働き方改革で女性の働きやすい環境へ!企業ができる8つの取り組みを紹介 

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執筆者

はじめまして、shirocanと申します。
大学院修了後、フリーター期間を経て、教育系一部上場企業、人材系ベンチャー企業に勤務しました。ベンチャー企業勤務時より、様々な副業や活動を行ない、現在は法人経営のほか、webライター、キャリアアドバイザー、各種試験講師、研修講師などに従事しております。

執筆経験としては、副業系、投資、キャリア、金融、経営、ライフデザイン、中学高校大学受験における各教科の勉強法、各種資格試験の勉強法などがございます。翻訳、校正経験もございます。

文章を書くことが好きであり、はじめは副業で始めたライターのお仕事に充実感や責任感を覚え、約5年続けております。様々なジャンルを執筆する中で、常に学び続けることを忘れず、高品質の記事つくりに邁進しております。

監修者

働く人の心身の健康管理をサポートする専門家です。従業員の皆さんと産業保健業務や面談対応から健康経営優良法人の取得などのサービスを通じて、さまざまな企業課題に向き合っています。私たちは、企業経営者・人事労務の負荷軽減と従業員の健康を実現するとともに、従業員に対する心身のケア実現を通じ、QOL向上と健康な労働力人口の増加への貢献を目指しています。

女性の働き方改革が求められる背景

少子高齢化が加速する日本は労働人口が減少傾向にあり、特に働き盛りの世代の働き手不足が深刻化しています。

仕事や生活に対する価値観が変わってきたこともあり、プライベートを充実させながら働くことや、女性も男性同様に活躍できる社会が求められるようになりました。

そのうち、女性の雇用や社会進出を後押しするために、国や自治体では助成金を支給し、企業の雇用促進を支援しています。

国や自治体の政策の影響もあり、男性中心であることが多かった企業も、近年はその姿勢を変えつつあります。

その他、男女共同参画社会の実現や女性の活躍の場を広げることは、SDGsの目標の一つ「ジェンダー平等の実現」にも寄与するため、女性の雇用や社会進出に取り組むことで、企業としてのイメージアップを図ることも可能です。

女性が活躍できる、多様な働き方を認める職場を生み出すことは、不足しがちな人材の確保や、社会からの期待の実現につながります。

女性の働き方改革のために必要なこと

女性の働き方改革のために必要な取り組みを具体的に見てみましょう。

出産・育児に関するサポート

女性は、さまざまなライフイベントにより、自身の働き方の選択を迫られることが多々あります。働きたいと願っても、周囲の状況によってはそれが叶わないこともあるでしょう。

なかでも、女性にとって大きな課題となるのが、仕事と出産・育児の両立でしょう。核家族化が進むなか、子育てで親のサポートを受けられない方が多いのが現実です。また、働く女性の増加や保育士不足などから、保育園に入れない待機児童が増え、会社への復帰が遅れることもあります。

企業側としても、女性従業員に対する出産・育児関連のサポートをしなければ、経験を積んだ女性従業員が辞めてしまい、人手不足や業務の停滞が起こりかねません。

これまで時間をかけて育成してきた人材が退職することは、非常にもったいない事態です。

そのような事態に陥らないためにも、女性が働きやすい環境や条件の整備が喫緊の課題となります。リモート勤務や時短勤務、有給休暇制度の拡充など、子どもを持つ人が働きやすい環境を作り上げることが大切です。

子育て中の女性をサポートするため、近年は男性社員の育休も制度化されてきました。男女ともに仕事と育児を両立できる職場環境を作ることは、貴重な労働力の流出防止にもつながります。

スキルアップ・キャリアプラン構築の機会提供

先にも述べたように、女性はライフイベントにより働き方を制限されることがあり、明確なキャリアプランの構築に積極的になれないのが現実です。

また、日本の企業は諸外国に比べると女性の管理職が少なく、モデルケースがないことから、キャリアプランがイメージしづらいというのも一因でしょう。

そうした状況を打破するためには、企業が女性従業員の育成に力を注ぐ必要があります。仕事と育児を両立しながら、昇進やスキルアップのチャンスがある環境を用意することも大切です。女性従業員の昇進やスキルアップに対する意識が高まれば、仕事のモチベーションアップにもつながるでしょう。

具体的には、キャリアコンサルティングなどの研修・セミナーを開催したり、キャリアプラン構築のための個人面談を行なったりするようなフォローが効果的です。

女性の働き方に対する理解

女性の働き方改革を推し進めるためには、企業の経営陣や管理職の考え方を変えていくことが課題になります。

長く続いた「企業文化」を急に変革することは難しいでしょう。企業によっては、「男性は仕事中心・女性は家庭中心」という考え方が根強く残っています。

管理職がそのような考え方である場合、女性従業員が育休を取ることすら難しいケースが多く、職場環境の整備にも時間がかかるでしょう。

女性の働き方に対する理解のなさは企業のイメージダウンにつながるため、採用を行なっても人材が集まりにくくなります。特に若い人材は、仕事とともにプライベートも充実させられるかという視点も含めて、企業を選択しているからです。

時代に合わない風土がある会社は敬遠されがちであることを理解したうえで、できる限り従業員の働きやすい環境を整備していきましょう。

【女性の働き方改革】出産・育児の両立支援を行なう事業者向けの助成金

先にも述べたように、女性が仕事と家庭を両立しやすい、働きやすい環境を構築することは、企業側の喫緊の課題といえます。

女性の働き方改革に取り組む事業者に対して、「両立支援等助成金」が支給されることはご存知でしょうか。

両立支援等助成金のなかには出産・育児に関する、「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」と「育児休業等支援コース」の2種類があります。

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性社員が育児休業を取得しやすいよう、業務体制の整備を行なった企業に支給される助成金です。

一般的に、女性の負担が大きくなりがちな育児を男性もサポートできるよう、男性が育児休業を取得できる環境を整えることを目的としています。男性が育児休業を取得することは、女性の早期復帰を援助することにもつながります。

育児休業等支援コース

育児休業の円滑な取得と復職支援のための取り組みをした企業に支給される助成金です。

育児休業を取得した従業員の代替要員を新規雇用したり、休業取得者を原職などに復帰させたりした場合に支給してもらえるため、企業側は代替要員の雇用や業務の代替を円滑に進めることができます。

出典:両立支援等助成金|厚生労働省

【女性の働き方改革】企業が行なえる具体的な取り組み8選

女性が働きやすい職場環境を整えるにあたって、企業が行なえる取り組みを8つまとめました。すぐに実践できるものもありますので、ぜひ参考にしてください。

託児所の設置

仕事と子育てを両立するうえで重要なのは、自分が仕事に復帰したいと考えた時点で保育園に子どもを預けることができるかです。そのため、事業場内に託児所を設置すれば、仕事と育児の両立がしやすくなり、女性従業員の退職を防ぐことができます。

子どもが保育園に入所できず、待機児童になってしまえば復帰は難しくなるでしょう。保育園に入所できたとしても、職場・自宅・保育園の距離が離れている、利便性が悪いなどの理由から、保育園に通い続けられないという事例もあります。

しかし、事業場内に託児所があれば、仕事と育児を両立しながら、スムーズな職場復帰が可能です。また、万が一子どもが病気や怪我をしたときでも、すぐに迎えや対応ができるという安心感は、働く女性にとって精神的な支えになるでしょう。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、労働者自身が勤務時間帯や労働時間を決められる制度です。

仕事のボリュームや自分のスケジュールに合わせて働く時間を調整できれば、子どもを預けてから余裕を持って通勤できたり、子どもが病気になったときに通院や看護をしながら仕事をしたりすることが可能です。

一日のうち就業が必須な時間である「コアタイム」を設ければ、他の従業員との打ち合わせなどの業務に支障が出ることも防げるでしょう。

在宅勤務・テレワーク

在宅勤務やテレワークを導入することも、企業ができる取り組みの一つです。

新型コロナウィルスの感染拡大により、在宅勤務やテレワークが一気に普及しました。システムや管理体制などが整っていれば、在宅でも問題なく仕事ができることがわかった企業のなかには、オフィスを持たないという思い切った選択をするところも増えています。

企業は固定費を減らすことができますし、従業員は育児中であっても心身に余裕を持ちながら働けるようになるでしょう。こうした働きやすさは、従業員が長きにわたってその会社で活躍することにもつながります。

また、在宅勤務やテレワークでは通勤時間の負担が減るため、時間的な余裕が生まれるのもメリットといえるでしょう。

産休・育休の取得促進

2022年に「育児・介護休業法」が改正され、産休・育休の取得が促進されています。

企業の対応として、女性だけでなく男性の育児休暇取得率を上げることも求められています。男性の育児休暇取得を推奨することで、女性の負担軽減や職場復帰を促進するのが目的です。

日本では、男性が子育てに積極的に参加する風潮はまだ浸透しておらず、男性の育児休暇の取得がまだまだ根付いていない企業も多いでしょう。

そこで、企業の代表者が率先して産休・育休の取得促進について発言し、子育て中は休暇を取得しやすい雰囲気にするのも効果的です。

長時間労働の削減

女性の働き方改革を実現するには、長時間労働の削減に積極的に取り組む必要があります。

出産を控えていたり育児中だったりする女性従業員は、「残業の多い管理職にはなれない」という考えになりがちです。

「残業が多い働き方はできないから退職する」「管理職のオファーは受けられない」といった女性従業員の意識は、長時間労働や働く環境の改善により変えていくことができます。

社内全体として長時間労働を削減することで、管理職を目指す女性従業員の増加や、有能な従業員の離職防止が期待できます。

また、長時間労働が削減されることで男性が家事や育児に参加しやすくなる、という相乗効果も得られるでしょう。

自己啓発の支援

たとえ子育て中であっても、キャリアアップやスキルアップに積極的な女性従業員もいるでしょう。そこで、育児中で確保できる時間が少ない女性従業員のために、自己啓発の支援をするのも有効です。

また、育児中は、会社で行なうセミナーやイベントに参加できないケースも多いため、セミナーや講座の費用補助、テキスト購入費の補助などを行なうことで、自分で学びたいときに学べるチャンスを作っていくことが重要です。

各種支援サービスの補助

福利厚生として、育児支援サービスや家事代行サービス、宅配サービスなどの利用を補助することも、ぜひ検討したい取り組みです。

子育て中は特に、一時的な子どもの預かりや日々のちょっとした家事、毎日の食事の準備などに少しの援助があるだけでも、精神的な余裕が生まれます。

また、「大変な時期に会社の支えがあって助かった」という思いが愛社精神を育み、会社のために仕事をしたいという思いにさせてくれます。

管理職向けの研修

女性が活躍できる環境を作るためには、意識改革のための研修などを実施することが重要です。女性従業員のなかには、仕事と生活の両立を考えたとき、キャリアアップに積極的になれない人もいます。

女性であっても、スキルアップをしながらキャリア形成を行なっていくことで、管理職など要職に就ける職場の形成や、男女の差別なく活躍できるという考え方の浸透が必要です。

そのためには、管理職が積極的に女性従業員を育成しようとすること、キャリアアップの支援をすることが重要なカギとなります。

まとめ

この記事では、働き方改革における女性の活躍を推進するための取り組みについて、具体的な施策も含めて解説しました。

働き方改革の取り組みは、はじめてすぐに効果を得られるものではありません。社内の雰囲気や考え方を変えていくのに時間がかかることもあります。

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