職場復帰支援プログラムにひな形はある?プラン作成や実施手順についても詳しく解説

職場復帰支援プログラム_イメージ

そもそも「職場復帰支援プログラム」とは?

「職場復帰支援プログラム」とは、心の健康問題で休業している従業員が円滑に職場復帰をするために、休業から復職までの流れを明確にしたプランのことです。

近年は、働くなかで強いストレスや不安を感じてメンタルヘルス不調を引き起こし、労働者が休業するケースが少なくありません。

実際に、令和3年度の労働安全衛生調査(実態調査)では、「メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合」は10.1%となっています。なお、令和2年度は9.2%で、この割合が高くなっていることがわかります。

出典:厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」

こうした状況から、職場復帰支援は事業者や従業員・家族にとって重要な課題とされています。そのため、休業に至った従業員がスムーズに職場復帰できるよう、復職までの一連の流れを具体的に示す「職場復帰支援プログラム」の策定が必要とされています。

職場復帰支援プログラムを実施するメリット

職場復帰支援プログラムの実施には、以下のようなメリットがあります。

  • 休業から復職まで、従業員をスムーズにサポートできる
  • 従業員が休業から復職までの流れを見通せる
  • 休業する従業員に「戻る場所がある」という安心感を与えられる
  • 再休業や退職を防げる

心の健康問題で休業した従業員が再び職場で働けるようになるには、企業側からの適切な働きかけが必要です。また、従業員の円滑な職場復帰を支援することは、企業にとっても、労働力の維持や活用を図るという観点で重要といえます。

職場復帰支援プログラムの重要性を受けて、厚生労働省も「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を作成するなど、実施を推奨しています。

職場復帰支援プログラムを実施する前に準備すべきこと

「職場復帰支援プログラムを実施したいものの、何から始めるべきかわからない」という企業担当者の方も少なくないでしょう。そこで、実施する前に準備すべきことについて解説します。

自社の現状を把握・調査・分析する

まずは、自社の休業から職場復帰の状況、過去の取り組みなどについて、あらためて現状を把握します。そして、関係者へのヒアリングに基づき、職場復帰の現状における課題と今後の目標について、衛生委員会などで方針を取りまとめましょう。

これらの調査・分析をゼロから行なうのは大変ですが、重要な事前準備であるため、できる限り事業場内の資源を活用して取り組むのが望ましいです。

なお、事業場の現状を把握するためのチェックリストは、労働者健康安全機構の「職場復帰支援プログラムの作成支援方法例」に掲載されています。

メンタルヘルス対策の担当者を選任する

職場復帰支援には専門知識が必要であるため、人事労務スタッフや各部署の管理監督者のみに任せきりにすると、計画自体が頓挫してしまう可能性があります。また、従業員の再休業や、負担が集中したほかの従業員の心身の不調を招くリスクも否定できません。

職場復帰を事業場全体でサポートするためにも、下記のようなスタッフで復職委員会を立ち上げ、それぞれの役割を明確化することが大切です。

  • 経営者層・事業者・担当役員
  • 産業医(専属または嘱託)
  • 産業保健スタッフ(保健師、心理職、衛生管理者など)
  • 人事労務管理スタッフ(人事部、総務部、管理部など)
  • メンタルヘルス推進担当者
  • 管理監督者(上司、ライン、現場責任者)

特に、「産業医」は従業員の健康管理や職場復帰支援の中心となる立場であるため、「常時使用する労働者数が50人以上の事業場」では選任が義務付けられています。未選任の場合は、法令遵守の観点からも早めに選任しましょう。

「産業医を選任したいけれど、探し方がわからない」「休職・復職対応までサポートしてほしい」という企業様は、産業医の選任から休職者・復職者のアフターフォローまで対応しているリモート産業保健のサービスをぜひご検討ください。

なお、「常時使用する労働者数が50人未満の事業場」で産業医がいない場合には、地域産業保健センターの産業医を活用することもできます。

職場復帰支援プログラムのポイントを洗い出す

事業場の現状や実態を把握したうえで、自社にとって重要となるポイントを洗い出します。事業場でできること、できないことを明確にして、現場で使える職場復帰支援プログラムのアイデアを練りましょう。

可能であれば、他社の職場復帰支援プログラムを参考にしながら、自社にとって最適なプログラムを組むのが理想的です。

職場復帰支援プログラムを策定する

職場復帰支援プログラムの策定は、衛生委員会などでメンタルヘルス対策を調査審議し、委員会のメンバーや現場からの意見を取り入れながら行ないます。その際に、産業医などの専門家から助言や指導を受けることも重要です。

その他、職場復帰支援プログラムが就業規則に抵触しないように注意します。就業規則を変更する必要がある場合は、休職復職に関する規程を新規に設けることも検討し、弁護士や社会保険労務士に相談するなど、慎重に進めましょう。

職場復帰支援プランを作成する

休業中の従業員が復職する際のサポート内容については、個別に職場復帰支援プランを作成します。休業に至った理由は従業員ごとに異なるため、個別の事情に合わせた柔軟な対応が必要だからです。

「職場復帰支援プログラム」は事業場全体のルールであって、従業員ごとに定めるものではない点に注意しましょう。

職場復帰支援プログラムを作成する際には、ひな形を活用しよう

職場復帰支援プログラムを作成する際には、専用のひな形を使うと必要な項目の抜け漏れがなく、スムーズに作成できます。一から作成する必要がなく、作成にかかる時間を短縮できるため、担当者の方の負担を減らすことも可能です。

「独立行政法人 労働者健康安全機構」のWebサイトに、ひな形として「職場復帰支援にかかるモデルプログラム」が用意されています。モデルプログラムは、小規模事業場用・中規模事業場用に分かれているため、事業場の規模に合わせて選ぶとよいでしょう。

ひな形を活用する際のポイント

ひな形を使用する際には、内容をしっかり確認し、自社で対応できない内容がないか、実態に合った内容なのか、といった点を確認してください。

単にひな形をそのまま真似するのではなく、事業場の課題やニーズに合うように調整・改良しながらプログラムを策定するようにしましょう。

職場復帰支援の実施手順【5ステップ】

ここからは、具体的な職場復帰支援の流れを、以下5ステップで解説します。

1.病気休業開始及び休業中のケア
2.主治医による職場復帰可能の判断
3.職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
4.最終的な職場復帰の決定
5.職場復帰後のフォローアップ

なお以下の内容は、厚生労働省(独立行政法人労働者健康安全機構)の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」をもとに作成しています。

【STEP1】病気休業開始及び休業中のケア

まずは、休業開始の手続きと休業する従業員へのケアを行ないます。休業は、従業員から管理監督者へ主治医の診断書(病気休業診断書)を提出することから始まります。

診断書の受領後、管理監督者は人事労務管理スタッフなどに診断書が提出されたことを連絡します。

休業は従業員にとって大きな出来事です。従業員が安心して療養できるように、以下のような必要事項を説明し、事務手続きや職場復帰支援の流れなどの情報提供を行ないましょう。

  • 傷病手当金などの経済的な保障
  • 不安、悩みの相談先の紹介(産業医、産業保健スタッフ、外部の相談先など)
  • 公的または民間の職場復帰支援サービス
  • 休業の最長(保障)期間

休業中の連絡は、従業員の体調や回復度に合わせて、頻度や方法などを変えることが大切です。企業から頻繁に電話やメールが来てしまうと、従業員の心身も休まりにくく、回復を妨げてしまう恐れがあるためです。

一方で、企業からの連絡が少なすぎると、従業員は「見放されたかもしれない」と不安に感じ、体調が悪化するケースもあります。従業員の同意を得たうえで、主治医や産業医と相談し、連絡手段や頻度を決めておくと安心です。

【STEP2】主治医による職場復帰可能の判断

従業員が職場に復帰するためには、主治医による「職場復帰可能」という記載のある診断書が必要です。そのため、従業員に復職の意思が見られたときは、主治医の診断書の提出を求めましょう。

ただし、主治医による診断は「日常生活における症状の回復度」で判断されることが多く、職場で求められる「業務遂行能力」まで回復しているとは限りません。業務遂行能力の回復を判断するには、産業医などによる精査が必要です。

【STEP3】職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

従業員の意思や状態などについての情報収集・評価が行なわれ、事業場内の産業保健スタッフなどが職場復帰の可否を判断し、可能と判断されたら職場復帰支援プランを作成します。

職場復帰の可否の判断は、以下の内容をもとに、産業保健スタッフ、管理監督者、休職者が十分に連携して進めます。

  • 従業員の職場復帰に対する意思
  • 産業医などによる主治医からの情報収集(主治医の診断書)
    ※必要があれば、従業員から同意を得たうえで主治医から情報収集する
  • 従業員の状態などの評価
    ※回復状況、業務遂行能力、今後の就労に関する従業員の考え、家族からの情報
  • 職場環境などの評価
    ※業務や職場との適合性、作業管理や作業環境管理に関する評価、職場側の支援準備状況
  • その他
    ※治療に関する問題点、従業員の行動特性、家族の支援状況など

上記の内容を確認したうえで職場復帰可能と判断されたら、以下の内容について検討し、職場復帰支援プランを作成します。

  • 職場復帰日
  • 管理監督者による就業上の配慮
  • 人事労務管理上の対応
  • 産業医などによる医学的見地から見た意見
  • フォローアップ
  • その他(試し出勤制度の利用、事業場外資源の利用など)

従業員が安心してスムーズに復職し、再休業や退職が起こらないよう、復職前にしっかりとプランを作成することが重要です。

【STEP4】最終的な職場復帰の決定

従業員本人の状態を最終確認したあと、産業医が「職場復帰に関する意見書」を作成します。事業者はそれらを踏まえて、最終的な職場復帰の判断を行ないます。

職場復帰に関する事業場の対応や就業にともなう配慮などは、従業員や情報提供書を通して主治医にも伝え、今後も連携していくことが望ましいでしょう。

【STEP5】職場復帰後のフォローアップ

最後のステップは、管理監督者や産業保健スタッフなどによるフォローアップです。職場復帰後のフォローアップを万全にして、症状の再燃・再発や新しい問題の発生防止に努めます。

また、職場復帰支援プランの実施状況をチェックし、予定どおり行なわれているか確認することも重要です。職場環境の改善など再発防止の対策を行なったうえで、必要に応じてプランの見直しなども検討します。

なお、リモート産業保健では、上記5ステップで紹介した復職対応に使える書式5セット(WordやExcel形式)をご用意しています。

「職場復帰支援 お役立ち資料5選セット」のダウンロードはこちら

職場復帰支援プログラムを実施する際の注意点

職場復帰支援プログラムは、従業員の安心かつスムーズな復職に欠かせない計画ですが、実施には注意点もあります。効果を最大限に得るためにも、注意点は必ず確認しておきましょう。

個人情報の取り扱いに注意する

従業員のプライバシー保護には十分に配慮し、第三者に情報提供を行なう場合は、必ず本人の同意を得るようにしましょう。また、主治医からの情報・意見の収集についても、従業員本人の同意が必要です。

個人情報の取り扱いがいい加減になると、従業員からの信頼が失われ、職場復帰支援プログラムが意味をなさないものになる恐れがあります。プログラム実施の際には、プライバシー保護に配慮している旨を、企業から従業員へ周知することも大切です。

主治医と適宜連携して進める

職場復帰支援プログラムには大枠の流れがあるものの、最適な施策は個々の状況やタイミングによって異なります。そのため、プログラム全体を通して主治医や産業医の助言を受け、慎重にステップを進めるようにしましょう。

主治医と連携をとる際には、従業員本人の同意を得る必要があります。同意を得たら、休業開始後や休業中、復職時、復職後などのタイミングで情報交換をするとよいでしょう。

ただし、従業員の状態が悪化する恐れがあるといった理由から、主治医が連携を望まない場合もあるため、臨機応変な対応を心がけてください。

周りの従業員に対する支援も忘れない

休業中の従業員の支援だけではなく、周りの従業員に負担がかかりすぎないよう注意することも重要です。休業する従業員が出ることで、業務負担が周りの従業員や管理監督者にかかることがあるためです。

その状態を放置すると、今度は周りの従業員や管理監督者が体調不良を引き起こしたり、企業に対して不満を持ったりする可能性があります。適宜面談を実施して不満や心配事を聞き取り、できるだけ早めに対処することが肝心です。

職場復帰後の就業上の配慮を怠らない

平成28年に厚生労働省が発表した研究によると、メンタルヘルス不調の従業員が復職後、再休職(再休務)した割合の平均値は、5年で47.1%という結果が出ています。

うつ病などのメンタルヘルス不調は再発率が高いため、休業した従業員が職場復帰を果たしたあとも、安心してはいけません。復職直後は本調子ではないことをよく理解したうえで、時短勤務を提案したり、業務量を控えめにしたりするなどして、体調に配慮することが大切です。

出典:厚生労働省「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」

試し出勤制度を導入する

復職へのステップとして、「試し出勤制度」を実施してみるのも一つの方法です。試し出勤制度とは、「出勤するだけ」「負担の軽い作業のみ」などのパターンで休職者を試験的に出勤させ、心身の変化を確認しながら、段階ごとに復職を進めるための制度です。

試し出勤制度は「リハビリ勤務制度」とも呼ばれ、スムーズに復職を進めるために行なわれます。復職後は体力が衰えていることが多く、出勤準備や通勤、人とのコミュニケーションを行なうだけでも疲労を感じる場合が多いからです。

ただし、試し出勤制度を導入する場合には、処遇の詳細や、万が一の災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけなどについて、事前に労使間で十分に協議し、明確なルールを定めておくことが大切です。

社内での対応が難しい場合には、事業場外資源を活用する

社内で上記のようなきめ細やかな対応が難しい場合には、事業場外資源に頼るのも一つの方法です。事業場外資源とは、医療機関や地域産業保健センター、従業員支援プログラム(EAP)機関などのことを指します。

休職者の職場復帰支援も含めた、産業保健活動全般のサービスを提供する外部EAPなどもあるため、対応したい内容や予算に合わせて活用しましょう。

職場復帰支援プログラムに携わった事例紹介【リモート産業保健】

休職前の相談~看護職面談

【登場人物】
・Aさん:20代(入社4年目)男性、エンジニア
・Bさん: Aさんの上司
・Cさん:人事労務担当者、衛生管理者として従業員の健康管理も担当している

【面談実施前】
Aさんは数か月前から月に1~2回程度、体調不良による欠勤が見られていた。
上長であるBさんがAさんに配慮し、リモート勤務に切り替えるフォローを行ったことで欠勤は減少したが、業務が十分こなせない状況となっていた。

BさんがAさんへ再度話を聞いたところ、「体調不良はあるが、もっと頑張ります」と言うのみだった。そのため、Bさんは人事担当のCさんへ報告した。Cさんが状況を考慮し、まずはAさんの心身の状態確認のため、産業保健業務受託先企業の産業看護職へ面談依頼を行った。

【産業看護職面談実施】
産業看護職がCさんから依頼を受け、Aさんと産業看護職面談を実施(※)し、下記の内容について相談を行った。
※産業医との面談に抵抗がある場合には看護職面談を行う場合があります。

1. 現在の本人の状態把握
就業中の状態について聞いたところ、プレッシャー/不眠/気分の落ち込み/緊張/集中力の低下があるとの発言があり、業務への支障が大きいことがわかった。

2.医療機関の受診状況の確認
会社へメンタルクリニック通院中と知られると自分の立場が悪くなることを懸念しており、相談が出来ていなかった。

3.寄り添いと今後に向けた提案
産業看護職から会社にも相談して対応方法を一緒に模索することをAさんへ提案し、本人もそれに同意した。

【面談実施後(休職)】
産業看護職がAさんの同意を得たうえでCさんへ面談内容を共有した。会社側としても業務へ支障が出ていることを踏まえ、本人へ受診勧奨を行った。
Aさんが心療内科を受診したところ、「抑うつ状態」と診断された。本人希望もあり、人事担当のCさんへ報告し、3か月の休職となった。

休職中~復職面談

Aさんは心療内科の受診を継続し、治療と休息に集中した。
会社側は月に1回はAさんへ連絡を取り、本人の状況を確認していた。産業看護職との面談も継続し、回復状況を確認できた。

Aさんの休職期間終了月の中旬に、主治医からの「復職可能」とされた診断内容に基づき、Aさんが会社へ復職の意向を伝える。
会社側もAさんから復職希望をもらったため、産業医との面談を調整した。

産業医面談では以下の点を確認した。
※休職前、休職中の看護職面談の記録も踏まえ、産業医面談を実施。

1.現在の本人の状態把握
Aさんの回復状況を確認。

2.医療機関の受診状況の確認
継続した通院をしているか、薬はどのようなものを飲んでいるか等を確認。

3.復職後の職場環境等に対する不安の有無を確認
Aさんが無理なく仕事に戻れるような環境が整っているかの確認。(休職の原因が職場環境や業務等だった場合、同じ環境に戻ることで再び体調を崩す可能性があります。)

4.Aさんの職場復帰に対する意思の確認

Aさんの回復状況等を総合的に確認し、復職ができるか、復職できる場合には就業制限等が必要かについて産業医から意見を聞いた。
Aさんに安心して戻ってもらうために会社側が提供できる支援を検討することができた。

復職後フォローアップ

「試し出勤制度」も活用し、Aさんは週3日の勤務から復職となった。徐々に勤務には慣れてきたが、通院は継続しており、不安な気持ちも残っている状態だった。
会社側も主治医の診断書と産業医の意見を踏まえ、就業制限や業務量の調整を行った。しかし本人の状況や周囲の状況などが復職後に再度悪化していないか不安に思っていた。

そのため、人事担当のCさんから産業看護職へ復職後のフォローアップ面談実施を依頼した。
フォローアップ面談では以下の点を確認し、Aさんと継続した面談を実施して復帰に向かうことを合意した。

1.本人の就業状況と体調を確認

2.困りごとがないかヒアリング
Aさんは「まだ新しい環境に慣れていなく、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくて」と悩んでいたことがわかった。

3.今後についての相談
産業看護職からAさんの困りごとに対して、ご本人と一緒に対応方法を考えていきたい旨を伝える。また、今後も産業看護職面談は継続して受けることができることをお伝えした。
産業看護職面談終了後、本人の同意が得られた範囲で企業側へフィードバックを行った。
※事前に企業側から就業状況の共有を得たうえで看護職面談を実施した。

復職後3か月間は毎月、その後の状況に合わせて産業看護職のフォローアップ面談を実施した。

本人と周囲とのコミュニケーションの取り方について、産業看護職からのフィードバックを行い、職場環境の改善を行った。
他に同様のケースが発生しないよう「産業看護職面談」という相談の場があることを従業員へ周知し、特に年次が浅い従業員を中心にフォローを強化した。

今回の事例から見る休職・復職対応のポイント

1.ご本人の状態をしっかり把握する

2.業務や就業環境において、何が不調の原因となったのかを把握する

3.ご本人の状態にあった継続可能なフォロー体制を整える

上記の対応を行う中で、必要に応じて産業医、産業保健スタッフを活用することでよりスムーズな対応が可能になります。
日頃から産業医、産業看護職スタッフとも気軽にコミュニケーションをとれることにより、緊急時にも速やかに連携を図り、対応することができます。

まとめ

今回は、職場復帰支援プログラムについて解説しました。働きやすい職場環境づくりや従業員一人ひとりの健康管理などに取り組み、休職者を出さないように努めることは、事業者の責務です。

しかし、少なからずストレスがかかる現代社会では、休職者をまったく出さないでいるのは難しいでしょう。そのため、休職者が出ても安心してスムーズに復職できるよう、「職場復帰支援プログラム」を作っておくことが大切です。

ただし、プログラムを一から新規に作成すると多くの時間と労力がかかるため、本記事で紹介した「ひな形」を活用し、事業場にあった内容に調整するとよいでしょう。

リモート産業保健では、産業医の選任やストレスチェック代行、休職者・復職者支援の対応など、健康経営に必要な産業保健活動全般を徹底サポートします。

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