをすることで、仕事の成果が見えにくい部署や仕事内容であっても、成果や評価を可視化できます。

評価制度を見直した場合は、企業の方針を従業員に対して周知し、評価の軸やプロセスを明確にすることが大切です。そして、成果をあげた従業員をしっかりと評価できるよう、適切に制度を管理・運営していく必要があります。

職場環境を改善する

職場環境の悪化は、従業員個人のモチベーションのみならず、組織としての業務効率も低下させる大きな要因になります。モチベーションサーベイや1on1ミーティングなどをとおして、職場環境に対する課題が見つかった場合は、迅速に対応しましょう。

具体例としては、古すぎる設備を新しくする、休暇制度を拡充する、テレワークを選択できるようにするといった施策が挙げられます。

ただし、改善を行なう際には、ただ設備や制度を整備するのではなく、従業員のニーズをくみ取ったうえで実行することが重要です。従業員に対してヒアリングを行ない、優先順位が高いことから整備を行なうようにしましょう。

モチベーション研修を実施する

研修を実施して、従業員にモチベーションをコントロールする手法を学習させることも、モチベーションマネジメントの方法としておすすめです。

同じ環境や仕事に長く従事していると、モチベーションを高めたり持続したりすることが難しくなります。そのような場合でも、研修でモチベーションをコントロールする術を体系的に学ぶことで、モチベーションを下げることなく業務に取り組めるようになります。

また、モチベーションが低下している部下への声かけやアプローチの仕方などを学べる研修もあるため、上司がモチベーション研修を受けるのも効果的です。

まとめ

この記事では、モチベーションマネジメントの基本の考え方や、自社の従業員のやりがいをアップさせる具体的な取り組みなどについて解説しました。

労働者のモチベーションを維持・向上させるための取り組みとして重要なのが、「モチベーションマネジメント」です。労働者のモチベーションが上がれば、生産性が高まったり、企業イメージが向上したりします。さらには、労働者の定着や優秀な人材の確保も期待できるでしょう。

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