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メンタルヘルス不調の年代別の傾向
公益財団法人 日本生産性本部が企業に行なった『「メンタルヘルスの取り組み」に関するアンケート調査(2021年)』によると、心の病が最も多い年齢層は「30代(39.9%)」という結果が出ました。
ただし、他の年代のメンタルヘルス不調が少ないわけではなく、10-20代で29.0%、40代で27.5%となっています。
また近年では、コロナウイルスの感染拡大や、働き方改革にともなう働き方・働く場所の変化により、これまでとは異なる要因でメンタルヘルス不調に陥る従業員も増えています。
実際に、同アンケート調査によると、回答した企業の約4割が「コロナ禍で従業員のメンタルヘルスが悪化した」と答えています。
従業員の年代や仕事の質・量、働き方、働く環境に加え、社会の状況もメンタルヘルス不調の要因となり得ます。企業側は従業員の心理的負担を軽減するために、今後も積極的に取り組みを進めていく必要があるのです。
【年代別】メンタルヘルス不調の理由
幅広い年代の従業員に対して、効果的なメンタルヘルスケアを行なうには、年代別によくあるメンタルヘルス不調の理由を知っておくことが大切です。
20代のメンタルヘルス不調の理由
20代のメンタルヘルス不調の理由としては、おもに以下のようなものが挙げられます。
- 一人暮らしに慣れていない
- 今の仕事が自分に合っていないと感じている
- 職場の人間関係に馴染めない
- 結婚・出産など大きな変化があった など
20代は「変化」が多い年代です。「変化」は良くも悪くも強い刺激になるため、自分では気付かないうちにストレスを溜め込んでしまうおそれがあります。
また、ストレスへの対処法を体得できておらず、溜め込んだストレスを発散できないことでメンタルヘルス不調に陥るケースもあります。
30代のメンタルヘルス不調の理由
30代のメンタルヘルス不調の理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事での責任が増えた
- 体力の衰えを感じるようになった
- 子育て中で時間や体力の余裕がない
- 育休後に職場復帰したが、周囲との差を感じた
- ホルモンバランスの乱れが生じている など
30代は「役割」や「責任」が大きくなる年代です。しかし、10代や20代のときほどの体力がなくなり、大きな役割や責任を果たすことに疲れを感じる方も少なくありません。
また、ある程度の経験を積んだ30代は、任せられる仕事の量も増えます。20代のときのような周囲の手厚いサポートを受けることがなくなり、ストレス要因の把握や対処が遅れてしまうと、メンタルヘルス不調に陥るリスクが高まります。
40代のメンタルヘルス不調の理由
40代のメンタルヘルス不調の理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 親の介護で休む暇がない
- 子どもの教育方針で悩んでいる
- 責任の重い役職に就いた
- 更年期が始まって心身ともに不安定である など
40代は、仕事や家庭における「責任」が30代よりも増します。仕事に慣れ、職場内では頼られる場面が増える一方で、悩みや相談を周囲に打ち明けられずに悩む方も多いでしょう。また、「更年期」によって心身の不調を訴えるケースもあります。
体調面での不安と、仕事や家庭でのストレスが負担となり、メンタルヘルス不調に陥る40代の方も少なくありません。
【職場のメンタルヘルス】うつ病になりやすい人の特徴・サインとは?
本章では、うつ病になりやすい人の特徴や、うつ病になった人に見られるサインについて紹介します。
うつ病になりやすい人の特徴
うつ病になりやすい人の特徴としては、以下のような性格・気質が挙げられます。
- 完璧主義
- 真面目
- 責任感が強い
- 頼まれたら断れない
- 周囲に気を遣いすぎる など
ただし、「私はまったく真面目ではないから大丈夫」などと思っている方でも、無自覚のうちにストレスを溜め込んでいる可能性もあります。
職場の上司や同僚、家族などの客観的な意見を参考にして、自身が上記の特徴に当てはまっていないかを考えてみましょう。また、周囲も日頃のコミュニケーションや仕事の取り組みなどから、上記の特徴に当てはまる従業員がいないか観察して情報共有しておくと、メンタルヘルス不調の早期発見につながります。
うつ病の人に見られるサイン
うつ病の人に見られるサインとしては、以下のようなものがあります。
- 遅刻や欠勤が増える
- 会話が少なくなる
- 動きが遅くなる
- ミスが増える
- ぼーっとしていることが増える など
本人が自身の異変に気付いている場合もありますが、「少し休めば大丈夫だろう」「病院に行くほどでもない」と考えている場合は、そのまま放置してしまい、うつ病がより深刻になるリスクがあります。
上記のようなうつ病のサインを見逃さないためにも、日頃から積極的にコミュニケーションをとり、異変がないかお互いに確認しあえるような職場の雰囲気を作ることが大切です。
従業員がうつ病かも……メンタルヘルス不調への対応は?
従業員のうつ病傾向に気が付いた場合には、企業としてどのように対応すべきなのでしょうか。ここからは、従業員のメンタルヘルス不調への具体的な対処法を紹介します。
業務内容を調整する
うつ病の疑いが見られる従業員に対しては、まずは業務内容を確認し、業務を調整して様子を見ましょう。仕事量が多すぎる場合には、量を減らして心身への負荷を減らすなどの対応を検討します。
ただし、仕事量を大きく減らされると、従業員本人が自分を責めて落ち込んでしまうケースもあります。業務内容の調整を行なう際には、本人にしっかり状況を説明し、調整後のフォローも丁寧に行なうようにしましょう。
また、本人の許可を得たうえで、産業医や保健師などの産業保健スタッフに相談するのもおすすめです。産業保健スタッフ同席で話し合いを行なうことで、多方面からの視点で現状を把握できるため、必要に応じて検討しましょう。
相談先を紹介する
実際、従業員がメンタルヘルス不調を抱えていても、上司との関係や本人の気持ちなどで、上司には相談できないことが多々あります。
また、上司に相談したとしても解決策が見つからない可能性もあるため、必要に応じて産業医など専門家への相談の場を設けましょう。
「産業医」はその名の通り、職場における産業保健の専門家であり、医師でもあります。うつ病の疑いが見られる従業員がいる場合は、産業医と連携して早期の症状改善を図るのが理想的です。
まとめ
今回は、年代別のメンタルヘルス不調の理由や、うつ病になりやすい人の特徴と社内での対応方法について解説しました。
メンタルヘルス不調は早期発見・早期対応が重要です。不調者が発生してから準備するようでは、対応が遅れてしまいます。
しかし、メンタルヘルス不調への対応について、「何から始めたらいいのかわからない」「今の対応方法は正解なのか」と悩んでいる企業担当者の方もいるでしょう。そのような場合には、「リモート産業保健」のサービス利用がおすすめです。
現在産業医がいない事業場への「産業医の選任」はもちろん、メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応の鍵となる「相談環境の整備」、メンタルヘルス不調者への「早期介入」や復職後の「アフターフォローの実施」など、産業保健活動を一括サポートします。
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