ストレスチェックの高ストレス者はどう対応すればいいの?医師による面接指導から今後の対策まで一気読み!

この記事の監修者

産業医や産業保健師など産業保健分野で活躍する専門家チーム

サンチエ編集部

従業員が50人以上の事業場に義務化されているストレスチェック。従業員のストレスの度合いを把握し職場の環境改善につなげることが目的ですが、実際に高ストレスと思われる従業員がいた場合、どのような対応・対策をすればよいのでしょうか。

ストレスチェックでの高ストレスの評価

高ストレス者への対応の前に、そもそもどういった基準でストレスの度合いを判断するのか、高ストレスの選別基準について解説します。

高ストレス者を選定するための方法

ストレスチェックでの高ストレス者選定については、(1)または(2)に該当する者を高ストレス者として選定します。

(1)「心身のストレス反応」に関する項目の評価点が高い者
(2)「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が高い者

上記の2パターンにおいて、厚生労働省から評価基準の例が公表されており、その基準をもとに高ストレス者を選定すると全体の約10%ほどが高ストレスに該当するであろうといわれています。ただし、これはあくまで目安です。状況によって高ストレス者の割合も変わってくるので、会社側で適切な基準を設けるのが理想的でしょう。

ストレスチェック結果の通知

ストレスチェックの結果は、受けた従業員本人にも通知しなければなりません。ストレスチェックの実施者が、メールや封書などで個別に通知します。個人の結果を会社側が知るには、従業員本人の同意が必要です。

高ストレス者への会社の対応

ストレスチェックで高ストレス者が生じた場合、その対象者への面接指導を設定する可能性があります。いざというときにあわてないよう、面接指導の流れや準備について知っておきましょう。

高ストレス者の面接について

ストレスチェックで高ストレスと判断された従業員は、医師による面接指導を申し入れることができます。一方で会社側は、高ストレス者である従業員から面接の希望があったら面接指導を受けさせることが義務づけられています。本人から希望がない限り、強制的に受けさせることはできません。

従業員は、面接指導を希望した段階で、ストレスチェックの結果の会社側への開示を同意したとみなされます。この点については、後々トラブルにならないよう、事前に従業員に通知しておきましょう。

面接指導の準備

面接指導は、従業員からの申し入れがあってから1カ月以内に設定しなければなりません。
また、面接指導の実施が決まったら、会社側は速やかに、面接で必要となる情報を医師に提供します。主に、対象者のストレスチェックの結果、時間外労働の状況などが重要資料として求められます。

面接指導後に会社がすべきこと

面接指導が終わったら、会社側は医師から面接についての報告書を受け取ります。その意見書を参考に、対象者の労働状況を見直し、労働時間の短縮や労働不可の制限といった措置を検討します。
医師の勧告は強制ではないため、必ずしも従わなければいけないわけではありません。しかし、勧告を無視して従業員に健康被害が生じた場合、損害賠償を請求されることもあるので慎重に検討する必要があります。

高ストレス者発生を防ぐ対策

従業員のストレスは、労災の発生や業務への支障などさまざまなリスクにつながります。そして何より、従業員の健康の維持は、健康経営にとってもっとも重要です。高ストレス者発生を防ぐため、会社は何をすべきなのでしょうか。

メンタルヘルス研修

管理職を対象とした職場のメンタルケアの重要性や部下の不調の早期発見方法などを学ぶ研修や、若手・中堅社員を対象としたセルフケアを学ぶ研修などがあります。会社全体で取り組むことでメンタルヘルスに対する意識をより向上させる目的があります。

職場環境の改善

メンタルヘルスの不調は、ひとつのことが原因となっているケースはごくまれで、多くは複合的な要因から引き起こされます。そのため、職場のストレス対策も、上司や部下との関係性から仕事量、勤務時間、身体への負担など幅広い視点でとらえ職場環境を全体的に見直してみる必要があります。この職場環境改善の検討・決定には、現場で働く従業員も参加させるのが有効。実際に現場をよく知っている従業員がいることでより適切な改善案が出せるほか、従業員も「職場環境改善に参加した」という意識や成功体験が得られ、モチベーション向上につながります。

産業保健スタッフへの相談窓口の設置

仕事で悩んだときに相談する場があるかどうか、ということもストレス発生を左右する要因となります。もちろん、上司や同僚に相談するというケースもありますが、プライバシーが守られたうえで安心して相談できる窓口があることは大きな支えになります。

実際に、高ストレス者がストレスを吐き出せず、重症化してしまうことも少なくありません。ストレスを感じたときに相談しやすい体制を整えておくことが大切です。