- 産業医面談で異動の相談をしたら、産業医はどんな対応してくれるのか
- 従業員が産業医面談で異動相談できるのか
- 医師(主治医)の診断書とともに、異動願いを提出された場合どう対応すればいいかわからない
- 産業医から配置転換の意見書が提出された場合、必ず異動させなければいけないのか
上記のようなお悩みはありませんか?
働き方改革を機に、産業医との面談について知った方も多いのではないでしょうか。聞いたことはあるけど産業医との面談でどこまで話せばいいの?異動を希望している場合に相談してもいいの?など、考え悩むことも少ないかと思います。
そこで本記事では、産業医面談を実施する目的から、実際に産業医面談で従業員が話すことや医者からの診断書と従業員に共に異動を希望されたとき、または産業医から配置転換の意見書を提出されたときの対処法など解説していきます。
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産業医面談はなんのためにある?従業員の健康管理に重要です!
産業医面談は、労働者の健康確保のために実施されます。企業側が産業医面談を実施するおもなタイミングは以下のとおりです。
- 健康診断の結果に異常所見が見られた場合
労働者の通常勤務が可能か、時短勤務や休職等の措置が必要かなどを産業医が判断し、企業側に意見を伝える - ストレスチェックの結果、高ストレス者と判定された場合
産業医が労働者の心身の状態やストレスの原因を確認し、必要に応じて医療機関への受診を促す - 長時間労働が続いている場合
長時間労働が続くと脳血管疾患や心臓疾患などの発症リスクが高いことがわかっているため、産業医は労働者の健康状態を確認し、本人や企業側へ指導・助言を行なう
企業側の安全配慮義務の観点からも、専門的な視点から労働者の健康状態を確認・判断する産業医面談は重要といえます。
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異動の相談はできる?産業医面談で従業員が話すこと
産業医面談が実施される場合、体調不良が続いていたり、ストレスなどで精神的な負荷が大きいことなどが考えられます。産業医面談はこうした心身の不調を悪化させないことや改善することが目的でもあるため、従業員本人が異動の必要性を感じているのであれば相談をすることは可能です。
必要であれば、産業医から企業に異動の必要性について意見を伝えることもあります。その際、従業員の健康状態に応じて、業務負荷、勤務時間、人員配置などを中心に考慮するよう働きかけますが、最終的な異動の判断や異動先の決定については企業の人事が行うことになるため注意しましょう。
なお、産業医面談では守秘義務があり、本人の同意なく企業に面談内容を開示することはありません。職場の環境にストレスを感じていて異動を希望している場合などは、産業医面談の際に相談してみるとよいでしょう。
面談で従業員から異動の相談をされたら~産業医ができることとは〜
もしも産業医面談で従業員から異動に関する相談があった場合、産業医はどのように対応するのが望ましいのでしょうか。
まずは異動を希望する理由をあらためて確認する必要があります。「人間関係が合わない」などの抽象的な理由よりも具体的に理由を伝えてもらった方が企業に提案しやすいことを伝え、さらに深掘りしていく必要があります。従業員が心のもやもやを言語化できていない場合もあるので、傾聴しながら原因について一緒に考えることも大切です。
異動理由に心身の不調が認められる場合には、適切な医療機関での診察をおすすめします。健康診断で異常所見がある場合には、まずは二次健康診断の受診をすすめます。高ストレス者で症状が出現している場合も、かかりつけ医がいない従業員には医療機関を紹介するなど、専門分野で診察や検査を受けてもらい判断することを伝えると良いでしょう。
その際、受診が面倒で放置してしまうと労務災害の発生につながり、従業員と企業の双方に不利益となることが考えられます。また、初めて精神科や心療内科を受診する場合は、抵抗を感じる人も少なくないため、伝え方に注意が必要です。
産業医の意見だけを伝えるよりも、主治医の診断書を併せて提出した方が企業側も判断しやすい旨を伝えるなど、受診が次のステップへの障害とならないようにしましょう。また、長時間労働などで医療機関を受診することが難しい場合は、産業医から企業に必要性を伝えるなど、受診しやすい環境づくりに配慮することも大切です。
産業医面談のメリットをご紹介!
産業医面談を実施することで得られる企業のメリットは数多くありますが、最大のメリットは産業医が専門的な視点からアドバイスを行うことで、従業員の健康問題に対して早期に介入できることです。
産業医は職場巡視により職場環境を把握しているため、面談の際にも労働者のおかれた環境を理解しやすく、従業員それぞれに適した助言ができます。また、産業医面談では守秘義務があり、上司や人事には言いにくいことでも伝えられる環境になっています。誰にも言えなかったことを面談で相談することで心が軽くなったり、産業医からの助言で問題が解決に向かったりする場合もあります。
心身に不調があるとミスが発生したり、遅刻などの勤務状況に影響が出るなど業務に支障が出ることも少なくありません。早期に対策をとり従業員の健康管理を適切に行うことは、業務の効率化が図れる点からもメリットといえるでしょう。
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産業医面談の基準や従業員の面談拒否への対処法を解説!企業の人事・労務担当必見!医者からの診断書と従業員に共に異動を希望されたらどうする?
現在の所属部署の環境が疾患に大きく影響を与えている場合には、主治医から配置異動について診断書が出される場合もあります。それをもとに従業員が異動を希望した場合、どのような対応が必要になるのでしょうか。
診断書があることからも、異動を検討する必要はあります。しかし、主治医は実際の職場環境や異動先まで把握しておらず、あくまで従業員の症状から必要かを判断しています。すぐに異動の判断をするのではなく、産業医面談を実施するなど、本当に現部署での業務遂行が不可能なのか産業医の意見を聴く機会を設けた上で判断することが望ましいでしょう。
また、産業医面談の前には従業員に確認した上で、産業医から主治医に連絡をとってもらい情報共有を行いましょう。もしも従業員数が少ない企業で異動が困難な場合でも、情報を共有することで異動以外の業務上の措置を検討する余地が出てくる可能性もあります。異動を検討している場合でも、産業医に異動先の業務負荷などを伝えて助言を得るなど、連携しながら対応することが大切です。
異動が難しい、不要との判断になった場合は、当該従業員の不満につながりトラブルに至るリスクもあります。希望に沿った対応が難しい場合には、従業員本人が納得できるよう、十分説明を行うことも企業側の対応として重要になってきます。
企業の人事・労務担当必見!産業医から配置転換の意見書を出されたときの対処法
もしも産業医から配置転換の意見書が提出された場合、必ず異動させなければならないのか気になりますよね。配置転換の最終的な決定権は企業になるため、必ずしも意見書の通りにする必要はありません。
しかし、産業医が従業員の健康状態について配置転換が必要と判断しているということは、現部署で継続して勤務した場合にさらに症状が悪化する可能性があることが考えられます。一例として、精神疾患の場合は症状が悪化することで休職を余儀なくされてしまったり、命に関わるケースもあります。場合によっては安全配慮義務違反となる可能性もあり、何らかの対応をすることが望ましいでしょう。
一方で、管理職や専門知識が求められる立場でその部署に必要不可欠である場合や、人員不足など現実的に配置転換が難しい場合もあるかもしれません。また、現在の部署が社内で最も業務負荷が少なく、異動することで従業員の負担が軽減されないケースもあります。
産業医は各部署の細かな業務内容をすべて把握しているわけではないため、最終的な判断は企業に委ねられますが、対応しない場合のリスクを踏まえて決定することが重要です。もしも、異動が難しい場合には産業医に相談し、時短勤務などの代替案を検討することが必要でしょう。
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