リモートワークでメンタルヘルス不調に陥る理由とは?
リモートワークには、「通勤時間の削減」や「隙間時間の有効活用」などのメリットがあります。しかし、働き方の変化にうまく対応できず、メンタルヘルス不調に陥る方もいます。
リモートワークでメンタルヘルス不調に陥るおもな理由は、以下のとおりです。
- 他の労働者と顔を合わせる機会が少なくなり、孤独感が強くなるから
- 作業環境が整っておらず、業務に集中しにくいから
- 適切な労務管理がしづらく、かえって長時間労働になりやすいから
- パソコン操作が苦手だと、仕事の効率が悪くなるから
- 業務時間外の連絡や仕事中の過度な監視などのハラスメントが起きやすいから
- 通勤などがなくなり、運動不足になりやすいから
- 自宅での仕事に対する家族の理解や協力が得られにくいから
- 仕事とプライベートの線引きが難しく、気分転換がしづらいから
リモートワークを導入している、または導入を検討している企業・事業者には、労働者がメンタルヘルス不調に陥る要因を把握し、業務調整や環境整備を行なうことが求められます。
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リモートワーク中に見られるメンタルヘルス不調のサイン
リモートワーク中の労働者によく見られる、メンタルヘルス不調のサインとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 以前よりミスが増える、仕事に時間がかかるなど、生産性の低下がみられる
- チャレンジする意欲ややる気が明らかに低下している
- 発言数が少ない、またはネガティブな発言が増えた
- 表情や声色が暗い、元気がない
労働者に上記のようなサインが見られる場合は、メンタルヘルス不調に陥っている可能性があります。
リモートワーク中のメンタルヘルス不調は早期発見が大切
労働者のメンタルヘルスを適切にケアするには、不調を早期発見することが最重要です。しかし、リモートワークでは日々の様子を確認することができず、異変に気が付いたときにはすでに精神疾患を発症していた、というケースも珍しくないでしょう。
したがって、リモートワークの特徴を正しく把握したうえで、メンタルヘルス対策に取り組むことが重要です。また、メンタルヘルス対策の内容を定期的に見直し、適宜改善や工夫を行ないましょう。
リモートワークのメンタルヘルス対策8選
ここではリモートワークのメンタルヘルス対策を8つ紹介します。メンタルヘルス不調の予防、早期発見のために積極的に実施しましょう。
なお、今回紹介する内容は、厚生労働省の『テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き』を参考にしていますので、こちらも併せてご確認ください。
リモートワークのメンタルヘルス対策(1)ストレスチェックの結果を活用する
ストレスチェックとは、自身のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査のことです。労働者に自身のストレス状態について把握させるとともに、適切なセルフケアを促すことができます。
また、ストレスチェック後の集団分析結果を活用して、事業場、部署、働き方ごとの状況に合った職場環境の改善を行なうのも効果的です。
リモートワークのメンタルヘルス対策(2)アンケート調査で実態を把握する
リモートワーク中の労働者に対してアンケート調査を実施すれば、現状の課題や今後の改善点などが見えてきます。コミュニケーションの状況や自宅での作業環境、書類や進捗の共有方法など、働き方の実態を把握しましょう。
ただし、重要なのはアンケートを実施することではなく、アンケート結果をもとに積極的な改善に努め、労働者との信頼関係を構築することです。アンケートで判明した課題を放置しないよう、十分に注意しましょう。
リモートワークのメンタルヘルス対策(3)家族への協力を呼びかける
コロナ禍でリモートワークを導入する企業が増えましたが、在宅勤務の場合、家族間でのトラブルに発展することも少なくありません。
自宅でのリモートワークに関するトラブルを予防し、労働者のストレスを緩和するためには、会社から労働者の家族に手紙を送付するなどして、理解と協力を呼びかけることが大切です。手紙には下記のような内容を記載するとよいでしょう。
- リモートワークの特徴
- 家族間トラブルの回避方法
- 労働者にメンタルヘルス不調などの問題が見られた場合の対応・相談先など
リモートワークのメンタルヘルス対策(4)研修を実施する
リモートワークを導入する際には、労働者向けの研修を実施して、導入の目的やメリットを伝えるのも有効です。また、労働者へのメンタルヘルス対策としてセルフケアの研修を行ない、ストレスへの対処方法や相談先を案内するとよいでしょう。
その他、リモートワークにおける業務調整や管理方法、労働者のメンタルヘルス不調への対応方法などを学ぶ、管理職向けの研修を実施できると理想的です。
リモートワークのメンタルヘルス対策(5)セルフケアの情報発信を行なう
リモートワーク中は、労働者本人が積極的にセルフケアを行なう必要があります。したがって、研修以外のメンタルヘルス対策として、社内ポータルサイトなどを活用し、セルフケアの適切な方法を発信するのも効果的です。
リモートワークのメンタルヘルス対策(6)コミュニケーションの場を用意する
リモートワークでは基本的に1人で業務を行なうため、出社していたときと比べて「他者との交流の機会が減った」と寂しく感じる方も多いでしょう。そこで、企業側が主体的にコミュニケーションの機会を作るのもおすすめです。
例えば、雑談チャットを用意する、定期的にオンライン飲み会を企画する、といった工夫をすれば、労働者の孤独感の解消が期待できます。
リモートワークのメンタルヘルス対策(7)1on1ミーティングを実施する
ラインケアとして、1on1ミーティング(上司と部下の1対1でのミーティング)を実施するのもよいでしょう。
定期的に1on1ミーティングを行なうことで、労働者のストレス状況を早期に把握し、対応するきっかけを作ることができます。上司と部下との信頼関係の構築にもつながるため、積極的に導入を検討しましょう。
リモートワークのメンタルヘルス対策(8)相談窓口を設ける
メンタルヘルス不調はいつ、誰に起こるかわからないため、いざというときに活用できる窓口を用意しておくとよいでしょう。電話やメール、チャットなど複数の方法で相談できる窓口を設けることで、労働者自身が相談しやすい方法を選ぶことができます。
労働者に対しては、事前に相談窓口の意義や利用のメリットを繰り返し案内しておくとともに、相談内容は他者に知られることはない旨を強調しましょう。
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ストレスの多い現代社会では、十分な対策をしていてもメンタルヘルス不調になる可能性があります。したがって、休職者への支援に関する方針をあらかじめ定めておく必要があります。
出社勤務とリモートワークでは、発生する課題も適切な支援方法も異なります。必要なときに柔軟な対応ができるよう、リモートワークで働く方向けの支援方法について、具体的な手順や内容を整理しておくのが望ましいでしょう。
なお、「休職者をケアするための人的リソースがない」「社内に専門知識がなく対応が難しい」という場合には、外部EAP(労働者支援プログラム)を活用するのがおすすめです。専門家によるサポートを受けることで、メンタルヘルス不調者への対応全般をよりスムーズに行なうことができるでしょう。
まとめ
働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大による社会活動の変化により、リモートワークは一時的な措置ではなく、一般的な働き方の一つになりました。リモートワーク中のメンタルヘルス対策において重要なのは、不調を早期発見し、素早く再発防止策を講じることです。
しかし、「どこから手をつけるべきかわからない」「専門家に相談したいけれど、どこが適切な相談先なのかわからない」といったお悩みを抱える企業担当者の方も少なくないでしょう。
そこでおすすめなのが、「リモート産業保健」のサービス利用です。リモート産業保健では、産業医と産業看護職の2名体制で、産業保健活動全般を手厚くサポートします。リモートワーク中でも実施可能なメンタルヘルス不調者へのオンライン面談などにも対応しています。
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