産業医が職場巡視でチェックしているのはココ!知っておきたい職場巡視のポイント

産業医 職場巡視

監修者

働く人の心身の健康管理をサポートする専門家です。従業員の皆さんと産業保健業務や面談対応から健康経営優良法人の取得などのサービスを通じて、さまざまな企業課題に向き合っています。私たちは、企業経営者・人事労務の負荷軽減と従業員の健康を実現するとともに、従業員に対する心身のケア実現を通じ、QOL向上と健康な労働力人口の増加への貢献を目指しています。

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産業医は、会社での従業員の健康管理について、専門的な立場から指導・助言する医師を言います。産業医が適切にアドバイスをするために必要不可欠といわれているのが「職場巡視」です。

産業医の職務のひとつ「職場巡視」

職場巡視とは、その名の通り、職場の作業環境を実際に見て回ること。産業医の重要な職務のひとつです。産業医の職場巡視には、どのような目的があるのでしょうか。

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職場巡視の目的

産業医が従業員の健康管理について適切に指導・助言するためには、従業員の労働状況を確認しておく必要があります。作業場を定期的に訪問して巡回することで、作業環境や作業そのものが健康に影響する可能性を見出し、改善につなげることができます。
また、産業医も、職場の雰囲気や業務内容をより一層理解することができ、従業員の配置が適正かどうかの判断にも役立ちます。

職場巡視の頻度の変更

職場巡視には、「産業医の職場巡視」と「衛生管理者の職場巡視」があります。
これまでの労働安全衛生法では、産業医の職場巡視は月1回以上、衛生管理者の職場巡視は週1回以上が義務となっていました。
その後、平成29年に法改定があり、現在では、産業医の職場巡視は2カ月に1回でも可、となっています。ただし、頻度を2カ月に1回とするには、会社側から産業医に毎月1回所定の情報が提供されており、さらに会社の同意があることが条件となります。

職場巡視で見るポイント

産業医の職場巡視では、どのような点を重点的に確認してもらえばよいのでしょうか。産業医に見てもらうべきポイントを解説します

職場巡視でチェックすべきこと

産業医の職場巡視では、基本的に、作業環境や作業内容に従業員の健康被害・労働災害につながるものがないかを確認していきます。特に、有害物質の取り扱いについては十分な確認が必要になります。また、事故が起こりやすい工場などでは、従業員が立ち入る場所はすべて巡視してもらうことが望ましいでしょう。その際は、従業員と同じように作業着を着用する、作業環境をよく知る現場担当者が同行するなどして、産業医の安全も確保することが大切です。
要所要所の巡視ポイントを理解してもらうために、予め作業工程と作業内容をまとめた資料やチェックリストを用意しておくとよいでしょう

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オフィス職場での職場巡視

工場や工事現場に比べ作業リスクが高くないと言えるオフィス職場では、どのような点が巡視ポイントになってくるのでしょうか。
まずひとつ挙げられるのが、パソコン作業の状況確認。オフィス職場のほとんどで取り入れられ、今や欠かせないものとなっているパソコン作業ですが、作業時の姿勢の悪さや長時間作業が健康に影響を及ぼすこともあります。そのほか、温湿度といったオフィス内の環境、過重労働、メンタルヘルス、受動喫煙対策などの視点も巡視のポイントになります。

職場巡視の活かし方

産業医の職場巡視が行われていても、それが現場の安全衛生に活かされなければ意味がありません。職場巡視後は、産業医の助言を参考に、速やかに措置をとることが大切です。

職場巡視後の措置

職場巡視後は、産業医や衛生管理者とともに会合を開き、巡視で見えてきた問題点を確認します。出てきた問題点については、現場担当者の説明を受けることで解決するものもあるかもしれませんが、課題として残るものもあるでしょう。
課題となったものをどう改善していくか、どのレベルまで改善するか、などの議論が必要となります。しかし、中小企業などでは具体的な改善案を出せる専門家が社内におらず、問題が放置されてしまうケースがあります。そんなときは、外部の専門家に相談するといった対応も必要になります。

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