衛生管理者試験とは?
そもそも衛生管理者とは、労働者の心身の健康が害されることのないよう、安全衛生の管理や健康障害の防止を担う役職のことです。常時50人以上の労働者を使用している場合、事業場は衛生管理者を選任しなくてはなりません。
なお、衛生管理者には「第一種」と「第二種」の2種類があり、企業は事業場の業種に合わせて衛生管理者を選任する必要があります。第一種衛生管理者はすべての業種の事業場で選任が可能で、第二種衛生管理者は有害業務と関連の少ない業種(情報通信業、金融業、保険業、小売業など)で選任できます。
衛生管理者試験は月に1~7回開催されていますが、各地域の安全衛生技術センターによって開催日や回数は異なるため注意が必要です。出張試験も実施されており、都道府県ごとに試験を受けることが可能であるため、試験日と合わせて確認しておきましょう。
試験範囲は大きく分けて以下の3つです。
- 労働衛生
- 関係法令
- 労働生理
試験内容は第一種と第二種で異なります。また、すでに第二種の免許を持っている方は、試験科目が一部免除されます。
試験内容についての詳細は、安全衛生技術試験協会のホームページを確認しましょう。
弊社の従業員が実際に一発合格した際の体験談をもとに、衛生管理者の役割や学習方法などをお役立ち資料にまとめました。このガイドブックでは衛生管理者の役割や学習方法から、合格後の実務までを本書にまとめています。ぜひ試験勉強前の参考情報として本書をダウンロードし、ご活用ください。
衛生管理者試験の合格発表はいつ?何時頃発表される?
衛生管理者試験の結果発表は、試験の7日後が目安です。試験日に正式な合格発表日の案内があるため、受験会場で確認しておきましょう。
衛生管理者試験の結果は、自宅に郵送される「免許試験合格通知書」もしくは「免許試験結果通知書」で確認できます。
結果発表当日にすぐ確認したい場合は、各安全衛生技術センターにある掲示板かホームページで発表を見るとよいでしょう。詳しい確認方法は後述します。
結果が発表される時間は、合格発表日の9時30分です。電話で結果を確認することはできないため、注意が必要です。なお合格の場合、詳細な点数の公表はありません。
衛生管理者試験|合否の確認方法
ここからは、衛生管理者試験の合否を確認する3つの方法を紹介します。
衛生管理者試験の合否の確認方法(1)安全衛生技術センターのホームページを確認する
試験結果発表日の9時30分に、各安全衛生技術センターのホームページで結果が発表されます。ただし、携帯電話やスマートフォンではページがすべて表示されないことがあるようです。ホームページで確認する場合は、できるだけパソコンを使用しましょう。
なお、出張試験の場合は、実施場所を管轄する安全衛生技術センターのホームページに掲載されます。各地の安全衛生技術センターは以下の7箇所です。
- 北海道安全衛生技術センター
- 東北安全衛生技術センター
- 関東安全衛生技術センター
- 中部安全衛生技術センター
- 近畿安全衛生技術センター
- 中国四国安全衛生技術センター
- 九州安全衛生技術センター
各センターのホームページには、安全衛生技術試験協会のサイトからアクセス可能です。試験結果は、各センターのホームページの「最新の合格者」から確認できます。
ただし、ホームページで合否を確認できたとしても、念のためこのあと説明する郵送通知での確認も併せて行なうようにしましょう。
衛生管理者試験の合否の確認方法(2)安全衛生技術センターの掲示板を確認する
試験の結果発表日に、各安全衛生技術センターの掲示板に合格者の受験番号が掲示されるため、そこでも確認可能です。安全衛生技術センターの近辺に住んでいる場合には、この方法で合否を確認してもよいでしょう。
衛生管理者試験の合否の確認方法(3)郵送による通知で確認する
合格の場合は「免許試験合格通知書」、それ以外の場合は「免許試験結果通知書」が本人宛に郵送で届きます。前述した2つの方法のいずれかで確認していても、通知書は必ず見るようにしましょう。
結果発表日を10日以上過ぎているのに通知書が届かない場合は、安全衛生技術センターに問い合わせをしてください。のちほど詳しく紹介しますが、免許申請時に通知書の原本が必要になるため、自宅に届いた通知書はなくさないように注意しましょう。
衛生管理者試験|合格後の手続き・免許申請に関するよくあるQ&A
衛生管理者試験に合格しても、所定の手続きをしなければ免許は発行されません。申請にあたっては、指定の書類などを準備する必要があります。
スムーズに手続きを行なうために、事前に内容を確認しておきましょう。ここでは、合格後の手続きと免許申請に関する、よくある疑問をQ&A方式で解説します。
免許申請に期限はある?
免許申請の期限はありませんが、合格通知書などをなくすと申請できなくなる可能性があるため、合格したら早めに免許申請をするのが望ましいでしょう。
また、免許証が手元にない段階で、衛生管理者として活動するのはおすすめできません。本当の意味で衛生管理者になれるのは、免許が交付されたあとです。
常時50人以上の労働者がいる事業場では衛生管理者の選任が義務で、選任期限もあるため、慌てて申請することがないようにしておきましょう。
なお、免許試験合格通知を紛失した場合は、試験を受けた安全衛生技術センターに再交付を申請する必要があります。
免許申請から免許交付までにどれくらいかかる?
申請書類に不備などがなければ、通常1ヵ月以内に免許が交付されます。ただし、免許申請が多い時期は、免許交付までに時間がかかる場合もあります。
なお、企業で衛生管理者として活動したり、就職・転職などで履歴書に記載したりするのは、免許証が交付されてからにすべきでしょう。したがって、免許の申請は速やかに行なうことをおすすめします。
免許申請には何の書類が必要?
免許申請の際には、合格通知書のほかに準備する書類があります。免許申請で必要な書類は以下のとおりです。
免許試験合格通知書(原本)
合格通知書は、「コピー」ではなく「原本」を提出しなければなりません。申請前に紛失しないように注意しましょう。
免許申請書(裏面に収入印紙1,500円分を貼付)
収入印紙は郵便局、コンビニ、法務局などで購入できます。必ず日本政府発行の収入印紙を購入し、免許申請書(後述)の裏面に貼付します。
免許証用写真
6ヵ月以内に撮影したもので、横24mm、縦30mm(ふちなし)の運転免許証サイズです。帽子は被らず、正面から撮影します。背景は無地で撮影し、暗くなりすぎないように注意しましょう。
返信用封筒(免許証送付用)
専用の返信用封筒は、都道府県労働局、労働基準監督署、各安全衛生技術センターで配布している茶色の窓空き封筒です。免許発行時に住所・氏名が印字されるため、住所などの記載は必要ありません。
なお、任意の封筒での代用も可能です。その際は、任意の封筒に郵便番号、住所、氏名を記入します。
404円分の切手(免許証送付用)
郵送料と簡易書留料金分の切手を返信用封筒に貼付します。
本人確認証明書
「申請者氏名」「生年月日」「住所」の欄に記入した内容を証明できる、本人確認証明書を添付します。本人確認証明書とは、住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)や運転免許証、在留カードなどの公的な書面のコピーのことです。
なお、本人写真がない証明書を提出する際には、原則2つの本人確認証明書を提出する必要があります。
すでに衛生管理者以外の労働安全衛生法関連の免許証を持っている場合は、その免許証と今回の衛生管理者の免許を合わせて新しい免許証が交付されます。その際には、すでに所持している免許証の提出も必要です。
詳しくは、厚生労働省の「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」を確認しておくとよいでしょう。提出後の不備や提出書類の不足などの防止になるチェックリストがあるため、活用をおすすめします。
免許申請書はどこで入手できる?
免許申請書は、厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。そのほか、都道府県労働局、各労働基準監督署および各安全衛生技術センターでも入手できます。
かかる時間や労力を考えると、ダウンロードして入手するのがおすすめです。書類の書き直しが発生しても、ダウンロードしておけばいつでも印刷できます。衛生管理者試験に合格したら、速やかに免許申請書を準備しましょう。
免許申請書の提出先は?
免許申請書は、どの地域の方も東京労働局免許証発行センター宛に、郵送で提出します。窓口はないため、申請書を直接持参することはできません。なお、普通郵便ではなく簡易書留で郵送しましょう。
申請先の住所は以下のとおりです。
〒108ー0014
東京都港区芝 5ー35ー2 安全衛生総合会館2階
免許証の電子申請はできる?
免許証の電子申請は、e-Gov(デジタル庁が運営する行政ポータルサイト)を使用すれば可能です。令和3年10月からは電子署名も不要になったため、手続きがより簡単になっています。
ただし、免許証用の写真や添付書類については、封筒に赤字で「電子申請」と記入して郵送する必要があるため、注意が必要です。
郵送時は、e-Gov内の添付書類の情報入力時に「別送」を選択し、「手数料納付期限のお知らせ」が表示されているページを印刷して同封するのを忘れないようにしましょう。
詳しくは、「電子申請による免許申請について」、「e-Gov電子申請」を確認してください。
衛生管理者の免許更新は必要?
衛生管理者の免許については、更新手続きは不要です。一度取得すれば、面倒な更新をすることなく一生使えるため、合格後は早めに免許申請をしましょう。
ただし、紛失・損傷のほか、記載事項の変更による再交付を希望する場合は、申請が必要です。
「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」にある「免許証再交付申請書」に必要事項を記載し、以下のどちらかに郵送または本人持参をします。
- 申請者の住所地を管轄する都道府県労働局の健康安全主務課
- 直近の免許証の交付を受けた都道府県労働局の健康安全主務課
なお、免許証の紛失または損傷で記載内容が確認できない場合には、本人持参のみの受付となるケースもあるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
免許更新は不要ですが、法律の改正や社会情勢の変化、企業や労働者からのニーズに対応するためには、知識のアップデートが必要です。免許取得後も勉強を続けていくことが望ましいでしょう。
まとめ
今回は、衛生管理者の合格発表の日程や免許申請の手続きについて解説しました。免許証の申請は、申請書や写真、収入印紙、封筒など準備する書類がいくつもあるため、複雑に感じるかもしれません。
しかし、衛生管理者の資格は免許証が交付されてから有効になるため、合格後は早めに免許申請を行ないましょう。
これから衛生管理者を目指す方や、衛生管理者としての実務を初めて行なう方には、「リモート産業保健」がおすすめです。「リモート産業保健」のサービスを活用することで、スムーズに衛生管理者の資格が取得できるほか、衛生管理者としての知識を効果的に業務に活かしていただけます。
>>【無料】産業医を初めて選任する企業様向けのガイドブック。
産業医の探し方や必要書類などの産業保健基礎知識をつけたい方はこちら
「リモート産業保健」では、その他にも産業医の選任やストレスチェック対応、休職・復職者対応、産業医・看護職面談など産業保健全般のサポートをしております。まずはお気軽に下記リンクよりお問い合わせください。