産業保健師・産業看護師になるには?「保健師資格必須」「臨床経験◯年以上」転職でよくある噂のホントとは

産業看護職

監修者

働く人の心身の健康管理をサポートする専門家です。従業員の皆さんと産業保健業務や面談対応から健康経営優良法人の取得などのサービスを通じて、さまざまな企業課題に向き合っています。私たちは、企業経営者・人事労務の負荷軽減と従業員の健康を実現するとともに、従業員に対する心身のケア実現を通じ、QOL向上と健康な労働力人口の増加への貢献を目指しています。

産業保健の仕事に就きたいけど何から始めたらよいのかわからない…という人も多いのではないでしょうか。企業に勤める産業保健師・産業看護師は、病院とはまた違うスキルが求められます。身につけるべき資格やスキルを知り、しっかりとキャリアプランを立てることが、夢の実現への近道になります。

産業保健師・産業看護師に必要な資格と経験

産業保健師・産業看護師として働くには、どんな資格や経験が必要なのでしょうか。まずは必須となる資格や経験について知っておきましょう。

保健師資格は必須?看護師資格だけでは働けないのか

産業保健分野で働くためには、「保健師資格が必ず必要なのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか。実はそんなことはなく、「産業看護師」として看護師資格のみで働いている場合もあります。産業保健師としてでも産業看護師としてでも、知識やスキルをしっかりと身に付けさえすれば、看護職という専門性を生かし、産業保健分野で活躍することができるのです。

「臨床経験◯年必要」とよく見かけるけど本当?

産業保健師・産業看護師の求人でよく見かけるのが「臨床経験◯年必要」といった応募条件。臨床経験が短いと産業保健の仕事ができないのでしょうか。
産業保健師・産業看護師は、企業勤務とはいえ、従業員の突発的なケガや体調不良の対応をしなければならないこともあります。このような場面では臨床経験は大いに役立ちます。
一方で、産業保健師・産業看護師の仕事としてよくある「メンタルヘルス対策」や「健康相談」などは、臨床で培われる知識やスキルだけで十分に対応できるとはいえません。産業保健分野で働き始めるにあたり、新たに知識やスキルを身に付けなければいけないという事実は、臨床経験の長さによって変わるものではありません。そのため必ずしも長い臨床経験が必要とは限らないのです。

産業保健師・産業看護師の就職を有利にするために

産業看護職は、夜勤がなく土日休みが一般的です。そのためプライベートとのバランスがとりやすく、大変人気の職種です。実際の就職状況や、就職を有利にする方法も知っておきましょう。

産業保健師・産業看護師は常に人気で高倍率

病棟勤務に比べ、勤務が規則的で働きやすいため常に人気が高く、高倍率です。倍率は、求人によっても異なりますが約40倍ともいわれています。ただ、今は従業員の健康管理やメンタルヘルスが特に重要視されている時代。産業保健師・産業看護師は今後さらにニーズが広がり、窓口も広がってくるのではと考えられます。

産業保健師・産業看護師の就職に有利な資格

産業保健師・産業看護師への就職活動で少しでも有利になるよう、役立つ資格を取っておくこともおすすめです。
難易度がそれほど高くなく、比較的取りやすい資格としては「衛生管理者」があります。衛生管理者試験の勉強は、産業保健の基礎知識を学べるため、実際の仕事の中でも役立ちます。また、「産業カウンセラー」や「メンタルヘルスマネジメント検定」も強いアピール材料になるでしょう。

産業保健師・産業看護師を目指すうえで知っておきたいこと

就業後の働き方をきちんとイメージしておくことも、キャリアプランでは重要です。産業保健師・産業看護師を目指すうえで知っておきたい、仕事の内容や雇用形態について解説します。

採用で重要視される経験や能力は企業ごとに異なる

産業保健の仕事とひとくちに言っても、主となる仕事は務める企業によって異なり、それにより求められる能力も異なってきます。例えば、健診結果の管理をする場合にはExcelのスキル、また健康管理の施策を担当する場合には資料作成やプレゼンテーションのスキルといったように様々です。そのため、転職活動時に重要視させる経験や能力も、「どのような仕事を担当するか」により変わってきます。自分が希望する企業ではどんな能力が求められるかイメージしておくことが大切です

正社員の募集をしていない場合もある

企業勤務ということから正社員雇用と思いがちですが、契約社員として募集している企業も多いです。正社員を目指す方にとっては悩むところかもしれませんが、実際に企業で働く経験は貴重な経験となるため、契約社員で経験を積んで次の転職に活かすことも可能です。長期的に見て、自分が納得して働ける職場を探しましょう。